みぞれが○○になってしまいました!?
長く、初めて長くて、短い夏が始まった。気づけば、8月も中盤になっていき、そろそろ学校の準備も始めていかなければなかった。
「はぁー、疲れたー」
ちなみに、こいつは妹の真愛。とある事情があって、現在は同じ家に住んでいる。理由が気になる人は、過去の説明でも読んでくれ。そんなこんなで、
「お疲れさま」
こいつは、先日まで陸上の全国大会に行っていたそうだ。
「まじで疲れた!!だって、沖縄だったんだよ!?運悪く台風も直撃したし、暑かったしで・・。最悪だった」
「そりゃ災難だな。結果はどうだったんだ?」
「まぁ、一応優勝を」
「やっぱ流石だな」
100mの日本記録持ってるだけあるわ。
「ちなみにね!!日本記録の更新と、大会記録も取ってきた!!」
どこまでバケモンなんだ、こいつは。
「へぇ~。そりゃすごいじゃないか」
「でしょー。なんかないの?」
「おめでとう」
「ちがーう!!それも嬉しいけど!違う!!」
「分かった分かった。・・・欲しいもんは?」
「んーっとね、お菓子かな?」
「太るぞ」
「あ!!レディに言っちゃ行けないこと言った!!」
「たしかにレディだけどな、妹はまた別だろ。逆に気を遣われて嬉しいか?」
「うん!!嬉しい」
「じゃあ、ほんと可愛いと思うよ?」
「えへへー。でしょ」
この瞬間、僕は気づいた。こいつに何を言っても、良いように返してくるということを。
「じゃあ、早速行っちゃおう!!」
「はいはい。近くの駄菓子屋でいいか?」
「うん。あそこの美味しいから好き」
「そっか。じゃあ、行こうか」
そうして、駄菓子屋の中に入ると、
「あら、いらっしゃい。真愛ちゃん。大和くん」
駄菓子屋を運営しているおばちゃんが、いつも通り挨拶をしてきた。
「お邪魔します」
昔からよく通っていたこともあって、すっかり顔馴染みになってしまった。
「真愛ちゃん見たわよ?また全国優勝したってね」
「え!!見ててくれてたんですか!?ありがとうございます!!」
「ほんと凄いわねー。じゃあ、頑張った分と、いつも来てくれる感謝。その分3つ、好きなものを持っていっていいわよ」
「え、いや。そんな悪いですよ。ちゃんと払いますので」
「いいのいいの。真愛ちゃん頑張ってきたんだから。おばさんとしても、お礼がしたかった時だったし」
「すみません」
「いいのよ。ついでに大和くんも好きなもの持っていっていいわよ」
「いや、僕はなにもしてないんで」
「いつも真愛ちゃんのお世話したり、来てくれるじゃない。お礼として受け取ってくれていいわよ」
「すみません。ほんと」
ここのおばちゃんはほんと優しい。子供の僕らに、いつも良くしてくれる。
「はい。じゃあお駄賃600円ね」
「やっぱ、これだけの量でこの価格、人に優しいですよね」
「まぁ、おばさんは商売目的でやってないからね。そりゃ、お金もらえるなら足しになるけど、1番はお客さんの幸せだからね。値段は別に気にしてないさ」
「じゃあ、ちょうど600円で」
「ん?大和くん。これだと400円多いわよ?」
「いいですよ。これも、僕からのお礼です」
「まぁ、大和くんも随分大人だわねぇ。じゃあ、有り難く受け取ってもいいかしら?」
「どうぞどうぞ」
そうして、おばちゃんに手を振って、店を出た。
「改めて買ってくれてありがとね!!」
「いいよ。美味しくいただけよ」
これくらいの出費だったら、全然いい。ご褒美だからな。
そんなこともあり、それからは暇を持て余していた。
「はぁー。暇だー」
なにもする気力が起きない。散歩でもするか?
「しかしなー。気力が湧かない」
と、何をするか悩んでいると、
「ちょっと、先輩!?今暇ですか?」
突然、優希からメッセージが届いた。
「あぁ、暇だけど。どうした?」
「みぞれ、風邪引いて大変なことになってるらしい!!」
「は?」
「今すぐみぞれの家来て!!」
そう言われた瞬間、すぐに家を飛び出していた。走って、走って。そして、やがてみぞれの家の前に着いた。
「あ、先輩!!」
「緊急事態なのか?」
「だいぶそうらしいです!!」
優希と会って、玄関の前で話していると、
「あ、優希様!!それに、大和様ですか?」
みぞれの家のメイドが姿を表していた。
「はい、そうです。みぞれの容態を見に来ました」
「どうぞ。中にお入りください!!」
そうして、僕らは中に入って、みぞれの部屋へと向かっていった。
これは、たしかに緊急事態だった。それよりも、謎が勝ってしまったが。だって、
「え?」
「あ、誰か来たー!!」
「えまって!?かわいい・・・!!」
その姿は、たしかにみぞれだったが、何故か幼児化していた。なんで?そんな病気あったか?
「おねーちゃんたち、名前何て言うの?」
「え?」
「忘れちゃってるのか。じゃあ、改めて自己紹介しましょう!!私の名前はね、優希っていうのよ」
「優希ちゃん!!じゃあ、おにーちゃんは?」
「あ、えっと。大和っていう・・・」
「大和くん!!なんか、すごくかっこいいね!」
「うぐっ・・・」
流石に、流石に耐えきれなかった。別に、幼児が好きとか、そういうわけではなかった。でも、今の言葉は・・・。流石に耐えれん。
「それで、どうしたの?」
ある日突然、風邪を引いたみぞれは、何故か幼児化してしまったのだった。




