誰と結婚する?
私は真剣に、みぞれと話していた。
「先輩って、結局どうしたら惚れるんだろう?」
「それなぁー。私たち、こんなにアピールしてるのに、まったく反応してくれないよね」
「鈍感なのか、はたまた童貞なだけなのか・・・」
私には、好きな人がいます。それは、ひとつ上の先輩、夢叶大和先輩です。先輩は、基本的には他人に興味がなくて、そして童貞な先輩です。そんな私は、どうやら学園一の美少女だと言われているらしいのですが、そんな美少女にすら先輩は靡く様子がないんです。
「ほんと、美少女が好きって言ってるのに。先輩はなんで付き合おうって思わないんだろうか」
私からしたら、謎でしかない。だって、私が見てきた男の子はそうだったから。好かれるなら、なんだっていいっていう子しかいなかった。だから、先輩も、アタックしたらイチコロだろうって思っていたのに。
「色気使うのは、どうなのかねぇ」
「わからない。先輩、そういうのにも興味はなさそう。でも、一応お年頃の男の子だし、わんちゃんがあるかも・・・?」
「そうだね。でも、先輩しつこいのは嫌いだしなぁ」
なんとも、気が合わない特徴をしている。私たちは、結局先輩をどう落としたらいいか。それが、分からないのであった。
そんなこんなで、家に帰ると、
「おかえりなさい、先輩!!」
いつものように、優希が出迎えていた。
「ただいまー」
「ねぇねぇ先輩。今日はね、先輩に甘えたい気分なんですけど。いいですか?」
「いきなりどうしたんだよ」
いつものうな手口か?だとしてもまぁ。アタックしてこいって言ったのは僕だしなぁ。
「まぁ、いいよ。出来ることがあればする」
僕は、それを受け取るしかなかった。
「やったー!!先輩、大好き」
「う、うぐぅ・・・」
さすがにこれは、心臓が跳ね上がってしまう。そりゃそうだろ。こんな美少女に、好きなんか言われて、いくら僕でも耐えられるわけがない。
「と、とりあえず。自室に行かせてほしいんだが」
「あ、ごめんごめん。行こっか」
そんなこんなで、その後も優希を甘やかすのであった。
正直、最近は自分の好きなタイプがわからない。基本となるのが真愛だと思っていたが、優希やみぞれに出会ってからなんだかそれも変わってきているような気がする。
「恋、したのか?」
でも、あの時の感覚とは違う。依存する・・・と、恋は別だ。依存は、同姓の友達にだって出来る。恋は、自分の恋愛対象にしか出来ない。だとしたら、僕の今の気持ちは、依存なんだろうか?
「そっかぁー」
僕も、随分と変わってしまったようだ。でもたしかにしつこいが、優希やみぞれ、そしてカズと一緒にいるのは、なんだか楽しくも思えてくる。
「僕は、どっちを好きになるんだろうか」
翠星や優夢がいるということは、嫁がいるということだ。僕が誰かも知らない奴のことを好きになるとは考えにくいから、おそらく、優希かみぞれのどちらかなんだろう。
「そうか。結局はどちらかに恋をするのか」
この運命は、避けられないことなんだろう。僕は、どちらかを好きになって、翠星たちを産むんだろう。
「だとしたら、成長できているということだ」
この世界において、僕は誰かを好きになることはないと思っていた。
「パパー?今暇ー?」
「あ、うん。どうした?」
そんなことを考えていると、優夢がやってきた。
「今ちょっと暇だからさ、パパと話しててもいい?」
「いいよ」
「この前さ、異能力使ったじゃん」
「そうだな」
「私たちは、未来の世界で使ってるかもしれないけど、でもこの世界は平和だし・・・。正直、異能力を持っている意味ってあるの?」
「たしかにないが、この異能力は来世でも引き継がれるっぽいんだよ。だから、もし来世が平和じゃない世界だったら、この能力がないと生きていけないと思うんだよ」
「あ、そうなんだ。そんな世界に遭ってほしくないけどね」
「まぁ、それはそうだな」
平和じゃない世界なんて、なんの幸せもない。前世は、運良く幸せな未来を築くことはできたが、毎度毎度その世界を創れるとは限らない。
「でもさでもさ、この世界は平和じゃん?」
「そうだな」
「だったら、異能力を封印してもいいんじゃない?」
「?・・・どうしたんだよ。いきなり」
なんでそんなにも異能力を封印することに固執するのか?いやまぁ、たしかにこの世界においては必要ないけどさ??
「ほら、封印だったら出来るでしょ?体育祭のときも、封印魔法使ってたじゃん」
「たしかに使っていたが、封印魔法は二つの種類があるんだよ」
「そうなの?」
「あぁ。僕が体育祭の時に使っていた封印魔法は、一時的に封印を行う魔法。常に体力も消費し続けるし、解除は簡単に出来るやつだ。そして、もう一つは永遠魔法。異能力を、永遠的に封印する魔法なんだよ。でも、それを扱うのも結構難しくて。一度に膨大な体力を消費するし、最悪、僕でも死に至るほどだ」
「そ、そうなんだ。じゃあ、封印は厳しいの?」
「まぁ、そうだな。この世界だったら、異能力はなくてもいいと思うが、封印しようと思うと、常に体力が減り続けるか、未来永劫封印をするか。そのどちらかの選択を取らないといけないんだよ」
「そうなんだぁ~」
なんでそんな面倒くさいタイプしかないんだろうか。まぁ別に、創世者にお願いしたら封印は出来るだろうな。でも、なんでそんなに封印させたいんだろうか?




