学園一美少女の親友に詰め寄られて・・・?
そうして次の日からは、あいつが関わってくることはなかった。休み時間を何度越えても、昼休みに差し掛かっても、あいつが現れることはなかった。同級生には
「結局昨日のはなんだったの?」
などと、そんな疑問が寄せられる。しかし、
「別に、ただ少し助けただけだ」
と、そんな適当な嘘をつく。そして僕は、彼女が会いに来ないことによって、また快適な人生を送れていた。別に、友人なんかいらない。恋人なんか。いたって、どうせ最後には死ぬんだから。だから、必要ない。寂しさだって、そんなの感じたことがない。だから、僕は彼女を突き放す。それが、一番だから。そうして、僕は一人で昼食を摂る。
昨日、私は好きな人に突き放された。しつこいって、関わるなって言われて、突き放された。こんな経験、私は初めてだった。それを言われた瞬間、私は感じたことのない恐怖と悲しみに襲われた。いや、正確なことをいうと、慣れていなかったのだ。自分で言ってしまうが、私は顔が良いからモテる。故に、男の子にそんなひどく突き放されたことなんてなかった。そして、先輩も所詮は男の子。そのうち折れてくれるだろうと、そんな浅はかな期待を抱いていたが、予想以上に先輩のガードは固かった。そして、好きな人にあんなことを言われたから、私は流石に近寄るなんてことはできなかった。それだけ、先輩の声色は本気だったということだ。しかし、
「っ・・・」
初めて、寂しいという感情を覚える。先輩に惚れてから、先輩がいないとダメになってしまった。なんでだろう。話す前は、目にするだけでも保養になっていたのに、今となっては話さないだけで寂しさを感じていた。しかし、無理矢理話しに行くと、先輩に迷惑をかけてしまうだろう。故に、昼休みになっても私は話しかけれずにいた。すると、
「どうしたの?そんなひどく落ち込んだ顔をして」
私の唯一の親友である、夢川 涼緩が声をかけてきた。
「まさか、例の先輩のこと?」
「そうなの」
そうして、私はみぞれに事の経緯を説明した。すると、
「なんなの、それ!!タチが悪すぎるじゃない!!そんな人、やめておきなよ!!」
しかし、嫌いになるなんて出来なかった。私は、その先輩のクールさに惚れてしまったから。
「でも、優希のことだから嫌いになれないんでしょ?」
「そりゃそうだよ。だって、こんだけ私が好きになることもなかったし、私に猿にならなかった唯一の男子なんだよ!?そんな絶好のチャンスを、逃せるわけないじゃない!!」
「はぁ。こりゃだめだ」
と、何故かみぞれが呆れた顔をする。
「なんでそこで呆れるのよ」
「そりゃそうでしょ。美人な優希なのに、そんな男に惚れるなんて」
「しかし、諦めきれないの。だから、みぞれにお願いしたいの。先輩を説得してくれない?」
「いやだよ面倒くさい」
「みぞれしか頼めないの!!」
「優希なら、適当な男子を取っ捕まえて説明したら、猿はあほになって言うこと聞いてくれるでしょ?」
「男の子だったら、先輩に何するかわからない」
そうして、やがてみぞれが吹っ切れたのか。
「はぁ。わかったわよ。私がとりあえず説得に応じてみる。でも、もしそれでだめだったら諦めなさいよ?」
「ありがとうみぞれちゃん!!大好きー!!」
「そんな言葉を軽々と言わないで」
面倒というレッテルが顔にでかでかと貼ってあるような気がするが、まぁ引き受けてくれるならそれでいいだろう。
放課後、僕が帰ろうとしていると、
「先輩」
見知らぬ少女が、僕のことを呼んでいた。
「えぇっと、僕で合っている?」
「あってます。少し用があるから、こっちに来てください」
まぁ、別に断る用もないから、少しくらいは付き合ってやることとしよう。そう決めた僕は、彼女についていくのであった。
「それで、なんですが。なんで優希に酷いことを言ったんですか」
呼び出されたから、てっきり告白なんか。などと、そんな淡い期待を抱いていたが、どうやら違ったようだ。
「面倒くせぇな」
気づけば、そんな言葉が吐露していた。
「どうして、あなたはあんな美少女に好かれてもそれほど突き放すことが出来るんですか」
「単純に、興味がないだけだ」
「だとしても、そんな事を言って突き放すのは可哀想だと思わないんですか?」
「可哀想だって?逆だろ。それが、僕にとっても、彼女にとっても一番の返答だったんだ。だから、僕は間違っていない」
「優希、泣きそうな顔で1日を過ごしていたんですよ?何度も何度も、辛いって、寂しいって言って」
なんで、こんな面倒なことに巻き込まれたのだろうか。僕のどこが良かったのだろうか。それが、一切分かる気配がなかった。
「もういいだろ。僕は面倒事に巻き込まれるのが嫌だってだけだ。それじゃだめなのか?」
「私は、彼女の親友として、あんな姿は見ていられません。それに、いいんですか?このまま放置していたら、男子から殺気の視線に晒される可能性だってあるんですよ?」
「それもそれで面倒だが、唯一彼女が取られてしまう相手である僕が、彼女を突き放すような発言をしているんだ。そのうちそんな視線は消え去ることだろう」
「つくづく、面倒くさい人ですね。後悔したって知りませんよ?」
「後悔なんて、しない」
僕は、それだけ普段考えながら生きているから。後悔なんてしたことがないのだ。
「だったら、もういいです。話はそれだけです。それじゃ」
そうして、彼女は去っていった。結局、何が言いたかったのだろうか。
「そこまで、尽くす理由もないと思うけどな」
愛なんて、すぐに冷めてしまうんだから。だから、僕はそこまで惚れ込む理由がわからない。そして、その親友である彼女が、どうしてそこまで本気なのかが、結局わからないのであった。
こんにちは。新しい作品はどうですか?可能なお願いだったり、暖かい感想を頂ければ、今後もよい作品を作れるので、是非感想の方をお願いいたします。
そして、一つ質問なんですが、私いつもは2000文字が越える程度まで書いているんですが、皆さんにとってどの文字数が読みやすいですかね?是非教えてください。