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天才ゲーマーの異世界転生  ~<幸運>スキルが最適すぎて~  作者: りんご丸太郎
第1章 最初の町編
9/10

第9話 危機一髪と獲得

 それにしてもデカイ。3メートルはあるスライムが、俺達の前に佇んでいる。よくこの大きさで誰にも気づかれず俺達の前まで来れたな。因みに王冠は着けていなかった。どうせなら着いてて欲しかった。


「でっか!なんやこいつ!」

「ビックスライムだと思うんですけど···何か足りないんですよね···何でしょう?」


 衝撃の事実、キングじゃなくビックだった。いや別に全部ゲームと同じとは思って無かったけど···うーん、でもさすがにキングが良かった。


「もにゅー!」

 

 というかスライムの鳴き声で、もにゅーなんて聞いたことない。本当にこういう細かいところがゲームと違うのはなぜだろうか?ほとんどゲームに近いのに。地味ーにテンションが下がる。

  

 勝手にテンションが下がっていると、ビックスライムがこっちに近づいて来た。というかそもそもなぜ俺達の前に来たんだろう?敵意は無さそうにみえるんだが。


「もにゅー!」


 とりあえず触ってみよう。スライムってどんな触感何だろう?気になる。ビックスライムに手を伸ばし触ってみる。


「あっ」


 その刹那、俺の体はビックスライムの中に取り込まれて行った。


「「えー!!」」

「ど、どうしましょうアルマさん!優さんが!」

「どうしましょうってどうすりゃエエんや!?ルーンちゃん魔法使えんへんのか!?」

「攻撃魔法は使えません!」

「あても使えへんで!いったいどうしたらエエんや?!」

 

 ルーンさんとアルマが何か話しているようだ。それにしてもスライムの中、意外と気持ちいい。ふかふかのクッションで全身を包まれているような感覚だ。ふかふかのクッションは前の世界だとわりと高かったので、買えなかったんだよなー。まさか異世界まで来てこんな感覚を味わえるとは思わなかった。  

 

 気の抜けたことを考えていると急にボヨンと、ビックスライムが揺れた。外を見るとルーンさんが両手でアルマを掴んでビックスライムを思いっきりぶん殴っていた。何故!と思ったが、なんか焦っているように見えるな。因みにアルマは武器じゃないが、俺達の中で素手についで多く使われているので武器みたいなもんだ。


「びくともしません!どうしましょう!?」

「そもそも急に掴んで殴るなや!ユウか!でもマジメにヤバイな」

「はい!このままだと優さんが溶かされてしまいます!」


 これもしかしてルーンさんとアルマ、俺が食べられるとでも思ってないか?焦り過ぎてる。大丈夫だ。このビックスライム敵意無さそうだし、実際なんともなっていない。···あれなんか髪が溶けていってる?もしかして敵意あるのか?

 あ、これヤバイやつだ。ハメ技された時と同じ感覚がする。髪がゆっくりと溶けていくのを感じる。とりあえず幸運に祈ってみる。どうにかしてください。俺の髪を賭けます。


「もにゅ!!」 

 

 軽く薄毛になった所でビックスライムが動きを止めた。ほっ。良かった。祈りが通じたのかもしれない。そのままビックスライムは俺をクジラの潮吹きのように吹き上げた。ツルンと頭の上に乗り、俺が王冠のキングのようだ。


「「優さん(ユウ)!」」

「いやー危うく食われる所だった」

「ほんとですよ!この魔物ビックスライムじゃありません。カオススライムです!ビックスライムにあるはずの頭の模様がありません!」

「カオススライム?」

「はい!様々な能力を持つ特殊なスライムで、あまり出現しないものの出現した際は、冒険者中心に多くの被害を出していて、国から重要警戒されている危険な魔物です」

「嘘やろ、ヤバイやん!ユウ、はよそこから逃げんと!」

「いやー、多分大丈夫。それよりルーンさん、このカオススライムの能力ってどんなものが有るんですか?」

「えっ!えーとたしか透明化や擬態、消化能力、硬化などですかね、ただあまり調査の進んでない魔物なので他にもあるかも知れません」

「なるほど···」


 とりあえずカオススライムから降りる。


「透明化」

「もにゅ!」

「擬態」

「もにゅ!」

「お手」

「もにゅ?」

「分からないか、じゃあお手はいい」

「もにゅ!」


「カオススライムが···」

「ユウの言うこと聞いとるやと···」

「「何でや(ですか)!?」


 いや分からない。こっちが聞きたい位だ。


「うーんと、いや、何でかは分からないんだけど、髪を溶かされた後、何かこのスライムの態度というか感じが変わったんだよ。それで言うこと聞いてくれる気がしてやったら出来ただけ」


 祈ったことを言っても良かったが、まあ効果あったか分からないし、ゲーマーが(スキル)頼みってのも何か恥ずかしいので一旦黙っておいた。


「はえーなんやわからんけど凄いな!でもそれ失敗したらユウヤバかったんちゃうか?」

「ああ、そうだな」

「『そうだな』ってもしかして、根拠とか無かったんか?」

「だからさっき言ったじゃないか、やったら出来ただけ、って」

「嘘···やろ。あかん、もうユウ怖いわ。なにしでかすか分かったもんやない。ルーンちゃん、ようユウと一緒に居れたな」

「······」

「ルーンちゃん?どないした?大丈夫か?」

「あっ、すいません。ちょっと考えごとをしていました」

「なに考えとったんや?」

「あ、ええと、何故カオススライムが優さんの言うことを聞いたのかを考えてました」


(この世界の魔物は確か一部を除いて人間に敵意を抱くはずです。それを変えれるのは『魔物使役』というスキルだけのはずなのにどうして優さんが···)


久しぶりに真面目な顔をしたルーンさんを見た。もしかして俺のやったこと何かヤバかったりするのだろうか?バグ技的なことをやったとか。


「優さん、ステータスを見せてもらってもいいですか?」

「もちろんいいですけど···何か気になることでも?」

「一応です。もしかしたら、カオススライムが言うことを聞いたヒントがあるかもと思ったので」

 

 久しぶりのステータス公開である。といっても魔物は全部アルマ(を使って俺)が倒したのでレベルは上がっていないだろうし、変化無さそうだが。



名前:大宮優

種族:人間

性別:男

年齢:20

Lv:25

魔法:なし

スキル:<幸運><魔物使役>


  

 うん何かあった。まあ驚いたが、ルーンさんと比べればかわいいものだ。さっきまでのクールな顔は消え去り、目が飛び出そうなほど見開かれていた。

 

「何で優さんが『魔物使役』のスキルを持ってるんですか!?」


 分からない。さっきから何一つ分からなくて申し訳ないが、やっぱり分からない。まあとりあえず···


>『魔物使役』を獲得した。


 



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