後輩の部屋にまさかのものが貼られてあって・・・!?
僕には、惚れられている少女がいる。その少女の名前は、白夢優希といい、噂では学年一の美少女、という二つ名まで背負っているのだとか。なんでそんな少女に好かれているのか。彼女曰く、
「他の男子と違って、振り向かないところが好きなんです」
とのこと。そして、もう一つ。現在、僕は彼女の母親から、家族にならないか。という話をされている。僕には両親がいないので、おそらく養いたいんだろう。
そんなこんなで、気づけば明日で1学期が終わる日にまで月日は進んでいた。去年より、時の流れが早かった。去年は、僕は怠惰に生きていた。まだ、こんな後輩たちに出会うことがなかったから。
「なんだかんだ言って、楽しかったんだな」
僕ももう、そう思えるようになってきたのだ。しかし、彼女の気持ちに応えるのは、それはまた別の話。まだ、僕は彼女のことを、恋愛的な視線では見ていない。何故なら、僕には前世、結婚した女性がいるから。まぁ、その女性が、現世では実の妹な訳だが。どんな奇跡だって話だ。
「せーんぱいっ!!」
と、その瞬間、噂の後輩が話しかけてきた。
「なんだよ」
「明日で1学期も終わりですね!!」
「そうだな」
「私、本当この学校に入れて良かったって、今思ってます!!」
「理由は大体わかるが、一応聞こう。それはどうしてだ?」
「そりゃもちろん!!みぞれにも出会えたし、何よりも人生で初めての好きぴが出来たんですから!!」
「そりゃよかったな」
「ところがどっこい。これが聞いてくださいよ。先輩」
「どうしたんだ」
「その好きぴね、全然私に振り向いてくれないの」
「そりゃ。大層女に興味がないんじゃねぇか?」
「イケメンですからねー。私じゃ満足できないんでしょう」
「僕はイケメンなんかじゃない」
「自覚あるんだ。いや、イケメンですよ!!だって、先輩。ナンパから救ってくれたじゃないですか」
「いつの話をしてるんだ。ナンパから助けた覚えはない」
「もー。これだから。でも、そういうところも好きです」
「躊躇わなくなったな」
前までは、こんな簡単に好きなんか言ってこなかったと思うが。
「それくらい先輩のことが好きなんです。いい加減、私の気持ちも理解してくださいよね」
「理解はしてる。ただ、承諾は出来ないだけだ」
「んー。やっぱり手強い。こりゃ、夏休みに先輩をメロメロにさせないといけないという課題が出来てしまいましたね」
「遊ばねぇよ?」
「どうして!?先輩、顔にデカデカと『暇』って書いてあるじゃないですか」
「お前には何が見えてるんだ」
「そんなことはともかくー。もう遊ぶことは決まってるんですからね!!まさか、忘れたなんていいませんよね?」
「あぁ。忘れてないよ」
絶対に、週1で、遊ぶことが決まってるらしい。メンバーは、そろそろいつメンにまで成り上がっているだろう。みぞれと、優希と、真愛だ。まだどこへ行くかは決まってないが、とりあえず遊ぶらしい。一応、真愛は受験生なんだけどな。
「ほんと、楽しみだなー。先輩と遊ぶの!!私ね、実は行きたいところいっぱいあるの!!海とか、プールとか!!」
「夏っぽい、というか、定番の場所だな」
「あとは、先輩とお泊まりしたいなー。あ、そうだ。同居の件、引き受けてくれないの?」
「げっ。・・・引き受けは、しないだろうな」
「どうして?」
「お前がいるからだよ。普通に夜這いとかしそうで怖い」
「どんな偏見ですか!!まぁ、しますけど」
「ほら見ろ。だから嫌なんだ。いくら、兄妹にならないとはいえ、それが怖いからいやだ」
「んー。じゃあ、夜こっそり忍び込むしか・・・」
「それを夜這いって言うんだよ」
全く、こいつはポンコツだから。
「とにかく、楽しみにしてますからね!!」
そういえば、期限は明日までか。真愛はとんでもなく同居したがってたが、どうするものか。何かが起こってしまったら、みぞれや、王子様が黙っていない。だから、仮に同居するにしても、下手なことは出来ない。
「はぁー。ほんとどうしたものかねぇ」
高校2年生、夢叶大和、そんなことについて悩むのだった。
放課後、僕は相談するために、仕方ないので優希と一緒に帰っていた。
「なんだかんだ言って、先輩と一緒に帰るの久しぶりですね」
「そうだな。でも、今日はただ、お母さんに相談するだけだぞ。だから、仕方なく、だ」
「わかってますよー。あ、でも。今日帰り遅くなるかもって言ってたから、それまでは二人きりだね!!」
「あー、最悪だ。ってか、真愛も来るぞ」
「え、そうなの!?やったー!!じゃあ真愛ちゃんと遊ぼー」
「僕は何をしたらいいんだ」
「ベッド貸してあげますので、寝ててください」
「こいつ・・・」
まぁ、とりあえず二人になることはないから、一安心だ。
そうして家に着くと、優希の宣言通り、家には誰もいなかった。
「じゃあ、とりあえず上がって」
「はぁーい」
そうして、階段を一段。また一段と上がっていく。ついに、優希の部屋の前まで来て、そして、ドアを開けると。
「おい、なんだよこれ」
壁一面に、僕の写真が貼られてあった。
「あ、ごめんなさい!!剥がすの忘れてた!!」
「ちょっとは必死になれや」
正直、引くかと思ったぞ。
「おまたせ。先輩」
そうして、真愛が来るまでの間。二人の時間が流れるのであった。




