気持ちが変わってしまったようです
もう既にいつメンと化したメンバーで、僕らは集まっていた。
「そっかぁー。カズさんと先輩はもうすぐ受験期なんですか」
一つ下の後輩、優希、みぞれ、翠星、優夢とは違って、僕たちカズと僕は、高校2年生なのだ。だから、冬休みを超えたら、そろそろ受験生へと変わる。大学に行かなくとも、就職先を探さなければいけない。僕の場合、創世者からお金はもらっているが、人生の暇つぶしをするためには、働くのが一番いい手だ。故に、忙しくなるわけだが。
「そうだな。我輩はお父様の会社を受け継ぐために、専門の大学を卒業しなければならない・・・。だから、そろそろ忙しくなる時期ではあるな」
「僕も、就職先を見つけないといけないからな」
「そうですよね」
「先輩と遊べなくなるの、寂しい」
「いや、正直我輩は学力だったら十分に備わっている。だから、遊ぼうと思えばいつでも遊べるぞ」
「いや、カズ先輩はいいです」
「どうしてだ?忘れていないよな?一応我々は許嫁なんだぞ?」
忘れている人のために、一応説明しておく。カズは、神堂財閥の息子であり、お父様がお見合いに選んだ相手が、この白夢優希という少女で、それから許嫁となっているのだ。
「何度も言っていますよね?私は先輩と結婚するんです」
「だと仰っているが。大和殿、お前の気持ちはどうなんだ?」
「んー別に。なんでもいい」
「反応が薄い!!」
結婚したいとは思わない。こいつは、友達であるからこそいいやつなんだ。
「はははっ。相変わらず仲がいいね」
「みぞれぇ~。助けて~」
「はいはい。それでなんですけど、一つ提案があるんですよね」
「ん?どうした?」
すると、みぞれはこんなことを言い出した。
「クリスマス、予定空いてますか?」
「む?クリスマスか。たしか、お父様の会社で食事会があったような気がする」
「そうなんですか・・・」
「僕と翠星たちは空いてるよ」
「私も空いてるー!!」
「ほんと?なら、ちょうどよかった」
「どうしたんだ?何かあるのか?」
「それはですね。旅行しませんか?」
「旅行?」
「はい。詳しい予定とかは、追々決めていきたいんですけど、せっかく仲良くなったんですし、旅行したくないですか?」
「たしかに。それは一理あるかも!!なにせ、先輩と旅行できるとか最高すぎませんか!?」
「んー。まぁ、退屈な1日を過ごしたくはないな」
「ですよね。じゃあ、旅行どうですか?よければ、カズ先輩も行きたかったですけど・・・」
「いや、わからない」
「わからない?」
「あぁ。おそらく、お父様にお申し出れば、お許しをいただける可能性がある」
「でも、会社の食事会なんですよね?だったら、無理しなくても」
「いや、あくまでメインは会社で働く人の食事会だ。我輩は会社を継ぐ次期社長として招待されているだけであって、もうほとんど会社を継ぐことは決まっているから、おそらく行ける」
「ほんとか?お願いだ。なんとかして説得してくれ」
「あぁ、尽力する。えっと、クリスマスに旅行・・・と言ったな?」
「はい。お願いします。あ、あと。先輩」
「はい。どうした?」
「一応真愛ちゃんにも、聞いていただけますか?」
「わかった。聞いておく」
「それじゃあ、決まったことですし、また話しましょう!!」
「おう」
そうして、僕たちはそれぞれの教室へと戻っていった。
家に帰って、真愛に聞いてみると、
「ほんと!?行く行く!!」
僕が思っていた通りの反応を示していた。それと、カズからメッセージが届いていて、
「お父様に聞いたところ、快く承諾をしてくださった。よって、我輩もお邪魔することになる」
「おけ。みぞれに言っておく」
これで、全員行くことが決まった。
「楽しみですね!!先輩!!」
「そうだな」
「先輩とクリスマスを共に過ごせるなんて・・・なんて幸せなことか」
「ははっ。そっか」
「ねぇ最近先輩さ、微笑み方とか優しくなりましたよね」
「そうか?いつも通りだと思うが」
「いえ、そんなことないです。前の先輩だったら、絶対にそんな微笑み方はしませんでしたもん」
「そうか?まぁ、変わったってことだろ」
「なんか、今の先輩はかわいい」
「っ・・・。男子に、かわいいって言うもんじゃないだろ」
「いいや?割と使いますよ?というか、先輩、もしかしてその反応・・・照れてます?」
「照れてない」
「うっそだぁー!!」
「嘘じゃねぇよ」
でも少しだけ、照れてしまってた自分もいる。なんでだろうか。前までだったら、逆にうざいって思うくらいだったのに、どうして今は照れるようになってしまったのか。やはり、少しずつ優希に対しての気持ちが変化していっているのだろうか?
「そうだ。今度の日曜日遊びに行きませんか?」
「遊び?いいけどどこに」
「んー。砂浜?」
「寒い時期なのに?」
「はい。行きたくなったので!!」
「まぁ、いいけど。真愛とみぞれ誘うか。翠星たちはどうする?」
「んー。一緒に行きたいけどなぁ。どうしよっか」
「いいじゃん。誘っちゃおうぜ」
それだとカズだけハブられる感じになっちゃうけど・・・まぁいいだろ。
「じゃあみぞれに言っておきますね!!」
「あぁ、よろしく」
僕らは、随分仲がよくなったと思う。もし、今自分に幸せか。という質問が繰り出されたら、僕は即答するだろう。
『幸せだ』
と。




