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穂乃香が今日の分の作業の区切りを付けると目の前のコンピュータの席から立ち上がり、自身のマニュアル本を抱えて作業スペースから受付へと歩いて行く。
それを見た一人の男が自らも席を立ち、本を小脇に抱えて穂乃香に続いた。
帰りの手順をひと通り済ませて穂乃香がその場を後にしようとすると、
「ちょっと待ってよ。」
後ろから声が掛かる。
振り返ると見知った顔がこちらを見ていて穂乃香を留まらせたのを確認すると、自分も受付を済ませて荷物をロッカーから引き出した。
近くに寄って来る顔を見つめて、
「…何よ、辰成。」
迷惑そうに穂乃香が返す。
そんな穂乃香を目で合図し先を行くのを促すと、自分も重厚なガラス戸の外へと穂乃香に続いて出る。
二人でコンクリートむき出しの階段を上がりきり、目の前の路地に出ると、穂乃香が振り返ってもう一度言った。
「何か用?」
「…つれないな。たまには食事でもどう?って聞こうとしたの。」
表情を変えずに、辰成と呼ばれたその男が喋る。
「良いよ、それくらいならね。」
穂乃香も表情を変えずに偉そうに言葉を返した。
居酒屋街に紛れてひっそりと存在している茶色が基調の古めかしい喫茶店に立ち寄る。
昼間は喫茶店で夜は酒を嗜む事も出来る、昼と夜とで提供するメニューの変わる店だ。
店内には人はまばらで、カウンター席にしか客は居なかった。
穂乃香は店内を見回すと、自分の直ぐ前のすらりとした高い背を見て静かに嘆息する。
二人はこじんまりとしたソファのテーブル席を選んで腰掛けた。
「で、最近はどうしてるの。」
辰成が聞いて来る。
「どうって…何が。」
「今の職場での仕事とか、ごくごく一般的な近況に関してって話だよ。」
抑揚のあまり無い話し方で彼は喋る。
「仲の良い人が出来た以外には、あまり変わらないよ。特に、…普通かな。」
「仲の良い人…。」
辰成は呟きながら横目で穂乃香を見る。
「辰成はどうなの?」
「こっちも順調だよ。」
そう言いながら軽く頷く。
話していると、ビールのグラスが2つとおつまみの皿がいくつか席に運ばれてきた。
穂乃香がすぐさま飲みだそうとする所に辰成が自分のグラスを穂乃香のグラスに軽く打ち付けてきて、お疲れ、と言ってから口にした。
「…お疲れ様。」
穂乃香がとってつけた様に辰成に返した。
「それにしても随分暇なんだね。オフィス、行く度に会うなんてさ。他にやる事無いの?」
穂乃香が言う。
「俺はさ、きちんと目的があってあそこに通ってるの。お前と一緒にしてるんじゃねえよ。」
冷たく言い放つ。
言い返された穂乃香は、睨みながらも改めて辰成を眺めた。
切れ長な目が印象的な端正な顔立ち。髪は自分が羨むくらいにサラサラで、自分も背が高いがそれよりも高い背。別れた後も、太ったり痩せたりもせずに、均整の取れた体形はそのままだ。
それでいて冷たく言い放つその姿に、穂乃香はますます腹が立った。
「喧嘩するつもりなら誘わないで貰いたいんですけどね。」
「そんなつもりは無いって。お前が突っかかってきたんだろ。」
穂乃香は異論がたっぷりとありそうな目つきで辰成を睨み、テーブルに置かれたおつまみの一品をフォークに差して口に運ぶ。
「あ、美味しい。」
「だろ?…ここのは美味しいんだよ。」
穂乃香が思わず表情を緩めて感想を言うと、辰成が抑揚の無い口調ながらも得意げに言った。
林の奥の二棟の家。
手前側の、夜は漆黒の表情を見せる家の二つの丸い天窓からは今夜も淡い明かりが漏れている。
