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烏と僕と霊障と  作者: 愛猫家 奴隷乙
幼年期編
8/28

幕間 淡雪の特訓



 淡雪は烏の姿をした神である。

 元がただの烏であり、熊野大権現の神使となってからも烏であったわけで、故に神へと召し上がって後も、とりわけ人間の姿になりたいと思ったことはおろか考えもしなかったのだ。

 それ自体は取り立てて不自然なことではない。ただ、縁との触れ合いで淡雪は何故、今まで人の姿をとろうと努力しなかったのかと後悔していた。縁の両親がするように、縁を抱きしめ頭を撫でてあげたいと何度も思ったのだ。


 そして、遂には縁は自分のようになりたいと宣言して修行に励んでいる。自分は大権現様の力を借りて、ようやっと神に召し上がって、大権現様の導きで縁の両親を結び合わせ、縁を授けることが出来た。淡雪自身は自分の力など、ただ祈りを捧げて一生懸命に彼らを見守っていただけだと思っているため、縁が自分のようになりたいと言ったことで、むしろ目標足りうる存在で有らねばと思い直していたのだ。


 これらの事から、淡雪は改めて人化の術を身に付けようとしたのだが、如何せん人型などとったことも無いのだから、勝手が全くわからない、検討がつかない、埒があかないと伊佐那美様に相談すると白面金毛九尾にして、かつては大陸においては女媧であり、殷王朝末期においては妲己であり、日本に渡っては玉藻前と変化した、憑依と変化のスペシャリストがやって来た。


 「わちは玉藻前でありんす、良しなにお願い申し上げますえ」

 ちなみに廓言葉を使っているのは本人の趣味でマイブームだ、飽きれば変えるがここ数百年飽きていないので定着しそうな予感だ。

 「こちらこそ、お願い申し上げます」

 こうして、淡雪の特訓が始まった。


 

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