改めまして、お別れ会
そんなこんなで、勉強をしていると、
「ん・・・?」
「あ、起きたか」
「先輩?おはようございます」
「体調はどうだ?」
「ちょっと、頭痛がひどいです」
「そうかー。もう昼飯の時間だが、何か食べられそうなものはあるか?」
「うーん。麺類がいいですね」
「め、麺類?」
風邪を引いたことがないから分からないが、そういう時って食欲が無くなるもんなんじゃないのか?
「はい。あ、でも。うどんとか。その辺がいいです」
「ま、まぁ。流石にな」
そんながっつりラーメンとかは行けるわけないか。だったら、
「そうめんは食べれそうか?」
「あ、いいですね」
「それじゃあ、僕は食材を買ってくるから、真愛は休憩がてら優希を見てもらってもいいか?」
「うん。いいよー。いってらっしゃい」
そうしてある程度準備をして、僕はスーパーへ向かったのだった。
そんなこんなで、昼飯も食べて、午後は暇を持て余らしていた。
「うーん。まだちょっと体が怠いかも」
「熱はどうなんだ?」
「39,4だって」
「変わんないなぁ。病院行くか?」
「いや、行くほどの気怠さじゃないので。ご心配なさらず」
「・・・」
なんとなく、病院に行けと行っている気がする。個人的には、ただの風邪ではないと思う。せめて夏風邪くらいの、またはそれ以上の何か。
「いや、熱が明日以上も続くのは辛いだろ?だから、連れてってやるよ」
「え、いいよ」
「って言っても、既に呼吸が荒いじゃねぇか。薬に頼って早く下げた方がいいだろ」
「わかった。でも、どうやって向かうの?」
「んまぁ、どうしようか」
生憎高校2年生だから、車もまだ使えないし、自転車にしては乗せるのが危険。だったら、どうしたら。
「おい、創世者。なんとかできねぇの?」
「いや、流石に無理がありますって。あのですね、設定を変えるのも、世界線が変わってしまうんですよ。だから、一度車を運転できる年齢を下げましたら、それを戻しても過去にその世界線が残ってしまうんです。だから、現在は18歳以上、そして設定で15歳まで下げたとしたら、そのどちらかのルールしか知らない人たちで溢れ還って、最悪世界の軸がズレるんですよ。だから、容易にはできないんです」
「でも、記憶を改ざんすることもできるだろ?」
「出来ますけど・・・。とにかく、流石に今回ばかりは無理です」
「チッ。しょーもないことには設定を変える癖に」
しかしまぁ、無理なら仕方ない。
「じゃあ、ちょっとだけ異能力だしてもいいか?」
「だめに決まってるじゃないですか」
「いや、ちょっとだけ身体能力を上昇させるだけだ。別にそれくらいだったら、なんとか出来るだろ?」
「まぁ、無理ではないですね。仕方ありません。その少女のためなんでしょ?頑張って設定変えます」
「ありがとう。助かる」
「で、結局、どうするの?お兄ちゃん」
「優希を抱えてダッシュで行く」
「は?そんな無茶な!!お兄ちゃん動いてないのに、行けるわけないでしょ!?」
「ははっ。この僕を舐めるなよ?実はな、とんでもなく速いんだ」
「言ったね?それで遅かったら、容赦しないからね?」
「あぁ、来いよ」
そうして僕は、優希をおぶって、
「行くぞ」
そうして、僅かに肉体を強化させて、
「っ・・・」
「は!?いくらなんでもそれはやばいでしょ!!」
やべっ。少し地面が抉れてしまったが、しかしまぁ、そんなことは気にしている暇がない。あいつは陸上の日本記録保持者なんだし、すぐに追い付いてくるだろう。
そんなこんなで、僕が病院についた数秒後、
「はぁ、はぁ・・・。速すぎでしょ」
遅れて、真愛がやって来た。
「とりあえず、お前も中来るか?」
「まぁ、行くわ」
そうして、検査を受けに行った。その、一時間後、
「まぁ、まだ幸いか」
とりあえずなんともなく、ただの夏風邪だった。処方せんで薬をもらって、僕らはゆっくり帰宅していた。
「スーッ、スーッ・・・」
「ははっ。優希は寝ちゃったか」
しかしまぁ、これで治ればいいだろう。
それから翌日、僕が目を覚ますと、
「先輩!!おはようございます!!」
「おぉ、随分回復したようだな」
「熱もね、36,6だって!!」
「すごい回復力だな」
翌日になると、優希はすっかり回復しているようだった。ちなみに、なんでまだ同じ家にいるのかというと、お母さんの帰りが相当遅くなって、それで仕方なくお母さんが
「危ないから泊まっていきなさい」
と言って、僕たちもそれを承諾して1日だけ延長したのだ。
「でも、風邪も治っちゃったから、先輩とはこれでお別れか・・・」
「まぁ、そういうことになるな」
「長いようで短い一週間でしたが、ありがとうございました。今までで一番楽しかったです!!」
「そうか。こちらこそ、泊めてくれてありがとうな」
そうして、数分後に真愛も目を覚ましたので、改めて、僕たちはお別れ会をするのであった。
「またいつでもね、遊びに来てもいいし、泊まりたくなったら言ってね」
「あ、あはは。そういうときになったら、」
「先輩!!また遊びましょうね!!」
「あぁ、わかった」
そうして僕らは、家を出た。
「優希ちゃんとも離れた生活をするのかー。なんだか寂しいなー」
「大丈夫だろ。家には僕がいるんだから」
「だからこそ、なんだよ。彼氏ならまだしもさ、実兄じゃん。だからなんか乗らない」
「なんだとー?生意気な奴には・・・こうだ!!」
「い、いやー!!やめて!!」
と言っても、ちょっと横腹を擽っただけだが。しかしまぁ、僕だって。
(内心、寂しさはあるな)
と、言えない秘密を心の中で言うのだった。