パジャマ姿の友喜は自分の部屋の机の席に座り、卓上にある鏡で自分の姿をぼんやりと眺めていた。
糸の様な光の筋が眉間からゆらゆらと揺れていて、自分を覆う様に黄緑色の光のもやはもう一人の自分の顔をダブらせて映していて。
自分は真顔なのに、重なったもうひとつの顔は友喜と目が合ったのを喜び、笑顔を投げ掛けてくる。
なっちんが言ってた。功お兄ちゃんが何度もこの姿に見惚れていたって。
そう言えば、功お兄ちゃんが僅かに私の顔から逸れた場所を見つめているのを何度か目にした事がある。あれは、このもやを見ていたんだな…。
なつが言う様に、なつも功もこの現象を気味悪がってなんかいない。
今までの事を改めて思い返してみると、その言葉が実感として湧いてきた。
その事を敢えて言葉にして知らせてくれたなつに、こうして鏡を静かな面持ちで見られるきっかけをくれたなつに、友喜は感謝の気持ちでいっぱいになった。
「…。」
この現象が見える様になった直後には驚愕し過ぎて気が付いていなかったけれど、今視線を交わしているのは友喜が以前、星空みたいな空間で会話を交わしたキャルユの姿だと思った。
彼女は友喜と瓜二つではあったけれど、どう言い表せば良いのか分からないけれどその瞳を見ると友喜とは何と無く違った。
友喜にはそれが分かった。
鏡をじっと見つめていると、キャルユがまた目を合わせてきて友喜に笑い掛けた。
話、出来るのかな…。
試しに鏡に映るもやの自分に対して話し掛けてみた。
「ねえ、…あの…キャルユ…。」
キャルユ側からは何も聞こえない。
友喜は僅かに赤面になり、その後黙りこくって鏡をしばらくの間見つめていた。
天井の高い部屋。後ろの壁には一見窓に見える大きな照明が額縁のデザインと共にはめ込まれている。
ソウイチは部屋にたった一つのデスクの席に掛け、自身の作ったコンピュータのモニター画面を眺めていた。デスクの脇には透明な色味の綺麗な小石が置いてある。
「こんにちは。君か。今日もありがとう。」
ソウイチに何かが聞こえて来たのか、今回も会話が始まる。
「…。それは果たして、必要な事なのだろうか。」
そう言って少しの間が空く。
「この前もちょっと思ったんだが、君は以前よりもだいぶ…冷静さを欠いてはいないか?」
しばし沈黙になる。
「うん、事情は、理解しているつもりだよ。それでも君は、そっちの方向を向く必要は果たしてあるだろうかと、やはり私は思うんだ。元々の役割が…。」
ソウイチは耳をすませる様に一瞬口をつぐむ。
「君の事は私は確かに覚えている。何か…そうだな、記録でもしておくよ。これは言っていなかったが、今までの君との会話も全て書き起こしているんだ。だから私は…君の事は忘れないよ。」
住宅街の一角。
吉葉家では、なつと功の二人は夕飯と風呂を済ませ、なつは功におやすみと告げた後2階の自分の部屋へ行った所だった。
功はなつに挨拶を返した後、まどろむ空気の中、ダイニングテーブルの自分の席で自分用に買った妖精の本と図書館で借りた本両方を広げて見比べている。
妖精をテーマにした本と言うのはどれも妖精の魔法が掛かっている様で細かな光の粒子を帯びるものなのだとは、本屋や図書館で本をチェックした時に功がつくづく感じた事だ。
友喜に上げた本も今こうして広げている2冊の本も例外では無い。
中でも、図書館で借りた本の光の粒子の出方は群を抜いていて、噴出するのは細かな金色の光で如何にも煌びやかだ。
本を一緒に開いた時に友喜が突然に眠り込んでしまった一幕のあった土曜日にこの本を借りてからは毎晩本を開いてチェックしているが、今の所金色の光の粒子の噴出以外に変わった所は無くて、友喜から飛び出たと思われた白い透明の光の玉の片鱗を見かける事も無かった。
