キスをしようとしたら・・・!?
「・・・おい」
「・・・え?」
刹那、信じられないことが起きた。なんで?先輩は、寝ていたはずだよね?なのに、なんで気づけたの?
「今、何しようとしてた?」
バレちゃったからには、うそついても仕方ないか。
「キスしようとしました」
「だよな」
「だ、だって!!みぞれとお昼イチャイチャしてたじゃないですか!!だから、その。嫉妬しちゃって」
「はぁ。真っ正面から来いよ」
「はい。善処します・・・」
だったらもう、開き直っちゃえ!!
「ねぇ先輩。一緒に寝ませんか?」
「反省してんのか」
「してます。だから、真っ正面に行ったでしょ?」
「ま、まぁ。それもそうか。だが断る」
「な、なんで!?」
なんか、どこかで聞いたことある台詞!!
「理由は簡単だ。僕が嫌だから」
「なんでー!!いいじゃないですか!!」
「もう寝るから。さっさとどっか行け」
「むー。冷たいですなぁ」
でも、それでも。私はそんな先輩が好きなのだった。
「いつになったら、先輩と付き合えるかなぁ」
そうだ。翠星君や優夢ちゃんだったら、先輩の親戚って言っていたし、何か手助けしてくれるかも?
「よし、聞いてみよう」
まだ、優夢ちゃん起きてるかな?
「あ、優夢ちゃん!!」
「?あぁ、優希ちゃん。どうしたの?」
「ちょっと、先輩のことで相談があって・・・」
「先輩?・・・あぁ、そういうこと。いいよ。乗ってあげる」
そして、私は優夢ちゃんに先輩のことについて話した。
「ほうほう。なるほど。つまり、優希ちゃんは大和君のことが好きなんだ」
「まぁ、平たくまとめるとそうだね」
「んー。でもなぁ。私は大和くんの親戚だけど、それでも大和くんは謎だしなぁ」
「やっぱり、昔から大和くんは誰に対しても興味がなかったの?」
「うん。そうだね。親戚で集まるときでも、一度も笑ったところを見たことはないかも」
「そうなんだ。でさ、どうしたら大和くんを惚れさせれるかな」
「んー。今優希ちゃんは、どんな感じで大和くんにアタックしてるの?」
「最近は抱きついたり、その、夜這いをしたり・・・」
「お、おぉ。案外大胆だね。優希ちゃん」
「やっぱり、大胆だと嫌われちゃうかな」
「いや、そんなことないと思うよ」
「え?それはどういう」
「大和くんはね、たしかにしつこいのとかは嫌いだけど、実は大和くんのタイプって子供っぽい子なんだよ。だから、今の調子のまま大和くんに甘え続けたら、少しは気持ち変わってくれるかもしれない」
「ほんと!?惚れてくれるかな」
「恋愛はね、行動じゃないんだよ」
「そうなの?」
「うん。恋愛は、行動じゃなくて、根性なの。優希ちゃん、可愛いから結構男の子にモテるでしょ?」
「う、うん。あんま自分で言っていいことじゃないけど、告白はよくされるね」
「それでさ、優希ちゃんが振っても、そこで諦めた子って、それほど多くなかったでしょ?」
「た、たしかに」
今まで、少なくとも50回以上は告白をされたけど、一回の告白で諦めた子は、片手で数えられるほどだった。
「だから、優希ちゃんもそのままアピールを続けたら、恋が叶うかもしれない。あとは、大和くんの気持ち次第になっちゃうけどね」
「そうなんだ!!ありがとう優夢ちゃん!!私、頑張って先輩を惚れさせてみる!!」
「うん。頑張って」
そうやって言って、優希ちゃんは去っていった。
「パパも、隅に置けないねぇ」
学生時代のパパも、すごくモテてるじゃん。これであれだけ平然としていられるの、やっぱりパパはすごいなぁ。
「白夢優希ちゃん。だったよねぇ」
あの子、すごく熱心な子だなぁ。
「ふふふっ。これからが楽しみだなぁ」
パパは、優希ちゃんかみぞれちゃんか。どっちの美少女を選ぶのだろうか。
「私は、答えを知っているわけだけどね」
さぁ、私もそろそろ寝よう。
「さっ。お兄ちゃん。出ておいで」
「なんでバレてるんだよ」
「んー。テレパシー?なんと言うか、お兄ちゃん愛が強すぎて!!」
「んだよ、それ」
「ごちゃごちゃ言わずに!!ほら、部屋に行って寝るよ!!」
「はぁ。はいはい」
翌日、学校へ登校すると、
「おはようございます。先輩」
「おはよう」
校門で、みぞれが待っていた。
「今日も先輩は格好いいですね」
「んなことない。僕よりかっこいい男子なんて他にいるだろ」
「そんなことないです!!」
「お、おぉ」
いきなり大声を出すなよ。ビビるじゃねぇか。
「今日もお願いしますね。先輩」
「はぁ。わかったよ」
いつからみぞれもこうなっちゃったんだろうか。
「あ、せんぱーい!!おはようございます!!」
「うげっ。騒がしいやつが来た」
「なんですかその反応はー!!」
「おい!!」
お前に躊躇いとかないのか?
そんなこんなで、優希とみぞれからアタックされる日が続いた。
「おやおや、随分と疲れているようじゃないか」
「お、久しぶりだな。カズ」
一応知らない人のために紹介しておく。こいつの名前は、神堂カズ。神堂財閥の王子様だ。
「優希とみぞれのアタックが凄いんだよ・・・」
「はははっ。青春をしておるな!!大和殿」
「そこじゃねぇよ。だるいんだよほんと」
「我輩からしたら羨ましいものだがな」
「あぁそっか。優希とは許嫁だからな」
「まったくそうだ。彼女には、好きな人がいるからな」
そうだ。彼女の好きな人とは、僕のことだ。
学園一の美少女が、平凡な男子高校生に惚れる___。そんな、漫画のような物語が、今日も続くのであった。




