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後輩にまさかの好かれてしまった!?  作者: 柴田優生


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幸せが、いつまでも続くように____。

夜、僕がベランダで夜風を浴びていると、

「パパー?どうしたの?そんな悩んでいるような顔をして」

未来から来た僕の娘、優夢がやって来た。

「ん?別に。悩んでないぞ」

「そうかな?結構悩んでるっぽく見えたけど」

「大丈夫だ。特に何もない」

実際、本当に何もなかったりする。強いて言うならば、優希達のことに関してだ。正直、あの構ってちゃんには慣れつつあるのだが、エスカレートしていくのが怖い。優希に関しては、ちょくちょく夜這いをしてくるようになったし、そこら辺で言えば少し迷惑な部分もあった。

「まぁ、いいです。それよりパパ!!暇だったら散歩行きませんか?」

「散歩?まぁ、いいけど。いきなりどうしたんだよ」

「えっとね、未来のママに教えてもらったんです。パパは、散歩が好きだったって」

「好きというか、この世界で散歩が唯一暇潰しになるだけであって。別に好きというわけではない」

「そうなんですか。それははじめて知りました!!とりあえず、いいですか?」

「あぁ、いいよ。行こうか」

なぜ突然散歩なんか?と思ったが、それは散歩に出掛けてから聞くとしよう。


そんなこんなで、僕は翠星と優夢と一緒に散歩に出掛けていた。

「んで、なんでいきなり散歩なんか?」

「えっとね、未来では、パパは死んじゃってるわけじゃん?」

「あぁ、そうだったな」

娘たち曰く、未来では僕は早くして死んでしまっているらしい。まあおそらく、異能力を失ったからであろう。異能力を失ったということは、生身の状態と変わりない。いくら鍛えていたとは言え、流石に事故には勝てないか。

「それでね、私は過去に戻って、パパと話せているわけです。私たちも、いつ未来に戻るかわからないですから、一秒でも長くパパと話していたいんです」

「なるほど。翠星もそういった感じか?」

「そうですね。僕も父さんと話していたいんです」

「そっか。きっと辛かっただろ?」

「え?」

「息子達を置いて死んだ分際で、言えることじゃないけど。お前は長男として、優夢を見守って、未来の母親を支えていたわけだろ?」

「そうですね」

「心配かけてすまなかった。苦労したよな」

「パパ・・・。いえ、パパの方が余程辛いと思います。生きたい人生を、事故で奪われてしまって・・・」

実際、そうでもない。どちらかと言えば、仲良かったやつが次々と空へ旅立っていくのを見届ける方が辛い。僕は、どちみち転生を繰り返すのだ。だって、創世者がそう設定したから。

「まぁ、過去に戻って、父さんと話すことが出来てよかったです」

それは、普通起こり得ることのない奇跡なのである。

「なんだかんだ、僕も新しい人生を歩むことが出来たという成長を実感することが出来た。だから、生まれてくれてありがとう。翠星、優夢」

「パパ・・・!!」

「ははっ。もう少し散歩するか?」

「うん!!もっと、パパと話していたい!!」

無邪気で、それでも可愛らしい存在。今では、まだ僕と子供たちは一つ違いだが、何故かそれでも本当の子供のように思えてくる。

「お兄ちゃん、寒いね」

「そうだな」

「寒いからさ、手を繋いでくれない?」

「やだよ、恥ずかしい」

「兄妹仲がいいのは素晴らしいじゃないか。翠星、手を繋いでやりなよ」

「わ、わかりました。これで、いいか?」

「うん。お兄ちゃんの手、暖かい」

懐かしい風景だ。2個前の世界でも、優夢はこうやって僕に甘えてきた。

「変わらず、そのままでいてくれよ」

二人の幸せを願って、僕たちは散歩を続けたのだ。


季節は11月の末にもなり、本格的な冬が訪れようとしていた。息子達がやって来てから、約2ヶ月。もう、そんなに長い月日が流れていたのだ。幸せな日々を過ごし、今に至る。これだけ過ごしてしまったら、少しだけ胸が痛むのだ。それは、こいつらが未来に帰ってしまう。と考えると、胸が締め付けられるような痛みが襲ってくるからだ。所謂、依存。

「そっか。もう僕はそんなに変わっていたのか」

優希の家に住むようになってからも、少しずつ心境が変化していった。前まで、多少はウザさを感じていたが、今になるともうそれはなくなっていた。

「先輩、もうすっかり寒くなりましたね」

「そうだな。あ、マフラーいるか?」

「いいんですか?でも、それだと先輩が・・・」

「いいんだよ。僕のことは気にするな」

「うーん。あ、じゃあ、こうしましょ」

「ちょ、おい」

「でもこれだったら、私も先輩も、暖かくなれるでしょ?」

その瞬間、優希は僕が渡したマフラーを、僕の首にも巻き付けて、二人が使えるようにした。うーん。密着している。

「先輩。暖かいですね」

「いつも言ってるだろ。抱きついてくるな」

いつも言っているが故に、もうこの台詞を言った回数なんて、とっくのとうに忘れてしまった。まぁ、そんなことはどうでもいいか。

「来月には、クリスマスですね」

「そうだな。お前は、誰かと過ごす予定とかあるのか?」

「うーん、今のところないから、先輩がよかったら一緒に過ごしたいです!!」

なんというか、可愛いやつだ。でも、僕もクリスマスは暇だ。だから、

「うん。いいよ」

「ほんと!?やったー!!」

僕ははじめて、妹以外とクリスマスを共に過ごす約束をしたのだった。

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