功は注意深くページをめくる。
今日カフェになつを迎えに行った時に、友喜も居た。
毎日友喜がその場所に居てくれる訳では無いから、功は退社時に、今日は居るのだろうかといつも思う。
だからカフェのテラス席に友喜が居るのを通りから確認出来た時は、功の口角は自然と上がり、胸の奥は明かりが灯る様にじんわりと温まった。
階段を駆け上がり、こちらに気付く二人に笑みを見せると何でも無い風を装い今日も席に座って。
少し前には友喜はひどく気分を害した出来事があった様だけど、どうやら状況は落ち着いたらしく友喜の機嫌はそこまで悪くも無かった。
機嫌なんて悪くても、こっちが出来るのはそのまま丸ごと包み込むってだけだけどな。
功はなつと友喜を眺めて、僅かに頬を緩めた。
友喜が功の視線に気が付き、ふと功を見る。
功が友喜に対して微笑み掛けると、友喜は顔を赤くして少し俯きがちになった。
功はそんな友喜を優しい表情で見つめる。
彼女は、いつの日から俺の事を好いてくれたのだろうか、そんな事を思いながら。
こういった本に触れるきっかけとなったのも友喜との事が発端だったし、最近の自分の全ては、友喜無しでは語れない事に改めて気が付いた。
回想から戻り、広げた本のページを眺める。
功は今夜も、友喜を想っていた。
茶色が基調の古めかしさ漂う喫茶店の店内。
こじんまりとしたテーブル席のソファには、穂乃香と辰成が対面で座ってビールとおつまみを時々口にしながら会話を続けていた。
「辰成さ、前に副業のオフィスの作業の事調べてたじゃない。あの件、進展したの?」
「…。」
「何よ。」
「だってお前さ、前に俺がその話をした時には、碌に聞きもしなかったじゃん。」
辰成がどういった風の吹き回しかと、僅かに目を見開き穂乃香の顔を見る。
「その時はそこまで興味無くって、今は興味出てきたの、だから。」
「…。」
「何、教えてよ。」
「お前がちゃんと聞くなら教えてやるよ。」
「偉そう…!」
「前に聞いてくれなかった話をする訳だから、こっちも慎重になって聞き返しているの。お前、自分の軽々しさ分かってる?」
「ひっどい!軽々しくて悪かったですよ。そっちは口の悪さ分かってる?」
辰成は穂乃香をまじまじと見る。
「俺は口の悪い覚え無いけど。」
「言ったね!ほら、反省して無いし!」
穂乃香がおつまみをフォークで刺し、辰成を睨みつけながら口に運んだ。
都内アパート。
作業部屋の一角のベッドの上で薄手の毛布を身にまとった梨乃が、上体を起こしてベッドの背に寄りかかって居る則陽の隣で横になって話をしていた。
「でね、今も行くと、9割方の確率で前の彼氏さんも居るんだって。」
「ふうん。」
「副業のオフィスって行く日にちとか、時間とか、何も決まって無いんでしょう?」
「うん。365日24時間、いつでも好きな時に好きな長さでね。」
則陽は梨乃に頷く。
「だからね、もしかしたら前の彼氏さんは狙って…その時間に来ているのかなって。」
則陽は梨乃の話を聞いて、穂乃香の姿を思い出していた。
「もしかしたら…そうかも知れないね。」
「でしょ?」
梨乃は則陽の返事に声のトーンが上がる。
「梨乃は、その二人にくっついて欲しいんだね。」
「う~ん…そういう訳じゃ無いけど…吉葉さんの事でちょっと後ろめたくって…。」
自分がもっと早くに分かっていれば、穂乃香の失速を招く事も無かったのにと梨乃は思う。
しかも功は自分の知る友喜と付き合っていると知ったので友喜に対しての後ろめたさも感じ、尚更そう思った。
