暇すぎるようです
そんなこんなで、体育祭というものが始まってしまった。ちなみに、皆は体育祭は好きだろうか?僕は、大嫌いだ。だって、練習中は常に異能力を封印し続けるために体力を消耗しているから。
「あー疲れたー!!」
こいつは、一つ下の白夢優希。単刀直入に言うと、僕のことが好きらしい。
「おつかれさんです」
僕の方が、より一層疲れているけどな。まぁ、そんなことが言い出せるわけもなく。
「というか、今日でもう1週間終わりですかぁー」
「そうだなー」
「やっぱ先輩と過ごしていると、ほんとに時の流れがはやく感じるんですよね」
「なんか、聞いたことはあるな。好きな人といると、時の流れが早くなる・・・。みたいな」
「そう!!それです」
僕はそんなことを経験したことがないが、実際好きな人がいたら本当に変わるんだろう。
「好きって、それほどに世界が違ったりするのか?」
「全然違いますね。考えるだけで、幸せになるんですよ?」
「やっぱそんなもんなのか」
たしかに、前世は真愛のことを考えるだけで何もかもが違った気がする。
「だから先輩も、私に恋をしてみましょう!!」
「お前は・・・。相変わらずだな」
隙あらばすぐそうやって愛を告白してくるんだから。
「おう、大和殿。こんなところにいたのか」
「うげっ」
「おやおや?許嫁に対してその反応は流石に無礼なんじゃないか?」
「私は、あなたの嫁になんかならないです」
「はははっ。相変わらず優希殿は我輩に冷たいなぁー」
「僕としては是非、カズに渡したいんだがな」
「なんで先輩はいつもそんなことを言うのですかー!!」
そんなこんなで、
「そう言えば、大和殿って、本当に運動神経が悪いのか?」
突然、そんな疑問を投げ掛けられる。なんで?上手く隠せていたはずだが。
「いや、本当に運動能力が壊滅的なだけだよ」
「でも、おかしいんだよなぁ。一応、整体師の資格を持っているから分かるが、大和殿の骨格や肉付きはアスリートに匹敵するほどの筋肉量なんだよなぁ」
「さぁ。そんなこともないんじゃないか?」
よりにもよって、なんでそんな資格を持ってるんだよ。しかも、まだ高校生だぞ?たしかに、学年内でもトップに君臨するほどの頭脳を持ち合わせているのは認知していたが、流石にそこまでだとは思わなかった。
「最悪、知り合いにアスリートがいるから、大和殿に手配をすることも出来るが?」
「いや、いいよ。その人に申し訳ないし。それに、そろそろ練習に戻る頃だろ?」
「まぁ、そうだな」
「むっ。先輩、行く前にハグしてください」
「やんねぇよ」
その後、優希が何かを言っていたが、それを無視して僕は練習に戻ったのだった。
それからというものの、なんとかきつい一週間を乗り越えて、土曜日になることが出来ていた。本当に、疲れる一週間だった。だって、ずっと異能力を酷使し続けなければいけないし、優希といい、みぞれといい・・・。本当に疲れる一週間だった。しかし、休日になった今、
「んー。暇だなぁ」
ゆっくり休みたいのだが、それよりも先に暇が勝ってしまった。真愛なら今日は休みのはずだし、なんか誘ってみるか?
「んー。まぁいいか」
とりあえず、真愛に聞くとしよう。
「真愛ー。今日遊べるか?」
「ん?ごめんお兄ちゃん。生憎今日は友達と遊ぶ予定なの。どうしたの?暇なの?」
「そうなんだよ。めちゃくちゃ暇なんだよ」
「編集作業のバイトは?」
「全部終わらせちゃった」
「お、おぉ・・・。すごいね。んー。流石に予定を断れないからなぁ。まぁでも、家を出るまでまだちょっと時間があるし、その間だったら話せるけど・・・。どうする?」
暇を持て余している自分に、悩む時間なんて必要なかった。
「はなす」
「お、おう。まぁ、いいよ」
そんなこんなで、僕は真愛と雑談をするのだった。
それから30分後、流石にそろそろ家を出るとのことで、真愛は遊びに行ってしまった。
「くっそぉ~。暇だ~」
故に、僕は再度暇を持て余していた。
「んー。何しようか」
時間はまだ午前だし、一日中出来ることといえば・・・。
「プチ旅。くらいか?」
僕の唯一の暇潰し、それが旅だ。異能力のせいで体力がまだ回復しきっていないが、暇を潰せることとしたら、この方法しか残っていない。
「すぐ用意したら、30分後には家を出れるか」
どこに行くかも決まっていないが、まぁ適当に少し遠出するくらいでいいだろう。
「んー」
最近、私はつくづく思うのだ。
「実に、おもしろくない」
私は、夢叶大和という男子高校生を観察しているのだが、最近こいつの人生に面白味を感じないのだ。
「そろそろ、試し時か?」
流石に、私としても面白味があった方がいい。丁度旅に出ると言っていたし・・・。
「何か、面白い出会いでもさせてやろうか」
だとしたら・・・。
「・・・ほう」
面白いことを思い付いてしまった。
「さぁ、苦しめ。大和」




