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見上げる空に願いを込めるのは何故だろうか(仮)  作者: 晴海 真叶(はれうみ まかな)
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こぼれ落ちた光

 茶色が基調のこじんまりとした喫茶店。

奥の席では則陽達がテーブルを囲んでいた。


改めて今ここで本を開いてみる案が出て、ここで皆が一遍に意識を失くしたら店の人が驚くんじゃないかとの意見も出た。

ただこれまでを考えると別次元に飛んだとしてもこちら側ではほんの僅かな時間、一瞬だったりもしたからそれは大丈夫なんじゃないかという話で落ち着いた。


功には見える、本の中から時々噴出する金色の細かな光。

もしかしてこの光が作用して先程の現象を功に体験させたのだろうか。

皆が注目する中、テーブル中央に置いた本の表紙を功はそっとめくってみた。








 山奥の神社。

外と明確な間仕切りの無い社内の一番広い空間の奥では祖父が変わらず瞑想を執り行っている。


ノリコは空間の端で祈りを終えた所だ。


女神様との久し振りの共同作業。


ノリコは女神様に言われなくても祈り方は分かっていたし、女神様からの言葉でそれが再確認出来た。

必要だと感じた時に必要だと思う箇所に、柔らかな心地良い白色に近い色味の光を当てる。

ノリコ自身がその塊みたいなものだったから言われはしなかったが、これにもう少し説明を加えるならば、愛で持って、感謝で持ってそれを湧き上がらせる。


胸の奥、ずっとずっと奥側からそれを出せば良い。

それは枯渇する事の無い、根源と繋がっている。

だからこれをいくら繰り返しても、尽きる事無く実行出来る。

誰一人として例外は無く、その繋がりは有る。


それが出来ると、出来るんだと、ただ思い出せば良いだけだ。







 「…。」

こじんまりとした喫茶店の店内の奥、そのテーブル席で。


本のページをぱらぱらとめくる功は、皆が本のページに変わらず注目しているのに、あれっ?と気の抜けた声を出す。

皆が互いの顔を順繰りに見回して、何の変哲も無いのを確認した。


「でも友喜ちゃんは…、」

梨乃が友喜を見て指摘した。


「また、寝てる…。」

再び頭が船をこぐ形になっていて、功は友喜を再度肩に寄りかからせた。

その様子を見て有津世は思う。

…限界なのかな。

この一週間、出掛けもせずに友喜自身のとぽわぽわの意識とを同時に受け取ってしまう現象を何とか克服しようと有津世の知らぬ所で色々と試したりを繰り返していたみたいだけど、直前でハンカチというアイテムを手にして友喜の復活した様子に安心したのも束の間で。

やむを得ずハンカチを離した時の安定の無さは群を抜いて今が一番だと思った。

有津世の目から見てもその混濁ぶりは明らかだ。

他の皆も気遣わしげな表情で友喜を眺めた。


「…寝ている時はどうなんだろうな。」

寝ている今も意識がごっちゃになっているのならハンカチをそっと当てて上げるのも良いかと考えた功が有津世にぽつりと言った。


「俺が友喜から聞いた話では寝ている時にはそれを感じる事は無いらしいです。だから今は唯一…穏やかに居れる時かと。」

「なるほど…。」


有津世の言葉に功が頷いた。


「ねえ、有津世くん。」

「はい。」

有津世は梨乃の呼びかけに返事をした。


「何が出来るとも思わないけれど、友喜ちゃん大変そうだし、…何か私達でもお手伝い出来る事無いかな。」

遠慮しがちに梨乃が言った。


先ほど功がぼそりと言った言葉が有津世の中に残っていた。


「そうだ、出来ます!…多分。吉葉さんの言った通り…。」



梨乃が目にしてきたこれまでのどの状況よりも混沌さの増した友喜に、微力でも何か助けになればとの梨乃からの願いだ。


「ん?俺何か言ったっけか。」

「石が何かに使えるのか?って言っていたじゃないですか。そうだ、何で忘れていたんだろう。」

何でも有津世が別人格の存在で居る世界で雨見の別人格と仲違いをした時に有津世が石に願いを込めた事を、そしてその後それがどうやらその別の世界にも伝わったらしい事を有津世は則陽達に伝えた。


