学年一の美少女が風邪を引いてしまいました!?
そうして日が変わり、この同居生活が終了した。お母さんが出ていく時間の少し前に、最後のお別れ会をした。優希は、まだ寝ているので、放っておいた。
「1週間ありがとうねぇ。でも、またしたくなったらいつでも言っていいからね」
「そのときが来ましたらそうします。ほら、真愛も挨拶をしなさい」
「するけど。優希ちゃんが揃ってからにする」
「はぁ。お母さん、少々待たせることになりますがよろしいですか?」
「えぇ、全然いいわよ」
そうして30分ほど、優希を待ち続けたのだが。
「全然来ないわねぇ」
「様子見に行きますか?」
と、僕がそう言った、その瞬間、
「せ、せんぱぁ~い」
「ゆ、優希?」
ふらふらな状態で、優希が階段から降りてきた。
「ちょっと、優希。どうしたの」
見ると、顔がとんでもなく火照っていた。
「まさかお前!!」
「多分、そのまさかだと思います」
「あらまぁ。どうしましょう」
「せんぱーい。看病してー」
「え?」
「いやいや、優希?流石に大和くんにも悪いわ」
「いや、看病します」
「え?」
「お母さんが帰ってくるまで、僕が看病します」
「いいの?今日帰り遅いわよ?」
「はい。何時になってもいいです。真愛も、それでいいだろ?」
「もちろん!!」
「そうなの。じゃあ、お願いしていいかしら。私はもう仕事に行かなくちゃだから」
「はい。行ってらっしゃい」
「いってらっしゃーい」
そうしてお母さんは家を後にした。
「さてと、台所を漁っていいか?」
「うん。いいよぉー。じゃあ真愛ちゃん。部屋行こ」
「うん!!」
さて、何を作ろうか。冷蔵庫を見たところ。
「んー。特に作れるものがないなぁ」
野菜が少量程度か。結構熱があるみたいだし、簡単に食べれるものがいいよな。だったら。
「お粥くらいか?」
でも、作り方わからんし。
「うげ、ほうれん草いるのかよ」
お米はあるが、生憎ほうれん草はない。しかし、買いに行かないのなら、もう家ではなにも作れない。だったら、
「行くか」
そうして僕は、真愛に買い物に行ってくるというメッセージを入れて、スーパーへ向かった。
そんなこんなで、ほうれん草を手に入れることが出来た僕は、お粥を作って、優希のところへ持っていってやった。
「入るぞー。真愛、熱は測ったか?」
「うん。39,6だった」
「うわ、夏風邪かな。優希、他になにか悪いところあるか?」
「えぇっと、お腹痛いのと、あと体が熱い。と、頭もいたい」
「完全な夏風邪だな。ま、お粥作ってきてやったから、食べたいときに食べろよ」
「うん。ありがとうございます」
「それじゃあ、寝るか、食べるかしてくれ」
「真愛ちゃん。悪いけど食べさせてくれる?」
「いいですよ!!ふー、ふーっ。はい、あーん」
「あむ。・・・凄い!!美味しい!!」
「そうか?それはよかった」
熱を少量に抑えておいてよかった。温度も食べやすい熱さだろう。そうして、次に次にと、優希は食べ進めていき、ものの数分でお粥を完食していた。
「ごちそうさまでした!!」
「はや。よく食べたな」
「先輩の料理が美味しかったからですよ。はぁ、眠くなってきちゃいました」
「寝ていいぞ」
「じゃあ、子守唄お願いします!!」
「子供かよ。まぁ、いいぞ。真愛、喉の調子は?」
「バッチリ!!」
「いい返事だ」
そうして僕らは、優希に子守唄を歌ってあげた。
「寝付きはやいな」
「だねー」
「じゃあ、目を覚ますまで勉強するか。真愛」
「え?」
「2日やらなかった文の振り替えだ。受験生である自覚を持て?」
「あ、そうだった。お兄ちゃんたちと同じ高校を目指すんだった」
忘れている人も少なからずいるだろう。実は、僕の学校は偏差値が高い。そして、真愛は現在では中の下ほどだ。それくらいだと、僕の高校は難しいだろう。幸い、成績はいいが、成績だけじゃあうちの高校は受かれない。
「さぁ、広げろ」
「はぁい」
そうして僕らは勉強を始めるのだが。
「違う。もっとやりやすい方法があるだろ」
「えぇ、わかんない」
「わかんなくていい。とにかく思い出せ」
「そんなスパルタなー!!」
実はな、わからないからってすぐ答えを見るより、考えて思い出した方が効率いいんだよ。考える力がつくと同時に、記憶力の増加にも繋がる。是非、学生のみんなには見習って欲しい諸法である。
「こ、こう?」
「そうだ。よくやったぞ。真愛」
「ほんと!?やったー!!」
「じゃあ、次も同じようにやるんだ」
「こ、こうだ!!」
「そうだ!!身に付いてるじゃないか。真愛」
「えへへー。天才にかかればこんなもんよ」
「自惚れるな。そんな暇があるなら勉強進めろ」
「え、えぇ。厳しい」
「ほら、次の問題」
「えぇ!?何これ。こんなの出来るの?」
「たしかに難しいけどな、方法はさっきと同じだ。ほら、やってみろ」
「・・・えーと、どう?」
「ここ、計算ミス」
「あ、ほんとだ」
全く、世話の焼ける妹だぜ。でも、着々と力がついてきているのも事実。このまま夏休み中に全教科の基礎を覚えることが出来たら、上出来だろう。
「ほら、次やってみろ」
「出来たよ!!」
「そうだ!!いい調子だ」
「やったー!!」
なんだかんだ、こうやって勉強を頑張る姿も、懐かしく感じてきてしまうのだった。