「その点では、俺こそ反省するよ。」
自分の気持ちが焦り切っての穂乃香への言動だったから、則陽はその時の自分に少し意地悪さを感じた。
梨乃の口から功の話が出てきた時にやきもちを焼いていたとは未だ言えずに。則陽は微かに唇を噛む。
「梨乃、今度さ…。」
則陽が提案を持ち掛け、梨乃がそれを聞いて、少し考えてから頷いた。
梨乃の返事を受けると、則陽は静かに息を吐いて気持ちを切り替え、横になっている梨乃にゆっくりと覆い被さる。
「梨乃。」
「ん…。」
則陽は梨乃にくちづけながら、吐息をこぼす梨乃の目を優しく見つめ、肩に手を添え滑らかに梨乃の背にその手を這わせていった。
ぐるぐる回って私はぽわぽわになる。
空間にポンと抜け出ると、そこは見知った緑色の星だ。
私は私のもうひとつの形の彼女に見えない合図を送る。
これは幻想なのだと。
ここに繰り返す同じ会話は、塗り替えてそうあると見せかけたものであると言う事を。
それを彼女が分からないのなら、彼女は彼女自身へと戻れないから。
私は彼女にしか分からない形で合図を送る。
「うん…もう知ってる…。」
自分の部屋のロフト部分で友喜が寝言を言う。
まどろんでまだ目の覚めない友喜は、黄緑色の光のもやと、糸の様な光の筋できらきらと輝いていた。
早朝、友喜が起きてきた。
ダイニングテーブルの席では父がまだ居て、兄の有津世も今朝は寝坊せずに起きられた様で、父と一緒に朝食の席に居た。
「おはよう~。」
「あ、友喜おはよ。」
父や母と共に挨拶を交わした有津世は、早すぎる友喜の起床を思い、何と無く友喜を観察する。
程無く自分の隣の席に座ると、ぼーっとする。
父がその様子を見て微笑むと、ひと足先に、ご馳走様と言って席を立った。
父が母に話をしている。
その様子を眺めた後、有津世はもう一度友喜の様子を見てから友喜に話し掛けた。
「まだ眠いみたいだね。」
「うん…。」
友喜が答える。
「よく眠れなかったの?」
「ううん、寝れたの。早起きしたけどそれまではぐっすり…。」
「あ、行ってらっしゃい!」
父が出発するのに二人してダイニングの席から声を掛ける。
いつもの様に母はぱたぱたと玄関先まで見送りに行った。
「また今日も帰ったら昼寝すれば?」
「うん…。ひょっとしたら…そうするかも知れない。…いただきます。」
自分の分のパンを手に取り千切ってもしゃもしゃと食べ始める。
今しがたの可能性の低そうな友喜の発言は今日もカフェに寄りたがっている気持ちの如実な現れだった。
あともうほんの少しで夏休みが始まるけれど、その話をすると友喜はあまり嬉しく無さそうだったのはそういう訳だと思う。
ほんのひと目会う時間が友喜にとってはとても貴重なのだろう。
功に会える時間をそうやって作ってきた友喜を、その経緯を思うと、おそらく随分前からだったんだろうな、と有津世は思った。
友喜の反応を思い返してみると、その事を則陽は以前から知ってそうだし、則陽が知っているという事は、梨乃も知っているという事だと思った。
「ねえ、友喜…。」
もしゃもしゃとパンを食んでいた友喜が、数秒遅れて反応する。
「ん?」
「…後ででいいや。学校から帰って来てからで。」
「うん…?」
有津世はぼーっとした反応の友喜を眺めながら言った。
今日も白い外壁が日に照らされて反射する光が眩しい。
窓を開けてそれを眺めると、友喜は大きなあくびをした。
「寝不足?」
「ううん、なっちん。今朝はきちんと寝れたはずなの。」
友喜がなつに振り返り答える。
校舎の一角、いつも陣取る廊下の窓辺で友喜はまた窓の外を眺めた。
