表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後輩にまさかの好かれてしまった!?  作者: 柴田優生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/108

大和が真愛に・・・

それから数日、学校に行っては、家に帰り、優希や息子達に甘えられる日が続いた。季節は、もう既に秋になっていた。10月上旬、夏色だった緑色の葉も徐々に枯れて地面に落とし、田舎ならではの秋の匂いも充満するようになった。そんな中、真愛の受験勉強は順調だった。どうやら、部活も引退して、勉強に集中することが出来るそうだ。

「大分成長したな。そろそろ射程圏内には入れるんじゃないか?」

「ほんと?やったー!!」

どの教科も、8割は取れるようになってきた。基礎もしっかり身に付いてきてるし、真愛がうちの学校に合格する未来が見えてきた。

「・・・」

「がんばれ。真愛」

一、兄貴として、真愛の受験勉強を応援してやる。わりと、真剣に取り組む姿は、昔と変わってないのである。


そんな日常が増えていった。真愛は、学校から帰れば、勉強漬けの日々を送っていった。故に、学力も上昇するだろうという見込みも見られた。・・・はずなのだが、

「そこ、ケアレスミスだ」

「あ、ほんとだ」

最近、凡ミスが増えた。前までこんなミスは少なかったのに、最近になってまた増えてきた。

「勉強のやりすぎか?少し休憩するぞ」

「いや、いい。やる」

「でも、やりすぎはよくない。息抜きも大事だぞ。そうだ。息抜きがてら、散歩でもするか?」

「・・・わかった」

そうして僕らは、散歩に出掛けた。


外に出れば、少し肌寒くなっていた。まぁ、涼しい時期に差し掛かってるからな。それも当たり前か。

「・・・」

「・・・」

沈黙が、この空間に流れていた。やっぱり、なにかがおかしい。実は、2日ほど前から気づいていた。最近、真愛の調子がおかしい。ミスも増えたし、表情も少し険しい。うまく隠しているせいか、僕以外はまったく気付いていないようだが、

「・・・」

散歩中の真愛も、ただ黙り込んで呆然と歩くだけだった。まったく、息抜きしてるようには見えなかった。

「はぁ」

仕方ない。何かあったのは確実だ。近くの公園に寄ろう。

「真愛の好きなやつは、これか」

真愛を、公園のベンチに座らせて、僕は飲み物を買った。

「ほれ」

「え?あっ、ちょっと!!」

「ナイスキャッチ」

「いきなり投げないでよ。で、なんで私の好きなものを?」

「息抜きだって言ってんだろ。ちょうど欲しかっただろ?飲めよ」

「うん。ありがとう」

僕も、ホットコーヒーを開けて、飲んだ。

「苦っ」

無理するんじゃなかった。

「落ち着けたか?」

「・・・うん」

「それで、何があったんだ?」

「え?」

「学校で、何かあったんだろ?」

「なんで、知ってるの?」

「お前なぁ、何年お前の兄貴やってると思ってんだよ。お前の変化くらい、そんなんすぐ気付くわ」

「・・・やっぱ、お兄ちゃんは流石だね。あのね、お兄ちゃん、学校でもそこそこ知られてるからさ、私がお兄ちゃんの妹だってことも知られてるわけ。それでね、私はそんなつもりないんだけど、学校の男の子からね」

「お前、お兄ちゃん大好きなんだろ?ブラコンじゃねぇか!!きっしょw」

「って笑われて。それで、何も言い返せなかった自分が憎くて」

「はぁ・・・」

「だから、ねぇ。助けて”大和”」

「っ!!」

これは、かなりの緊急事態だということを示唆していた。こいつが僕のことを大和と呼ぶことは、滅多にない。だから、僕のことをそう呼んだということはつまり、そういうことだ。

「ねぇ、助けて・・・。大和」

「わかった。どうしたんだ?いじめでも受けてるのか?」

「うん。最近は、そうなの。よく机に落書きとかされるの」

「わかった。お兄ちゃんに任せとけ」

おれの妹を傷つけるとか、いい度胸してるじゃねぇか。

「その男子とやらは?」

「あ、えっと・・・」

結局、何も聞けなかったが、わかった。とりあえず学校に乗り込めばなんとかなるだろ。


そうして翌日、僕は秒でそのいじめを終わらせた。まず、いじめを行った男子に苦痛を味あわせて、それを放置していた教師に愛情を注いでやった。

「ったく、そういうことがあったらすぐ言えよ」

「ごめんね。お兄ちゃん。心配かけて」

「いいんだよ。お前が謝ることじゃない」

「本当にありがとう」

「気にしなくていいからな」

「何が?」

「お前も、お年頃の女の子だから、あんまお前の中での事情は知らんが、兄に甘えることは悪いことじゃないからな」

「え?」

「第一、僕たちには本当の両親はいないんだ。それに責任を感じてるのか、なんなのかは分からんが。甘えたいときは僕に甘えていいんだからな」

「いいの?」

「あぁ、いいよ」

「嫌ったり、迷惑だって思わない?」

「思わん。家族なんだから、それくらい当たり前だろ」

「お兄ちゃん・・・!!うん!!わかった!!」

僕は、真愛の兄だ。親がいない分、救ってやる義務がある。別に、ブラコンだったっていい。妹に、嫌われていたっていい。それが兄としての人生なら、別に文句は言えない。


「先輩、やっぱり優しいなぁ」

先輩がどこか行くから、内緒で後ろをついていったけど、そういうことだったんだ。先輩は、自分の妹に対しても優しい。親戚の子とか、私たちがいながら・・・先輩は全員の面倒を見ている。

「やっぱり私は、先輩が好き」

いつか、私の彼氏にならないかなぁ。なんて、いつも思う。

「いつになったら、好きになってくれるんだろうか」

これだけアタックしても、先輩は私に靡いてくれない。

先輩のことを好きになって約半年。私は、また先輩のことが好きになったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