まさかの遊園地のチケットが当たりました!?
そんなこんなで、同居生活が最終日を迎えていた。
「もう今日で終わっちゃいますかー」
実を言うと、今は旅行に来ているのだが、まあそれでも同居生活は1週間の約束だった。だから、今日家に帰ってしまえば、明日からは別々の家で生活するわけだ。でも、なんだかんだ言って楽しかったと思う。時には、優希が妹になったときもあったが、まあそれも思い出の一つだろう。真愛にも、生きたいように生きればいいって言われたしな。
「先輩は寂しいですか?」
「まぁ、そりゃあな。楽しかったよ」
「本当ですか!?やったー!!」
そうやって無邪気に喜ぶ優希。
「そうだった。あのね、実は、あなたたちに言わないといけないことがあるの」
「ほう、どうしました?」
「実はね、内緒で。遊園地のチケットを取っておいたの!!」
「え、ほんと!?」
「うん!!たまたま商店街でくじ引きをしたらね、5人分の遊園地チケットが当たったから、ちょうどの機会に。と思ってサプライズしてみたんだけど。どうかな?」
「行きたい行きたい!!」
「私も行きたいです!!」
「だそうです。じゃあ、お願いしていいですか?」
「うん。行きましょうか」
「やったー!!」
なんという豪運なんだろう。1枚当たるだけでもすごいのに、それが5枚なんて。まさか、
「おい創世者。また仕組んだか?」
「いや?これは、お母様の運ですけど?」
「声が怪しいんだよ。まぁ、いいけど」
「はははっ。楽しんできてくださいねー」
そんなこんなで、僕らは遊園地へ向かうのだった。
遊園地について早速、
「よし!!じゃあ先輩!!まずはお化け屋敷から!!」
「ひぇっ。い、いいえ。行きましょう!!」
「みぞれ?無理しなくていいからな?」
「いえ、ぜ、全然?無理なんか、してません」
明らか動揺しているけどな。まぁ、気にしなくていっか。
そうして、お化け屋敷に入って数秒後、
「ひゃぁぁぁぁぁ!!!」
二人の悲鳴が、聞こえてきた。
「それに対して、真愛は余裕そうだな」
「まあね。これより怖いことを体験してきたから」
「あ、ごめん」
「せ、せせせせせせ先輩!!」
「はいはいわかった。ほれ」
まったく、みぞれ然り、優希然り・・・。びびりすぎなんだよ。
「先輩、ちゃんと手繋いでてくださいね!?」
「大丈夫だって」
「ひゅーひゅー。お兄ちゃんったらモテモテー」
「冷やかすな真愛。お前平気だからって」
そうして、
「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
「結局手を繋いでやっても怖いのは怖いのかよ」
こういうの、大体は緩和されて怖くなくなるやつじゃないの?
そうして無事に、僕らは外へ出ていた。
「はぁ、はぁ・・・。先輩強すぎ。なんで微動だにしないの?」
「まぁ、耐性があるからな」
「真愛ちゃんも強すぎ。なんでそんなに怖くないの?」
「あ、あははー」
さすがにあれは言えないか。しかしまぁ、
「なんか食べるか?」
「え、いいんですか?」
「まぁ、こういうときくらいは奢ってやってもいいよ。ほれ、アイスでもなんでも、好きなものを買うといい」
「ほんと!?先輩ありがとう!!」
「悪いねぇ、大和くん。お金出させちゃって」
「いいんですよ。まぁ、先輩の格好付けとでも思ってくれたら」
「そういうことにしておきましょう」
そんなこんなで、
「んー!!おいしー!!!」
「ははっ。よかったな」
「あ、先輩。一口いりますか?」
「いや、いいよ。お前の分なんだから、自分で食べろ」
「いや、食べてください!!ほら、あーん」
「いやいいよ。僕はいらないから」
「だって先輩は私のが欲しいんですもんねー」
「いいからいらない!!」
たしかに優希のやつは僕の好みでもあるけど!!
「先輩、本当にいらないんですか?」
「うん。大丈夫だから」
「ちぇっ。わかりましたー」
なんでちょっと不服そうなんだ?と思いつつも、
「美味しいか?」
「はい!!とても美味しいです。改めて先輩、ありがとうございます!!」
「どういたしまして」
そうやって元気に言われると、こちらとしても嬉しいな。
「ごちそうさまでしたー」
「じゃあ、次のところいこうか」
「どうする?」
「食べたばっかですし、一旦緩やかなところにしたいですね」
「それじゃあ、ここの遊園地水族館もついていますし、そこに行ってみては?」
「水族館なんてあるんですか?」
「えぇ。別料金にはなってしまうけど、そこは私が払うから。遠慮しなくていいわよ」
「そうっすか。じゃあ、よろしくお願いします」
「水族館か。久々に行きますね」
そうして僕らは、水族館へ向かった。
「わぁー!!すごい!!」
「先輩。あの魚見て!!」
「おぉ、すごいな」
とても色鮮やかな魚だ。
「あ、カワウソ!!」
「おいちょっと、走るな」
早歩きで、追い付く。
「ねぇ先輩見て!!気持ち良さそうに寝てる!!」
「そうだな。かわいいよな」
こんなに楽しそうなみぞれを見たのは初めてかもしれない。
「癒される~。餌食べる瞬間たまらない」
「指食べられないように気を付けろよ」
「うん!!でも、もし食べられたらいたいいたいしてね?」
「それどころの問題じゃねぇだろ」
それからも、みぞれは存分に水族館を楽しんだようだった。
「すごかったねー」
「ね!!ちょうどいい運動になった!!」
「ははっ。楽しそうで何より」
なんだかんだ言って、実はぼくも楽しかったのである。しかしそれは、照れ臭くて言えなかったのだ。




