好きなタイプ
そんなこんなで、僕らは異能力を放つ練習をしていた。
「そうだ。そんな感じで放つんだ」
「はぁ、はぁ・・・。これ、結構体力使いますね」
「そうだろ?」
「はい。父さん、余程強く、辛い時代を生き抜いたんですね」
「まぁ、前世はそれが当たり前だからな」
知らない人に説明しよう。僕は、所謂転生者で、数々の世界を渡り歩いてきた。2個前の世界では、ブラコンな義妹がいた世界。そして、前世では、異能力が当たり前に存在するなかで僕が世界最強になる世界・・・。響きだけ聞けば、ただの中二病だろう。しかし、そう言われても、僕が歩んできたこれが事実なのである。
「パパ見てー!!」
「どうした?」
「いくよ?モデルバースト!!」
「うお、凄いな!!自分で習得したのか?」
「うん。そんな感じかな。なんか、適当に技を放ってみようと思ったら、オリジナルを放てた!!」
「そんな軽い感じでいけるものなのか?」
かつて異能力の世界を生きた僕でも、異能力の習得には時間を掛けたもんだぞ?もしこいつが、あの世界で生きていたらどうなっていたんだろうな・・・。
「えへへー。凄いでしょ」
「凄い。というか、凄すぎる」
「お兄ちゃん褒められちゃった!!」
「よかったな」
僕も、久々にちゃんとした異能力を放ってみたが、
「んー。劣ってるな」
やはり、あの時代よりかは、腕が完全に落ちている。
「パパすごっ!?なに今の?」
「そんな凄いか?これでも腕はかなり落ちてるぞ」
「少なくとも、私たちよりかは制度がめっちゃ高い!!」
「おそらく僕らは、父さんの異能力を引き継いでいるとは言え、あくまでコピーと同じものだから、その文どこかで弱体化が起きてるんだろうね」
「そういうことか」
だったら、差が出るのも仕方ないか。
「まだもう少し練習するか?」
「うん!!そうする!!」
まったく、若いというのもいいなぁ。よくそんなにも体力があり余るもんだ。
そんなこんなで、異能力の練習は終わって、僕らは仮想空間から抜け出していた。
「あいつも、僕には到底出来ない芸当が出来るんだな」
世界最強には成り上がったものの、まだまだ発動することが出来ない異能力は沢山ある。だから、創世者には到底敵うことは出来ないだろう。
「もし、あいつと戦う日が来たら・・・」
そうなったら、即死してもおかしくない。だって、世界最強でも・・・。結局、どの世界においても、宇宙のどこを探しても、全てを創り出したのは創世者だ。そんな奴に歯が立つわけがない。
「お兄ちゃん。今暇?」
「あ、はいはい。どうした?」
まぁ、そんなこと今考えていても仕方ないか。今は、平和な世界を生きているんだ。だから、この世界では息抜きとして、のんびり過ごそうか。
夜、僕は優希と話していた。ちなみに、今現在は、優希の家に居候をさせてもらっている。
「ねね、先輩」
「はい。どうした?」
「ずっと気になっていたんですけど、先輩のタイプってなんなんですか?」
「タイプって、それは、理想の女性のことか?」
「そうです。先輩の理想の女性の人になりたいので!!」
「あ、あははー。相変わらずだな」
「いいから、教えてください!!」
「んー、そうだな」
おそらく、どの世界に行っても、僕は真愛みたいな女性を求めるだろう。あのときの、真愛を。
「ちょっと子供っぽいところはあるけど、それでも大人な子かな。子供が特に好きで、一途な子」
「うーん。所々当てはまってはいますけど、まだ完璧ではないですね」
「別に、無理に合わせなくていいんじゃないか?」
「どうしてですか?」
「僕は、恋愛をしたことがないからわからんけど、こういうのは、惚れられてる側はな、相手が変わってしまうと、前の方が好きって思うようになったりするらしいぞ」
「そうなんですか?」
「あぁ。なんというか。寂しさを覚えるんじゃないか?変わってしまったなーって思って、それで自分は前のあの子の方が好きだったんだって。そうやって気づくもんだと思うぞ」
「でも、先輩しつこい人は嫌いなんですよね?」
「あぁ、嫌いだな」
「私、末っ子ですし、大人びたところなんて、ひとつもないですもん」
「別に、それでもいいだろ」
「先輩は、それだと私のことが嫌いになっちゃうじゃないですか」
「別に、嫌いにはならんと思う。たしかにな、しつこいのは嫌いだ。相手するのめんどくさいし。でも、優希という人間は、そういう人間だろ?お前をな、恋愛的に好きになることはできなくても、人として好きになることはできるんだよ。だから、お前が今の優希を受け入れろって言うなら、それでいいさ。友達になったんじゃないか?」
「!!そうですね!!絶対に、嫌いませんか?」
「あぁ。こちらにも、責任はあるからな」
白夢優希という少女に、興味を持ってしまったから。彼女を呪うことなんて出来ない。
「わかりました!!じゃあ、もっと素直になっていいんですね?」
「まぁ、限度はあるからな」
「わかってますって!!じゃあ、早速」
「ちょ、おい!!限度があるって言っただろ!!」
「んー?今は、先輩に甘えたい気分です♡」
相も変わらず、大胆な奴だ。でも、それでも。悪い気はしなかった。




