優しい父親
お久しぶりです。先週の火曜日から風邪で寝込んでました。更新が止まってしまって申し訳ございません。
まず、経緯と現在の状況から説明するとしよう。クソ親父が本性を現したことによって、親父は捕まった。そして、妹の真愛は家に一人になってしまうからとりあえず僕の家へと連れてきた。そして、一緒に寝るとなったのだが、何故か今、僕は妹に襲われていた。そこから、話が始まるのである。
「え、えぇっと、ごめん?」
「なんで謝るのさ」
「だって、僕が悪いって言われたから」
「謝らなくてもいいの。それより、別にただ夜這いをしてるだけだよ?だったら別に良くない?」
「良くねぇよ」
普通、兄妹では夜這いはしないんだぞ。妹よ。昔、前々世で平気で夜這いをしてくる妹がいたが、それとなんか似ているな。もしかしたら僕は、そういう変な呪いとかにかかっていたりするのか?
「とりあえず、離れろ」
理性が、保たん。一応今は妹とは言えども、前世では嫁だったんだ。多少意識してしまうだろ。
「わかった。それより、お兄ちゃんはまだ起きてる?」
「まぁな。課題だけやる」
「そう。じゃあ、私は寝るね。おやすみ」
「あぁ。おやすみ」
そうして、真愛は眠りにつく。僕は、宣言通り課題に手をつける。
「うげ、思ったより量が多いな」
別に、全部考えなくても解けるからいいが、この量はさすがに気が引けるな。とりあえず、課題を始めるとしよう。
「・・・あれ。思ったけど、こいつにベッド奪われてね?」
ベッドを見ると、シングルベッドである僕のベッドは、妹に占領されていた。
「床で寝るしかないか」
免疫力は強いし、なんとかなるだろう。
そうして、ある程度課題も終わり、そろそろ寝ようかという頃合いになっていた。真愛は、ぐっすり眠っているようだ。まぁ、一応何度かは僕のベッドで寝たことがあるからな。多少は慣れているんだろう。
「まぁこいつが幸せなら、いっか」
前世から・・・いや、前々世から望んでいたことだ。それは、真愛が幸せであること。僕は、最初から自分を犠牲にするような人間だ。だから、僕が幸せじゃなくても、他が幸せだったらそれでいいと思っていた。他人の幸せというより、大切な人の幸せだ。だから、大切な人のためなら命だって差し替えることも出来る。まぁ、もしそんなことをしたら創世者が黙ってないんだろうけどな。
「これからは、俺がお前を幸せにするからな」
あの時と、同じように。そんな、約束ごとをして、僕は電気を消した。そして、
「おやすみ。真愛」
そう言って、眠りにつこうとした。そのとき。
「ベッドの上来ればいいでしょ?」
その言葉と共に、僕の体はベッドへと引き寄せられた。
「え?」
気づけば、真愛の手は僕の背中へと回されていた。
「どうしたんだ?」
そう問いかけても、真愛はわざと寝息を経てていた。まぁつまりは、そういうことなんだろう。
「ったく、わかったよ。そんじゃ、おやすみ。真愛」
内心ドキドキしながらも、僕は眠りにつくのだった。
僕の記憶に残っている中に、まだ優しかった頃の父親の姿はあった。相変わらず女癖は悪かったが、それでも決して暴力は振るわない、そんな父親だった。体もでかくて、僕たちを守ってくれそうな、そんな父親だった。僕がまだ言葉を話せなかったとき、父親にこうやって言われた。
『パパは、自分でもわかっている。女癖が悪い。母さんという、妻がいながら、それでも尚別の女と遊び呆けている。そんな、クズ極まりない父親だ。だから、そのうち理性が利かなくなって、お前達に迷惑をかけてしまうだろう。そこで、大和に頼みたいんだ。もし、その時になったら、おまえが真愛を守ってくれ。しかし、子供のお前に話すような内容じゃないよな』
と。父親自信、クズの自覚はあったようだ。だから、理性が利いているうちに僕にそんなお願いをしてきたんだろう。確かに、昔は優しい父親だったんだがな。その面影はどこへ行ってしまったんだろうか。そんな昔の事を思い出していたら、僕の瞼が開いてしまった。外は明るく、ゴールデンウィークの最終日となっていた。
「はぁ」
一夜、ずっとこのままだったようだ。
「おはよう。真愛」
そう言って、僕は起こさないように、ゆっくりと抜け出す。そして、キッチンへと向かう。朝食くらいは、作ってやろう。おそらく、数日は満足した食事をとれていないだろう。そうしてキッチンで、料理を開始する。数分後、料理の匂いで釣られてしまったのか、真愛がリビングにやってきた。
「おはよう。お兄ちゃん」
「あぁ。おはよう」
「朝からごめんね。ご飯なんか作らせて」
「いいんだよ。それより、今日部活は?」
「あるよ」
「だったら、尚更いるじゃないか」
余談をすると、真愛は陸上部に所属しているらしい。あまり、スポーツの事は知らないが、どうやら真愛は、100mの日本記録を持っているそうだ。だから、おそらくは速いんだろう。
「アスリートは、飯をいっぱい食わなければな」
「そうなんだけどさぁ。最近太ってきたんだよねー」
「そうか?そういう風には見えないけどな」
「服を着てるからだよ。でも、しっかり体重は増えていたんだよねー」
「言っても、お前50kgもないだろ」
女子からしたら、それで太っているのか?やっぱり、世の中の女子学生は、よく分からないな。と、そう思いながら、僕は料理をするのだった。




