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【コント】電話に出る母親

作者: 利苗 誓



電話機「Prrrrrr…」


息子「おかん、電話鳴っとる~」


電話機「Prrrrrr…」


母「はいはいはいはい……」


 母親、電話機までやって来る。


母「あんた電話鳴っとんやったら取ってくれてもええやんか~。お母さん皿洗っとったんやから」


息子「こっちもゲームで忙しいねん」


母「そんなん忙しい言わへんやんか~。大体あんた、そんなゲームばっかしとらんと、ちょとは勉強でもはいもしもし~」


息子「なんでおかんってあんなわけわからんタイミングで電話出んねん」


母「え、誰? タカシ? タカシやったら家おるけど」


息子「何の話してんねん」


母「あっ! タカシの友達ぃ!? いつもタカシがお世話なってます~」


息子「なんで息子の友達にへりくだってんねん」


母「あ、タカシぃ? 家おるけど。うん、うん」


 母親、受話器置く。


母「タカシ~、友達が今から家行ってええか言うとんやけど」


息子「おらん言うといて」


 母親、受話器取る。


母「タカシやったら今ソファーでゲームしてるわ」


息子「なんで言うねん!」


母「いやいや、もうあんなアホな子おらんわ~」


 母親、受話器で爆笑。


息子「なんで受話器越しであんな笑えんねん」


母「タカシ~、友達が今から家来るって~」


息子「誰やねん!」


母「もしもし~、タカシが誰~、言うてるわ。うん、うん」


 母親、受話器置く。


母「誰か当ててみぃ、言うてるわ」


息子「もうほんま面倒くさいわこういうやつ」


 母親、受話器取る。


母「もしもし~、ケンジ君~? あ、そう~」


 母親、受話器置く。


母「タカシ~、ケンジ君で合ってたわ」


息子「なんで俺の友達分かんねん。今忙しいから無理言うといて」


母「はいはい」


 母親、電話機取る。


母「待っとるで~、言うてるわ」


息子「何言うてんねん!」


母「うんうん、おいで~。何のゲーム?」


息子「全然こっちの要望叶えてくれへんやん」


母「なんか女の子戦わせて楽しんでるわ」


息子「変な言い方すんなや! シタシスや! 超混戦下強シスターズやっとんや!」


母「なんかようわからんこと言うてるわ」


息子「なんでこの距離で聞こえてへんねん!」


母「あ、ゲームやりたい?」


 母親、受話器置く。


母「タカシ~、ケンジ君がそのゲームやりたい言うてるわ」


息子「今日新キャラ出て忙しいねん! 新キャラの戦闘力上げてんねん! 一人でやりたいねん!」


母「はいはい」


 母親は受話器取る。


母「新キャラ出てるからおいで~言うてるわ」


息子「日本語通じてへんのか!?」


母「あははははは。嫌やわ~、そんな上手いこと言うて。うん~うん~。……あはははははは!」


息子「なんで家来る話でこんな笑えんねん」


 母親、受話器置く。


母「タカシ~、ケンジくん豆腐好きらしいわ」


息子「どうでもええ情報仕入れてくんなや! ええから家来んな言うといて!」


母「もう、分かったわ~。うるさいな~」


息子「絶対言えよ!」


母「ほんま、誰に似たんや、あんたは」


 母親、受話器取る。


母「おやつとか何食べたい?」


息子「すぐ言う! すぐ違うこと言うやん!」


母「あははは、豆腐て。ケンジ君ほんま豆腐好っきゃねんなぁ」


息子「おやつに豆腐出すん頭おかしいやろ」


母「それにしてもケンジ君最近どう? 色々大変やろ~、うん~」


息子「なんで息子の友達に世間話振ってんねん」


母「あはははははは! 誰が東洋の美魔女よ~」


息子「誰もそんなこと思てへんわ」


母「タカシ~? ちょっと待ってな~」


 母親、受話器置く。


母「タカシ~、なんかケンジ君、なんちゃらカードがなんちゃら言うてるわ」


息子「何の話しとんねんほんまに」


母「ケンジ君今から家来るみたいやけど、どうする?」


息子「どうするちゃうねん。おかんが勝手に話進めたんやろ」


母「あんた友達なんやからちゃんと対応しなさいよ~。そんなんやからあんた学校でも一人ぼっちなんやないの~」


息子「いらんこと言わんでええねん」


息子「っていうか、さっきからそれ聞こえてんねん! 受話器置いただけで聞こえんくなるわけないやろ!」


母「そんなん言うたかて、お母さん分からへんやんか~」


息子「なんで分からへんねん! もうええわ、俺出るから!」


母「最初からあんたが出とったらこんなことならへんかったやんか~」


息子「だから聞こえてんねんって! なんちゃらカードも何の話しとんか分からんし」


母「そんなん言うても仕方ないやんか~。お母さん最近のことよ~分からへんのやから」


息子「俺が出るからもうええって」


息子、受話器取る。


息子「もしもし。え? ケンジ?」


息子「…………」


息子「誰、お前? 声違うやん。それにプリペイドカードとか持ってないって」


息子「……いや、ケンジ俺のことそんな呼び方せんし」


息子「……」


 息子、受話器置く。


息子「オレオレ詐欺やないか!」


母「え?」


息子「誰と長時間話してんねん! 最初で気付けや!」


母「嫌やわ~」


息子「心配やわほんま」


母「あんた、最近太った?」


息子「人の話聞けや!」





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