雲がひとつ、雲がふたつ…
空を見ると小さなわたあめの様な雲が次々と漂い流れていく。
友喜はそれを見て、またひとつ大きなあくびをする。
「友喜すごい顔!ちょっとは控え目にしな!」
なつが注意をする。
これだからこの子は、こんなに美人なのにそこまで異性に意識されないんだろうな、と、なつは分析して友喜に話す。
「良いもん。だってそんなの別に気にして無いし。」
友喜の受け答えに、なつは肩の力を抜いて笑った。
まあ、良いけど。友喜にはうちの兄が居るから、友喜の奔放な仕草はおじゃま虫除けで却って良いか。
周りを見ると、分かりやすいカップルは何組か居て、恋愛話に夢中になっている子達も居る。
たまになつと友喜二人に対してにっこりと微笑んでくる怖いもの知らずの男子も居たが、なつは相手にしないし友喜がそれに気付いているかを見ると100発100中気付いていない。
なつは静かに息をついた。
キャルユの気持ちに引きずられていたって時が、一番しおらしく見えたな。友喜らしく無かったし。
兄の功の事を好きなのかもと睨んでからは、むしろ友喜っぽさが復活していて、キャルユに引きずられていた片鱗は、友喜の中には少しも見当たらなかった。つまり兄を好きな友喜は、友喜である比率は100パーセントなんだろうな。
「…。」
改めて友喜を見てみると、友喜は今も雲をぼけーっと眺め続けている。
「平和だね…。」
なつが呟いた。
「うん、そう。それでね。しょうがないからその日は食事に付き合ったの。」
職場から少し離れた公園で、梨乃と穂乃香がノリムーの弁当を買い込んでベンチに座りランチをしていた。
「それって別れてから初めて?」
「ううん、もう何回目かになるなあ。」
梨乃が箸を口に咥えたまま考え込む。
「ねえ、やっぱりそれってまださあ…。」
また箸を動かし始めて、思った事を梨乃は穂乃香に告げた。
「そんな事無いって。会ったらさ、喧嘩ばっかりなんだよ。」
穂乃香は梨乃の意見に取り合わない。
「あ、でね、前の彼氏が言う事にはさ、副業の仕事内容について、以前よりも分かった事があったって言ってた。」
「分かった事?」
「うん。」
梨乃は穂乃香の言葉に耳を傾ける。
「あ、それ、則ちゃんも確か言ってた。」
則ちゃんも興味深いだろうな、と梨乃は思う。
「今日って副業のオフィス寄るの?」
「うん。今日は寄って行こうかな、って思う。」
「明日は?」
「明日も。」
「その後の予定ってあるの?あ、実はね…。」
居酒屋街の一角。
薄暗い階段を地下2階程まで下りると、分厚いガラス戸を抜けて受付を済ます。
穂乃香が作業スペースに入り奥の席を見ると、そこには見知った顔が二つあった。
一人は辰成、自分の前の彼氏で、もう一人は辰成から少し離れた所に座る則陽だ。
穂乃香は辰成には無表情で視線を交わし、則陽にはにこりと会釈をした。
辰成が穂乃香の仕草に驚いて、穂乃香の笑顔の先を伺う。
なんだ、あいつ…。
しかも穂乃香に微笑み返している。
割とこまめに来ている彼の姿を辰成は覚えていた。
則陽を少しの間凝視すると、辰成は視線を自分の席のモニター画面へと移した。
石碑近くの草原。
小学生の姿の友喜は、今日も石碑の前で何かを行っている。
キャルユは友喜の様子を伺って、こちらに向く気配の無い事を知ると、振り返って自分の目の前に広がる草原に視線を移す。
足元近くの花を見つけ、そっと手で触り愛でると、その姿は一気に幼子に戻り、あはは、と声を上げてまた一人で遊び始めた。
文の言い回しの修正を数か所行いました。(2026年1月15日)