「へえ…石が想いを運んでくれるだね。功、それは神獣がですかね?」

「んあ?分かんね。」

いつもの調子で則陽に返した後で、俺そういう知識は何も無いからと、有津世に答えをゆだねた。


「実際の所、あちらの世界に神獣が来て助けてもらったので自分の場合は神獣がその想いを届けてくれました。」


有津世は持参した石を鞄から取り出すと、皆の目の届くテーブルへ置いた。

雨見がそれを見て、


「私も、有津世の真似をして持ち歩く事にしたの。」

言いながら、石を取り出して同じくテーブルの上に置いてみせる。


「じ、つは俺も持って来てる。」

功も石を取り出して手のひらでころりと転がしてみた。


「すごい、皆持ってきてるんだね。」

「それぞれ特徴が違うんだ…。これ、全部友喜ちゃんが?」

「雨見と自分のはそれぞれ自分達で選んで、それ以外は全部友喜が。自分が小さい時に河原でこの石を拾ったのが最初でした。」


「そっか、じゃあ初めのきっかけは有津世くんだったんだ。」

則陽の言葉に有津世よりも雨見が反応してぶんと勢いよく頷いた。


「不思議な事の始まりはそれぞれ同じくらいだった様に思うけど、それよりもずっと前に有津世が石を拾っていたから、その色んなきっかけも有津世が作ったんじゃないかな…て私は思ってます。」

「そうかな。」

「そうじゃないかな。」


「それで、石には神獣が入っていると…功?」

「ん…ああ、ここにある全部にもれなく。」


幾分かぼうっとしていた功が則陽に聞かれ、気を取り直して答えた。

いまだ寝ているままの友喜に気を取られていた様だ。


「じゃあ、石に、神獣に、想いを伝えてみようかな…。」

「今?」

「うん、今。助けになるのなら、たとえ微力であっても、善は急げでしょう?」

梨乃が則陽に答えた。

それを合図に、テーブルの友喜を除く一同は思い思いに石に注目して沈黙がしばし流れた。

功は自分の肩に寄り掛かって眠り込んでいる友喜を見てから石をぎゅっと握り、もう片方の手でテーブルの下の友喜の手をそっと握った。






 家に帰ってもどうせやる事も無いため辰成は再び副業のオフィスに立ち寄っていた。


こんな天気の良い土曜日の午後にこのオフィスに立ち寄ろうなんて考える人はそう居ないらしく、貸し切り状態の作業スペースで辰成は一人カチカチとコンピュータのキーボードを打ち鳴らす。


穂乃香の事を考えるとむしゃくしゃしたけれど、則陽達のしている会話には自分の底知れない興味を引き出そうとする何かがあり、出来れば早いとこ聞きたいものだとわくわくした。


