学年一美少女の後輩に疑われて・・・!?
そうして、朝のホームルームで、
「今日は、一つ下の学年に、転校生が来るそうだ。先輩として、暖かく迎えてやるんだぞ」
おそらく、翠星と優夢であろう紹介がされた。そして、ホームルームが終わると、
「ちょっと先輩!?」
まぁ、ここまでは予想していた。だって、僕と翠星達の苗字は同じだ。そして、僕の苗字は、日本中を探してもそうそういないのだ。だから、疑うのも無理はない。
「なんだよ」
「今日、転校生が来たんですけど」
「あぁ、さっき言われた」
「先輩と苗字同じじゃないですか!!」
「まぁ、同じ人くらいいるだろ」
「そんなはずがないです!!私、生きてきた中で、先輩と同じ苗字の方見たことないですもん!!」
「まだ生きて15年とかだろ。これからまだもっと長い未来があるんだぞ」
さて、うまく誤魔化せているようだが。カズにも、みぞれにも。優希にも・・・。バレるのは時間の問題だ。すると、
「あ、せんぱ・・・」
「っ!!」
馬鹿!!話しかけるなと言っただろうが!!
「ちょっと先輩!?」
僕はすぐに逃げ出した。しかし、流石は僕の子供だ。スピードは、僕に匹敵するほどだった。故に、異能力を展開していない僕は、簡単に捕まってしまったのだ。
「先輩、やっぱそんな反応するってことは・・・」
待て待て。どうする?
「おい、どうすんだよ」
「だって、パパがいたんだもん」
「だから、学校では話しかけるなって言っただろ!!」
「ごめんなさい・・・」
「っ・・・。そんな、そんな表情をするな」
正直、自分でもその自覚が生まれてきているんだろう。息子が、娘が酷い目に遭ったら・・・と考えたら、少し苛立つ気持ちがあった。今回も、優夢が悲しそうな表情をした途端、心が痛んだのだ。
「だったら、どうにかして取り返してくれよ」
「んー。仕方ないですね。分かりましたよ」
「ねぇ、何をコソコソしてるんですか!?」
優夢が何て言うのか。不安な気持ちになりながらその言葉を待っていると、
「私は、先輩の遠い親戚です。再従兄弟よりも、もっと遠くの。だから、苗字が同じなんですよ」
「あぁ~。なるほど。たしかに。顔もなんとなく似てる気がするし。なーんだ。親戚だったんだ」
「お、おう。そうだよ」
なんとか、優希は納得してくれたようだった。しかし、これを知ったのは優希だけ。他の在校生は、疑問に思うだろう。苗字は同じでも、親戚だという結論にまでには至らないだろう。
「もうー。それなら言ってくれればよかったのに。逃げるとかいう紛らわしい反応をするから。先輩に隣がいるのかとおもってしまったじゃないですか」
「あ、あははー。ごめん」
まぁ、とにかく。誤魔化せたならいいか。
「じゃあ、みぞれとカズにも紹介しておかないといけないか」
なんていう反応をされるか分からないが、未来から来た子供である以上、僕と関わりが深くなるのは避けられない。だから、いつも一緒にいる人にも、話しておかないと、混乱するだろう。ただ、
「ちょっとだるいな」
なんだか、複雑な気持ちだった。僕はこいつらの父親だとは言っても、元世界ではまだ高校生。娘に、生活を見られるのは少々恥ずかしい。
そんなこんなで、新たに、未来から来た子供がいる生活が始まった。一つ、問題なのが、こいつらの来た時期が悪かったということだ。今、体育祭期間真っ只中なのだ。体力は、翠星も優夢も僕に似たのか・・・。動いても全然平気な様子だったが、流石に、異能力を隠し続けるのは、辛いようだった。
「やっぱ、親子だったのか」
「ずっと前から言ってるじゃないですか。私たちはパパの子供なんです。パパからね、異能力も受け継いでいるんですよ」
「それって、僕の異能力の一部が完全に失くなったのか?」
「いや、パパの中に秘めてある異能力の遺伝子をコピーして、それと似た異能力が私たちの体に備わっているんです」
「なるほど」
つまり言うと・・・。よくわからなかった。
「まぁ、この辛い期間も1週間の辛抱だ」
異能力の遺伝子を受け継いでいるのなら、体力も分けてあげることが出来るということなのだろうか。
「最悪限界が近づいたらなんとかしてやるよ」
「ほんと!?パパ大好きー!!」
「ありがとう。お父さん」
「いいってことよ」
この時から、僕はそうなっていたのだろう。自然的に、こいつらに寄り添ってあげようとしていたのだ。
そんなこんなで、変わってしまった日常の1日目が終わった。
「はぁ。ほんと疲れた」
僕と翠星達が仲良くしているところを、同級生に見られて騒がれたもんだ。なんとか誤魔化すことはできたが・・・。普通に疲れた。
「やっぱ、学校は別々にした方がよかったのか?」
でも、もし見えないところで何かあったら・・・。
「いや、これが正解なんだろう」
未来では、既に僕は死んでいるのだ。だから、未来で守れなかった分、息子達を守る義務があるだろう。
「パパ!!せっかくだし、一緒に帰りましょう!!」
「はぁ。仕方ないな」
「ほら、お兄ちゃん!!帰るよ!!」
「うん」
そう言って、二人は手を繋いだ。
「まったく、どこに似たんだか」
未来から息子達がやって来て2日目。僕は、子供と同じ学校に通って、下校をするという謎の状況に巻き込まれたのだった。




