表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/102

第28話~心~

 なあ、俺は間違ってたのか?


(さあ、どうだろうな)


 お前がやれって言ったじゃないか。


(そうだな。でも、仕方ないじゃないか)


 何が!


(そうしなかったら君は壊れていたよ。ルギスさん達を守れなかったと嘆き、涙を流して暴動したんじゃないのか?)

 

 どうしてそう言い切れる! 俺は命を奪いたくはなかった。


(じゃあ考えろよ! 汚れた手でルギスさん達と一緒に過ごすか。綺麗な手で孤独に生きるか。どっちが良かったんだ!)


 でも、俺は命を


(いい加減にしろよ! どっちも犠牲にせずにどっちも守りたいなんて甘えなんだよ! 大切なものを守るんじゃなかったのか? そのためにすべてを犠牲にするんじゃないのか?)


 それはそうだ! でも命を奪うことは


(お前は力を願ったんだろうが! 誰でも守れるようにって! 大切なものを失いたくないからって! その結果に対して言う言葉がそれか? 宝の持ち腐れだな。笑わせるな!)


 お前はなんなんだよ! 知ったような口ききやがって! 鬱陶しいんだよ!


(今更何言ってる。どうせ気づいているんだろ? 気づかないふりも大変だろうな。 気づいたら自分が自分じゃなくなってしまうから)


 うるさい、黙れ!


(いい加減受け入れろ)


 嫌だ! 俺はそんなこと思わない!


(僕は君を救いたいだけだ。それだけは分かってくれ)


 黙れ!



 司が目を覚ますと、そこは見たことのない建物の中だった。体を動かそうとするが、動くことができない。司は自分に何が起こっているか理解できない。すると、扉があいた。


「あー! 司お兄ちゃんの目が開いてる! 起きた起きたー!」


 部屋の中で大声を出して喜ぶテウス。喜んだと思ったら、急いできた扉を開けて外に出ていく。


「起きた! 起きた!」


 自分が起きたことを知らせてくれているのだろうと司は思う。そして、予想通りルギスとオルドが部屋に入ってきた。


「よく起きてくれた。本当にありがとう! 目を覚ましてくれて。私たちを救ってくれて。そして、本当に申し訳ない! 辛い思いをさせてしまった。君には迷惑をかけてばかりだ」


「そんなことないですよ。俺を庇ってみんなが戦ってくれて嬉しかったです」


「そんなのは当たり前だ! 貸しを返すつもりが、もっと大きな貸しを作ってしまったしな。あと、もうしばらく休むといい。体もそうだが、心を回復させるのもっと難しい」


「そうですね。ありがとうございます」


「本当にすまなかったな。命を奪うことはかんたんなことじゃない。それも初めてで、あれだけの数を。心が壊れてもおかしくないよ。本当にすまなかったな」


 司は再び眠りについた。自分の中に潜む何かと決着をつけるために。



(やっと受け入れる気になったか?)


 どうかな。でもこのままじゃ先に進めないのもわかっている。


(そうだろうな。死なない僕らにとっては時間は無限だ。ゆっくり話し合おう。君の気が済むまで)


 そうしよう。そうしなければ、俺は変われない。俺は変わらなくちゃいけないんだ。この先、もっと強くなって、大切なものを守るためにも!


(そうだ! その気持ちを思い出せ! 花音に害為すものすべて排除すると誓ったあの日を。あの日のお前なら、どこまでも強くなれる!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