卒業と成長と期待
取り敢えず一章完結です
二章から中学生編です。
僕は小学6年生になった。
流星窟にいっては妖力や神力を扱う術を学び、精神を鍛え、肉体鍛練に武術として武器術や体術も学んだ、古長様だけじゃなく、沢山の烏天狗さんに可愛がられ、鍛えぬかれた僕はかなり手加減していないと小学生とは言えない身体能力を発揮するようになっていた。
勉強や音楽や図画工作なんかも、ママが凄いんだ、淡雪が言うには僕のママの前世は位の高い遊女でお客様には偉い武家の方や成功した商人なんかが来るから、知識も豊富でなければいけないし、芸事にも秀でて無きゃいけない、勿論、美しくないといけない。
前世のママはお店の格で一番上の太夫にはなれなかったけど、そこに上がれる器はあるほどで、実際に格子って所まで昇ったんだって、その魂の影響が強く今世にも反映しているんだって。
ママは凄い美人で頭もいいし、絵も上手で楽器も出来て歌も上手だし、お料理だってとっても美味しいんだよ。そんなママに僕は3年前、すさのお様と約束したあと、お願いしたんだ。ママ、僕は立派な男になりたい、だから、勉強もお料理もお歌もお絵描きもママみたいに上手になって、凄いって言われる人になりたい、だから僕に教えてくださいって、そしたらママは嬉しそうに笑いながら、無理は駄目よって頭を撫でてくれたんだ。
あれから僕はママに教わって学校の成績は元々悪くは無かったけど、学年で全科目一番にいつもいるようになった。
パパが嬉しそうに笑いながら、パパがキャンプで釣りを教えてやるぞって言ってくれて、僕がお願いしますって言うとパパは、仕方ないな~ってニヤケながらいろんなことを教えてくれた、ブレイクダンスにビートボックスにスノボやスケボーも、パパはワイルドなイケメンで190センチくらいある身長と浅黒く焼いた肌で若い頃からやんちゃだったらしいんだけど、お嬢様だったママに一目惚れして、それはそれは頑張って口説いたらしい、因みにママも一目惚れしてたらしいのは内緒なんだって。ママが言うには惚れた弱味でパパはママに頭が上がらないくらいが丁度いいのよ。とのことだ、頑張れ、パパ。
とにかく、僕は立派な神様になるべく、日々努力を重ねた、優秀なパパ、ママと淡雪やすさのお様から貰った力を宿す体は、努力を重ねれば重ねる程にその全てを吸収して僕の能力は上がっていった。
冬になり、あと少しで小学校も卒業となった頃、古長様から免許皆伝を告げられた。
「縁殿、まだまだ鍛えねばならんことは多いですが、基礎となる技術は凡そ身に着けましたからな。あの日お見せした七死討、再現出来るはずですな」
「まだ、お師匠さまの奥義には及ばないけどね」
「それは当たり前で御座いましょう、数千年の時を磨き、未だに未完の技なれど、それだけの研鑽は重ねたのです、僅か数年では体得出来ませんでしょうが、それでも、概念を切るその片鱗だけでも身につけたのなら取り敢えずの免許皆伝ですな」
そう言われた僕は、あの日、古長様がしたように、右手を翳して土を操作し岩を作る、今ならわかるが此だけでかなり難しい、巨岩を生成したら、それを固定化してすぐ、左手に亜空間にしまった愛刀を呼び出す。この刀はいざなぎ様といざなみ様の息子、かぐつち様が新たな神の誕生の祝いだと、つくよみ様から受け取った月の石と何故か玉藻の前様から受け取った殺生石の欠片をおのれの神炎で溶かして、たぢからお様に槌を振るって打ち上げたものに、あまてらす様が加護を与えたってスペシャル過ぎる品らしい、ただスペシャル過ぎて性能の一万分の一も出せないので、大半をすさのお様に封印して頂いている、すさのお様曰く、あの馬鹿者どもが、ということでした。
愛刀はあの日みた時の古長様の刀のように白木の柄に白木の鞘、飾りのないシンプルなものだがこれがいい、刀を抜いて鞘を払うと、花びらとなって、亜空間へと戻る、そして妖力を燃やして死の言霊を紡ぐと神力を燃やして討の言霊を紡ぐ、紡ぎ合わせて刃を成させ、背中へと顕現させる。
「いやーーっ!」
気合いを込めて空間を縮める、古長様の速度には及ばないものの、2対一振りの5枚の刃で四度切る刹那の瞬間に僕が今出来る限界をぶつける、正直、力の制御も古長様に比べれば、かなり雑だ。
それでも切られた岩はゆっくりと崩れながら花びらが散り落ちるように舞い消えて行く。
「素晴らしいですな、概念により、存在自体に干渉出来ております、いずれは七死討へと至るでしょうが、これは桜花廿散華と名付けましょう」
「これからも修練は続きますが、一応の免許皆伝ですな」
そう言って目を細める古長様に僕は精一杯
「ありがとうございましたっ」
そう頭を下げたんだ。
もうすぐ春が来て、僕は中学生になる。
次話は幕間となります。
縁君の刀の名前募集してます。
メッセージまでよろしくお願いいたしますm(_ _)m




