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天才ゲーマーの異世界転生  ~<幸運>スキルが最適すぎて~  作者: りんご丸太郎
第1章 最初の町編
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第2話 馬乗りと説明

 目が覚める。原っぱのような場所に自分が寝転んでいた。ずいぶん長く眠っていたように感じる。意識がはっきりして、初めに感じたのは重いという感想だった。顔をあげるとルーンさんが俺に馬乗りしていた。元いた世界、ある意味前世でも、こんな体験はなかったので、これだけでも転生した意味があるのかも知れない。


「優様、お目覚めになられましたか。おはようございます」


 馬乗りしたままルーンさんが挨拶してくれた。馬乗りでなければ、主人を起こしに来たメイドに見えるのだろう。


「様は要りませんよ。優、もしくは優さんでいいです。俺もルーンさんと呼ぶので。これからお世話になると思いますし、もっと気軽に接してください」

「わかりました。改めて宜しくお願いします。優さん」

「うん。宜しく。さっそく聞きたいことが有るんですけど···何で俺に馬乗りしてるんですか?」

「え?あ!はわわわ、ご、ごめんなさい!」


 そう言うとルーンさんは飛び起きて、顔を真っ赤に染めた。自覚なかったのか。会ってから今までルーンさんにはドジっ子要素しかない。


「こ、これはわざとじゃなく目覚めたら優さんの上に居て、そう、偶然です。決してやましいことはありません」

「別に怒っているわけじゃないので、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ。というかルーンさん、やましいとかよく知ってますね」

「私は優さんのいた世界専属でしたし、この世界におりる時『管理者』様から優さんの周辺知識を授けられたので、話が合うと思います」


 やましいが周辺知識とかいやすぎるが、だいぶ幅広い語句を知ってくれてそうで安心した。しゃべっていることが何一つ伝わらないなんて悲しすぎるからな。


「それじゃあさっそくこの世界について説明して貰えますか?」

「もちろんです。まずこの世界の成り立ちから説明---」


 ルーンさんから聞いた話の概要をまとめるとこんな感じである。

 

·『管理者』さんがこの世界を作り空気のかわりに微小なエネルギーである魔素をばらまいた。生物は魔素に適応し生活し出した。

·そのうち魔素から魔物が生まれ、他の生物を襲い始めた。ある程度知性がある生物は魔素を元に魔法を習得し、魔物に対応した。

·人間は国を作り、武器を作成し、軍を作って国同士で争った。強い国が残り今は均衡が取れているが、どの国も領土拡大を狙っている。

·この世界は非常に大きい主大陸と東にある小大陸、南西にある諸島で構成されている。北側に山脈がありそれより北は未開の地となっている。


 当然のように魔法がある。ホントにファンタジーのような世界だ。テンションが上がる。


「次に各国の説明ですが---」

「あっ、すいません。それは今は大丈夫です」

「えっ、なぜですか?」


 どう説明すればいいだろう。なぜかと聞かれたらゲーマーの性である。そうした情報はその国にいったとき、じっくり聞くのが好きなのだ。今全て聞くなどネタバレもはだはだしい。


「えーと、一度にたくさん聞いても覚えられないので、またその時々に聞けたらなっと」

「なるほど。わかりました。それでは次に、この世界での能力について説明いたします。この世界にはステータスと呼ばれる、情報や能力を可視化した概念が有ります。あまりにイメージしにくいかと思いますが···」

「いや、大体わかります。前世でそのような考え方にあったことがあるので」


 『管理者』さん周辺知識としてやましいを教えて、ゲームの概念を教えないとか抜けている。一番の周辺知識なのだが。


「それは良かったです。それではさっそく優さんのステータスをお見せします。ステータスは本来魔法によって創られる魔道具か、高難度の魔法で表示できるのですが、優さんのサポートのため『管理者』様が覚えさせてくださいました」


 ルーンさんが手を出す。するとルーンさんの手の上に半透明の板が現れた。 



名前:大宮優

種族:人間

性別:男

年齢:20

Lv:0

魔法:なし

スキル:<幸運>


これが表示された俺のステータスだ。レベルまであるのか。前世のゲームはこの世界を元に作られたんじゃないかと疑うレベルだ。


「詳しい説明をしますね。上の4つの項目は優さんの情報です。前の世界と変化はないと思います。下の3つの項目は能力を表しています。Lvは体内の魔素濃度を表します。この世界は体内の魔素濃度が濃いほど身体能力や感覚能力が上昇するのでLvは強さに直結します。普通に生活していても徐々に上がりますが、魔物を倒し、魔素を取り込むことで一気に上がります」

「今0なんですけど俺もちゃんと上がりますよね?」

「はい『管理者』様がこの世界に合うよう肉体を調整されたはずなので、優さんでも上がるはずです」


 良かった。レベルが上がらないとかゲーマーとしていやすぎる。レベルの概念がないゲームもしたことがあるがレベリングの楽しさは格別だからな。


「次に魔法の説明をします。これは使える属性が表示されます。魔法は型という手のかたちが属性ごとに決められていて型を作り心の中で詠唱することで使えます。その属性の魔法が使えるかどうかは本人の才能に左右されるので型を覚えたからといって必ず魔法が使えるとは限りません」


 なるほど。型を覚える必要があるから今はなしとなっていたのか。


「最後にスキルの説明をします。スキルはその人の技能や体質を表していて、常時発動型と任意発動型が有ります。スキルは生まれつき持っていたり、後天的に鍛錬で身に付けることができます。優さんには<幸運>というスキルがありますね。何か心当たりはありませんか?」

「うーん、あっ、そう言えばこの世界に来る前『管理者』さんがそんなことを言っていたような気がします」

「なるほど。じゃあそのスキルは『管理者』様のおせっかいですね。『管理者』様は自分の作った世界の生物に必要以上に甘いんです。あっ、これは『管理者』様には内緒です」


 おせっかいだとしてもありがたい。何か個性があると攻略が楽しくなるからな。だいぶファンタジーっぽいしこの世界での冒険もゲームみたいに楽しめるだろう。


「それで<幸運>ってどんなスキル何ですか?」 

「えーと、<幸運>の説明がこちらです」

 

<幸運>:運が良くなる。


うん。シンプル。辞書クラスでシンプルだ。もしかしたら、ほとんど効果のないお守りのようなスキルかもしれない。


「これだけじゃわかりませんね。うーん、そうだ!こんな時は魔物を倒してみたらどうでしょう。何か分かるかもしれません。ほらあっちに何か見えましたよ」

「やってみましょうか」


 奥にある森に目を向けるとルーンさんの言ったように何かの頭が見える。森に向けて少し歩くと相手から近づいてくれた。


〉ゴブリンが現れた

 お馴染みゴブリンである。なぜ異世界にゴブリンがいるかは考えないことにした。さっきからゲーム要素満載だしゴブリン位普通に見えてきた。それじゃあ異世界での初戦闘を始めよう。


 

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