私にも教えてね…。


穂乃香の言葉が思い出される。

…あいつ俺の話には聞く耳を持たなかったくせに、他の奴からの言葉なら聞くのかよ…。

巡り巡ってまた穂乃香の事を考えてしまい、キーボードを打つ指に込める力が強まった。






 会いたいと思う時に、会いたい。


ずっと一緒に…ありたい。


危機を一緒に、乗り越えたい。


全ての世界に、光が当たりますように…。


この状態を上手く調整出来る様になって、問題無く、問題があっても、健やかに、軽やかに過ごせる様に…。


身にまとった術を全て思い出し、自分で自在に解除出来る様になる。


愛を体現する。何処でも、何時でも、どの様な状態の時でも。



光は瞬き、闇をも内包する我が身を、慈しみ、いたわり、癒し尽くせる様に…。



今ここに、あらん限りの光を下ろしたまえ………。








 山奥の神社。


写本を前にノリコがきょろきょろと周りを見回す。

祖父は瞑想中だと意識が何処かに飛んでいるから今は話しかけられないけれど…。


今誰かの想いが直でノリコに伝わってきたのが感じられた。

服のポケットの中から透明な石を取り出すと、石がきらきらと輝いている。

ペンダントにしている胸元の変わった形の石にも目をやり、ノリコは縁側の外に揺れる木々の枝葉を眺めた。







 古めかしい印象をその外観からも伺い知れる喫茶店、その店内で。

一瞬気が何処かへ飛んでいたかと思うくらいにふわふわと軽い感覚を抱きながら、功はテーブルの皆の様子を確認した。


梨乃の周りの妖精達は相変わらずだし、自分と有津世以外の皆の眉間からの光の筋もゆらゆらと揺れたままだ。


有津世が、不思議に見えた。


初めて見かけた時から思っていた事だが、有津世にはオーラというものが見当たらない。

無い訳は無いのだろうが、功の目から見ても、全くと言って良い程、さっぱり何にも見当たらないのだ。


そしてそんな風に見えていた人物をもう一人思い出す。


…彼も見事なくらいに何も見当たらなかった。


特にそういう何かを教わったりはしていないが、思いつく節ならある。


有津世も彼も、防御でああなっているのだろう。

不可侵の領域。

それは意識的にそうしていると言うよりは、無意識でなされていそうだと功は思った。

友喜自身が知らず知らずの内に周りに黄緑色の光の霞の彼女がまとわりついたのと同じ様に…。

功の視線に気付いて有津世が話しかけてきた。


「やってみられました?どうでした?」

「うん。不思議と…想いを伝えられた気はしたよ。」

功の言葉に有津世は頷く。


「…石って意思だろ…?元々、こういう使い方をするものなのかも知れないな…。」


実感を込めて言う功に有津世は感心して、なるほど、と呟いた。

端の席では梨乃が先に顔を上げ、続けて則陽も石から視線を外して梨乃を見た。


「どうだろう、出来たかな…?」

「分からないけれど、伝わってたら良いな。」

感想を言い合っている。


石が、先程よりもきらきらと輝いているのが功の目に映った。

有津世と雨見の石はさほど変わらないというよりは始めからきらきらしていたが梨乃と則陽と功の石のは先程との違いが顕著だった。

石に…もしくは石の中に宿る神獣に、想いは届いたという事だろうか。


功は各々の手にある石達を眺めながら思った。



 「友喜…。」

友喜はまだ眠っており、気にかけた有津世が声をかけてみた。

このまま寝ていられては家に帰れない。


友喜に再び注目が集まり、功はテーブル下で握っていた手をそっと離した。

有津世が友喜の事を何とか起こしたいというのが伝わってくるのをひしひしと感じながらもそれでも起きるのを待つしか無いと分かっている梨乃は雨見に声をかける。


「ねえ、デザート食べたくない?」

梨乃がメニューを広げて、雨見にも見える様にしながら一緒に眺める。


「…食べたいかも…。ねえ、有津世は?」

デザートメニューを見て有津世に話を振る。

続けて、吉葉さんは?と雨見が言うと、あ、じゃあさ、と功は答えて、


「友喜ちゃんの選びそうな種類、どれか一つを雨見ちゃんの分とは別で選んでくれないかな。目が覚めたらさ、食べたいだろうし。」

功が雨見に頼んだ。

有津世は功の配慮に感心したし雨見は功の友喜への愛を感じて頬を赤くした。

