優希の様子がおかしいようです!?
「えー、夏休み明けですが、気を抜かないように。これからも、無事故、無怪我を目指して・・・」
そんなこんなで、2学期がスタートした。久しぶりの体育館は、中々にジメジメしていた。私立なんだから、エアコンくらいつけとけよ。まぁ、そんな文句を言っても致し方ない。教室に戻れば、エアコンがガンガンに効いている。
「せんぱーい」
こいつは、1つ下の白夢優希。単刀直入に言えば、僕はこいつに好かれているのだ。
「どうしたんだ?」
「夏休み終わってしまいましたねー」
その台詞、夏休み中に何度聞いたことか。
「まあでも、これからもよろしくお願いしますね!!」
「はいはい。わかったよ」
まぁ、友達である以上、それは断れないお願いだ。
「そうだ。私ね、決めたことがあるんですよ」
「なんだよ」
「この2学期、私、先輩に対しての行為に拍車をかけたいと思っているんです!!」
「・・・。んん?どういうこと?」
数秒悩んでも、理解が出来なかった。だって、何を言っているか分からなかったから。
「そのままの意味ですよ。そろそろ、先輩に振り向いてほしいんです!!だから、更にアピールを増やそうと思って!!」
「ん?おい。待て待て」
つまり、更に面倒くさくなるということだよな?夏休みで少し緩和されたかと思ったら・・・。
「てか、なんでいきなり」
「何度も言わせないでください。私は先輩に好かれたいんです」
「なんだよ、それ」
避けるにも避けれない理由なのである。
「知らねぇ。勝手にしろ」
「やったー!!じゃあ、よろしくお願いしますね♪」
そう言うと、優希は急いで友達の元へと寄っていった。
「ったく」
意味の分からないやつだぜ。
そんなこんなで、改めて新しく学校生活がスタートした。初日は、なんだか疲れてしまった。昼休み、優希は宣言通り・・・
「せんぱい!!」
「おい!!」
なんと言うか、スキンシップが増えた。その度にみぞれが、
「っ!?ちょっと優希!?」
なんて言って怒るから、騒がしい1日になった。
「はぁー。ほんっと疲れた」
「およ?どうしたよお兄ちゃん」
「あぁ、真愛」
こいつは、まだ中学生なもんで、授業は午前中で終わりだったそうだ。だから、僕よりも何時間も前に家に帰ってきていたのだ。
「今日な、優希のスキンシップが激しくて・・・」
「なにその幸せすぎる悩み」
どこが幸せなんだ。こっちは辛かったというのに。
「そういう真愛は。どうだったんだ?」
「そうそう!!今日ね、表彰状の紹介があったんだけど、私の名前が呼び上げられたときね、皆驚いてたんだよ!!」
「そりゃそうだろ。2年連続全中優勝で、2年連続日本記録更新とか言われたら、驚く意外何もないだろ」
僕だったら、驚くよりも先に、笑ってしまいそうだ。さすがの僕でも、そんなことは厳しいんじゃないか?
「まぁ、とにかくお疲れさま」
「ありがとう。そろそろお兄ちゃんもさ、はやく優希ちゃんと付き合ってよ」
「相も変わらず懲りねぇなぁ・・・」
僕が優希に好かれていると知ったときから、こいつは何度も
「はやく付き合って!!」
と急かしてきた。そんなに急かして、何がしたいんだろうか。まぁ、なんだっていいか。
それからも、昼休みになる度に、優希は僕に会いに来た。
「先輩!!」
「うげっ」
毎度毎度、僕が教室を出るよりもはやく優希がやってくる。その度に、クラス中の視線が僕に釘付けになるのだ。そうだ。夏休みを挟んでいたから忘れていたけど、
「優希って、学園一の美少女、なんて言われてたな」
そりゃあ、そうやって言われてるやつが、陰キャでモブ的存在な僕に会いに来ていたら、生徒も驚くだろう。
「だからさぁ。来るなって言っただろ」
とりあえず、屋上に来て話す。もう、屋上が立ち入り禁止なんてすっかり忘れていた。
「だってぇー。私が行かないと先輩会いに来ないでしょ?」
「そりゃあもちろん」
好きでも、付き合っているわけでもないしな。
「だから、これは罰だよ?」
「はぁ。みぞれ」
「うん。わかった」
「あ、ちょっと!!」
よし、よくやったぞ。みぞれ。
「だから、良いことしたでしょ?ご褒美に、抱いてくれませんか?」
「あ!!みぞれー」
そうだった。みぞれも、僕のことを好いているのだった。いつから僕はこんなに忘れっぽくなったんだ?
「しねぇよ。お前もお前でなんなんだよ」
「なんだって。私も先輩のことが好きですから」
「あーはいはい。わかった」
「まったく、先輩はいつもこう。いつになったら塩対応をやめてくれるんだろうね?」
「ほんとそう。先輩、女の子に対しての接し方ダメダメすぎるよね」
なんか、言われている。たしかに接し方はだめなんだろう。しかし、相手が僕のことを好いているとなったら、さすがに塩対応じゃないとやっていけれないだろう。
「はぁー。ほんとどうしたらいいんだ?」
毎度毎度、悩む。端から見たら、ハーレム的状況で、羨ましいと思う人もいるかもしれない。しかし、実際なってみれば分かる。
「ほんと面倒くさい・・・」
今日も今日とて、恋愛について悩む。そんな1日だった。




