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第２話～ステータス～

　ヘルメスに先導され、建物の中を移動していく。建物は非常に大きいらしく、三分ほど移動して目的地に着いたようだ。大きな扉をくぐると、そこは聖堂のような場所だった。

「皆さんここに座っていください。私は皆さんのためのステータスプレートを持ってきます」

　ヘルメスにうながされ、たくさん置かれてた椅子に一人ひとり座っていく。特殊な力が手に入ると知り、みんなそわそわしているようだ。

　しばらくして、ヘルメスが帰ってくる。その手にはトランプカードのようなものが握られていた。

「このカードがステータスプレートと言われるものです。三十秒ほど中心の点に触れることで、持ち主と判定します。ステータスプレートは自身の能力を表示するものです。これによって自分がどれだけ強いか、どれだけ成長したかなどを見ることができます。さて、皆さんやってみてください」

　ヘルメスの指示通り、みんなが点に触れ始める。司は少し警戒したが点に触れ、三十秒ほど経過する。するとカードに文字が現れ始める。しかし、文字が読み取れないので、みんな首をかしげていた。

「そういえば、まだ文字が分からないんでしたね。少し待ってください」

　ヘルメスが目を閉じて、集中しているのが見て取れる。

『解読』

　司たちの足元に大きな円の模様が発生した。

「いま、皆さんに文字が読めるようになる魔法をかけています。もう少し待ってください」

　今まで読めなかった文字がみるみる理解できるようになる。今まで味わったことのない感覚にクラスメイト一同、驚きの表情が現表れていた。ふと、司の頭を疑問がよぎる。

「そういえば、どうしてヘルメスさんの言葉は理解できるんですか？」

　それは司が思った疑問と同じものであった。質問をしたのはクラス委員長の新井真央。このクラスのマドンナと言われるほどの人気がある生徒だ。

「それは魔法をかけたからです。皆さんが眠っている間に、言葉が理解できる魔法をかけさせてもらいました」

「なるほど、ありがとうございます」

　丁寧な礼にしっかりとした笑顔。それは作り物の表情。それを知るのは、司と森山のグループの人間だけだった。

「さて、そろそろ文字が読めるようになってきましたよね。一応説明すると、上から体力・攻撃・耐性・魔力・魔法攻撃・魔法耐性・俊敏性となっています。その七項目がＡからＥと＋－で表されています。一番上がＡ＋、一番下がＥ－です。確認してみてください」

　司が自身のステータスプレートを確認すると

　体力：Ｅ

　攻撃：Ｅ

　耐性：Ｅ＋

　魔力：Ｅ－

　魔法攻撃：Ｅ－

　魔法耐性：Ｅ－

　俊敏性：Ｅ－

　能力：無し

　と表示されていた。

「花音どうだった？」

「全部Ｄぐらいかな」

　Ｅが平均ぐらいだと思っていた司は花音の言葉にショックを受けていた。

「そこの君。心配しなくていいですよ。神からのご加護でステータスも上がりますし、訓練すればもちろん上がります」

　ショックだった表情が出ていたようで、司にヘルメスが声をかけてきた。その光景はステータスが低いことを表しているようなものだ。森山たちの笑い声に、司は恥ずかしさを感じずにはいられなった。花音がいたことも大きな要因となっただろう。

「それでは祭壇で祈り、神からのご加護を授かりましょう。祈りは一人ひとり行っていきます。祭壇の前まで行き、片膝をついた形で目をつむってください。そうすれば力を授かれます」

　一人、また一人と祈りを終えていく。そして、司の番が来た。前の人と同じように祈る。

「君はおもいしろいな」

　耳元でする声にパッと振り向くが、そこには誰もいなかった。

　さっきのはなんだったんだ？　と思いながら司は席に座る。ステータスプレートを確認すると