そのやり取りを傍から見ていた則陽がふっと微笑み、梨乃に、どれにするの?と選ぶのを促している。

どうもここには自分の手本となる様な人物しか居ないらしいと、雨見の反応と功と則陽の対応を目にした有津世は思った。



 草原で眠り込んでいる友喜の居た場所で会ったソウイチの言葉を功は思い出していた。


寝ている時に行く場所。

起きている時に消耗したエネルギーを調整するための場所。


今回自分の飛んだあの場所には眠った友喜の姿は見当たらなかった。

居たのはもう一人の友喜で、彼女は眠ってなどいず、活動していた。


考えは煮詰まり、有津世と目が合って。

功は有津世にその疑問をぶつけてみた。

今、友喜自身の意識は何処に居るのだろうかと。

あの場所に行くのは昼間の居眠り時は無しで夜だけなのか、とか。


「この世界でも寝ている時がその時間であったとしたら、きっとその何処かに居たのを今回は見落としたとか…ですかね…。」

考えながら有津世は答えを探す。


「もしくはほんの一瞬でたがい違いだった、とか、その場所が複数ある、とか…。」


確かに今回はもう一人の友喜に注目して草原全体を探ろうともしなかったし、飛ぶ前の時間や日にちが違ったりとかもある事だし飛ぶ先も複数あるらしいし…有津世の言う事ももっともだと思った。


「雨見や梨乃さんからの話は聞いてましたけど、吉葉さんも小学生の姿の友喜に会ったんですもんね。」

「そうだな、多分あれは入れ替わった時の友喜ちゃんと同じだと思ったな…、…いや、確かに同じだったよ。」

小学生の姿の友喜は入れ替わった際に功に直球で愛情表現をしてきた彼女と同一だったと功は確信をもって言った。


もう一人の友喜。


彼女は友喜自身と違って大人っぽい口調で喋り、そして友喜自身が知らない、先程功が別次元にて見聞きした不思議な体験に関する知識をきっと持ち合わせている。

おそらくそれが、彼女の仕事の一部であるのだろう。

副業オフィスの管理人のソウイチも、彼女と共同で仕事を行っていて…。


それを友喜自身は、最終的には全部思い出すのだろうか。






 石碑の傍の草原。

友喜は自身の薄いピンク色のドレスの裾を摘まんでその色合いを眺めていた。


近くの草が揺り動いた風に見えたと思ったら成長した姿のキャルユが現れた。


キャルユは友喜の傍に寄って行き、


「素敵…。良く似合っているわ。」

友喜と瓜二つの顔でにこりと微笑んだ。


「ありがとう。これからは私…この姿で居ようかしら…。」

「うん、それが良いわ。」

キャルユが友喜の背中に手を添えて励ます様に返すと友喜も嬉しそうに微笑んだ。






 暗闇にまどろんでいた意識が戻って来る。

けれどもそれはたったひとつのでは無くて。


光の強い世界の、より光の要素が強い自分と、雑多な日常を過ごす自分との意識がまたごっちゃになる。


何処に居るのか、何を感じるのかを自由に選択しているはずなのに、それを一緒くたにしてしまう自分は器用なのか不器用なのか分からない。


とにかく、目が覚める直前から感じるそれは、それが無かった時の普段よりも2倍も3倍も自分の中の何かを目まぐるしく働かせていた。


その中でたったひとつの命綱の様な、彼の感触や彼の香り。

どれだけ彼に自分は支えられているのかはこの現象だけでも十二分に伺える。

だからこそ、前にも自分と何回か入れ替わったという、もう一人の自分が彼を求めてしまうのも今では理解出来る。

どうすれば、彼女と共存共栄出来るだろう。

これから先も、ずっと…。



 もぞもぞと頭を動かしたのを肩に感じて功が一瞬目を見開いて友喜を見た。

目を覚ました友喜を見て功は安堵で小さく息を吐くとそっと声をかけた。


「友喜ちゃん、丁度パフェがきたよ。食べられるか?」


功の声が耳に入ってきた。

友喜はここでも今自分が何処に居て何をしていたのかについて理解するのに多少の時間を要した。


えっと、隣に功が居て…、目の前とその隣には兄の有津世と雨見が居て、左の通路側には則陽と梨乃が居て…。

ああ、これは皆とやっと会えた貴重な日で貴重な時。


友喜は右手を伸ばしてテーブル脇に置いていたハンカチをはしっと掴み、自分の鼻先に付けて深呼吸をした。すると途端にシャキーンと目力が戻り、目の前のパフェを見て目をきらきらと輝かせた。


