第二章-4 初めての出会い
同じように新歓の待ち合わせをしている大学生の間を抜け、改札前に到着した。
部長の北川は鞄から「もだけん」と書かれた段ボールを取り出し、梅本に渡した。
いつの時代からかわからないが、この段ボールは会長に歴代受け継がれているらしく、ところどころ傷んでいる。
「段ボールを持ってるだけでいいからよろしく。」
「わかりました。」
さっそく二人組の男の子が近づいてきた。
「もだけんの新歓お花見参加ですか。」
と梅本が訊ねた。
「はい、そうです。よろしくお願いします。」
「私は、部長の北川と言います。参加ありがとう。よろしくね。」
そうこうしている内に新歓参加者は増え、10人となった。
「すみません、もだけんのお花見はこちらでしょうか。
ワタシは、西森と言います。」
私はその少女の姿を一目見た瞬間、恋に落ちた。
髪型は、黒髪で長髪であり、前髪がヘアピンで留まっており、とても愛おしい。
「部長の北川です。今日はよろしくね。」
「梅本君、人数揃ってきたし、新入生を連れてホームの方に行ってくれないかな。」
「わかりました。段ボールどうします。」
「小池に渡して。」
「あ、ありがとう。」
西森さんと話す間もなく、梅本と新入生達はホームへ向かってしまった。
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