ハンカチをあてた事による友喜の変貌ぶりに功は人知れず赤面になった。その威力に面食らって。


…でもパフェきてるんだよな。


梨乃達の目の前にもそれぞれデザートが届いており、歓談しながら食べ始めていた。

友喜の起きたのには他の皆も気が付いたけれど、友喜の混乱を防ぐ為にも功に任せる事にした様だ。


「なあ、友喜ちゃん。」

功が友喜に向けて小さく声を発した。


「?」

「あのさ、食べる時にはハンカチ、出来ないだろ?その…手を繋ぐとかじゃ、対応出来ないかな。」

功が友喜の手をちらと見てからまた顔に視線を移して言った。


「あー…。」

「試してみるか?」

気力体力がまた消耗して眠り込むと時間的にも流石によろしくない。

最終手段では功や有津世が友喜を背に負ぶって帰る事も出来なくも無いが、それでは友喜の家族が心配してしまうだろう。


「でも片手しか使えないとパフェ食べにくいかも…。」

友喜が頬を赤らめて不満げに言った。


「もう片方の手で俺が押さえてるからさ、それだったら食べられるだろ?」

功の答えに友喜はますます頬を赤らめながらも納得いかなそうに首を半分傾げつつも真顔で頷いた。


「…。」

友喜がハンカチを置く前に予め功は友喜の手をテーブルの下で繋ぐ。

友喜の顔が赤いのを見た有津世が目の前の友喜と功が何をしているのか気付いた。

梨乃と則陽も気付いてはいて最善を尽くしているであろう友喜と功の姿に微笑み合ったし、雨見は顔を赤くして時々ちらちらと友喜と功とのやり取りを見ては見ないふりをしていた。

対する有津世は目の前の友喜が功と仲睦まじいやり取りをしている事に複雑な表情だ。



押さえてもらっていて自分だけ食べるなんて…。


自分のされているのが幼子に向けての対応みたいではないかと気のとがめた友喜は、立場逆転の意思を込めてパフェをスプーンですくって功の顔を覗き込み、食べる?と聞いてみた。

当然の様に断られるかと思ったら意外にも、うん、と功から答えが返ってきて。

直後、始めの意思とはうらはらに頬を上気させた友喜がいそいそとスプーンを功の口元へ持っていく。


「…はい、あーん。」

照れながら友喜は声を発し、功は友喜の合図に口を開けて皆の目の前で堂々と友喜のスプーンからパフェを貰った。

その様子を見た有津世はとうとう武者震いの様に震え始めていたが。

自分の妹が目の前でこの様なやり取りをするのは兄にとって刺激が強すぎるのだろうか。

功は自分の妹なつに置き換えて考えてみる。

…まあ、そうだな、…うん。


それでも功はもうひと口ちょうだい、と言って友喜からパフェをせがんだ。

雨見はそれはもう赤面していたし、梨乃と則陽はそれが通常であるのかの様にたまに功達と同じ様な行動を自分達も取っている。


「ありがと。美味しい。」

功は友喜に笑みつつ礼を言った。


「友喜ちゃん。」

「うん?」

「手、繋ぐの、効いてるみたいだな。」

「…うん。」

半分ぶすっとしている友喜の表情は照れ隠しなのだと功には分かった。功だって少なからず無理をしてこの挙動に出ているのだ。

けれども友喜の意識が危うくなってしまう方が事態としては重いから、それに比べてみれば大した事では無い。


それに…

彼女は俺と付き合っている。


それを周りにひけらかしたかったのかも知れない。


…文句言わないだけましだろ?

いや、文句言ったところでお門違いなのかも知れないのは百も承知だけど…

俺の目には…彼女は…。


友喜の周りを取り囲む黄緑色の光の霞の彼女の姿が自分の目にはっきりと映り込んでおり、その状況に功は静かに息を吐いた。


・石に願いを込めるまでの経緯が2ページ前の功の記述を無視して進めてしまっているのを修正するため、会話部分を中心に大幅に改変しました。

・文の言い回しの修正を複数箇所で行いました。(2026年1月22日)

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