【独占】竜少女Aの魔法論【インタビュー】 その2
竜少女A 誤解を承知で言わせてもらえばそうですね。水泳の例えが適切かどうかは置いといて、初歩、入門、そういった表現は近いと思います。
――ということは現在ほとんどの魔法使い系プレイヤーがその初歩の位置にいることになりますが?
竜少女A そうなんですか? ですがこの先の話を信じていただけるなら、納得してもらえると確信しています。
――といいますと?
竜少女A プレイヤーメイドの魔法。魔法操作のレベルを上げていくと、自分で魔法スキルを作りだすことができるようになります。料理や裁縫などの生産スキルでオリジナルレシピを作るのと似ていますね。
――!! それは本当ですか!?
竜少女A はい。……といっても、証明はできませんけど。後追いで検証してくださる方が出るまでは。
――確かに、オリジナル魔法と単にまだ発見されていない魔法の区別は我々にはつきませんからね。
竜少女A なので信じていただけるなら、ですね。魔法を作ることができるようになるのはかなり高レベルになってからです。今改めて考えると正確には低レベルでも可能なようなんですが、できるようになったのはレベルが上がってからです。
――どういうことでしょう?
竜少女A 現実世界でできることは、スキルがなかったり低レベルでも大体ゲーム内でできますよね?
――現実で魔法を作れるならゲーム内でもつくれるということでしょうか? ですがそれは……。
竜少女A 現実には魔法がないからありえませんよね。ですが、魔力操作をつかって既存の魔法の再現する練習をひたすら繰り返せばそのうち実際につくれるようになると思います。スキルレベルが低くても。ただまあ、コツをつかむまでに魔力操作のレベルが上がってしまうかもしれませんが。(笑)
――ということは竜少女Aさんはそういう形で覚えたわけではないと?
竜少女A はい。ある程度魔法に慣れてきたあと、先生が【コントロールなんちゃら】という魔法を押ししえてくれました。これはなんちゃらに該当する属性を自由に動かす魔法なんですけど。こんな風に。【コントロール・ファイア】(注4)(注4 火の玉を生み出して形状をいろいろと変えて見せてくれた)
――ええと【コントロール・○○】といいますと、魔法学園でも取得できる便利系魔法ですね。動かしている間魔力を消費し続ける上、規模に比例してコストが跳ねあがり、なおかつ攻撃力も低いのであまり重要視されていない魔法です。ネタスキル扱いですね
竜少女A そうなんですね。この魔法を使って属性の扱いを覚えました。動かし方や、魔力から属性に変換する過程などを魔力感知で観察して、体で覚えて。そうこうしている間に【魔力視】とかのスキルも覚えていましたね。
――なるほど、つまり、簡単な魔法で魔法になれさせ、【コントロール・○○】で属性の扱いに慣れさせた、と。段階的な教育に見えてきますね。
竜少女A 全く同感です。だからこそ、魔法スキルを使うだけというのが初歩であると思うわけです。その後、各属性ごとに魔法を一つずつ作って見せるようにという課題をもらいまして。もっとも、まだこの課題は合格をもらっていないんですけども。(苦笑)
――何か理由が?
竜少女A 実のところ、できた魔法の質と、教わった魔法の質が差がありまして。
――どういうことです?
竜少女A 最初に教わった魔法は簡素なことを踏まえても無駄がなくて使い勝手がいいものでした。スターティアに戻ってからいくつか見せてもらった魔法、魔法学園で取得したそうなんですけど、その魔法スキルも効率がいいというか、洗練されているというか、機能美が感じられるというか。
――NPCが教えてくれる魔法の方が出来がいいということですか?
竜少女A すくなくとも私にはそう思えます。想像なんですけど、先生にしても、魔法学園にしても、魔法に携わってきた時間は私なんて比べ物にならないでしょうし、この世界で時間をかけて洗練されてきた技術なんじゃないかなと。であれば、今使われている既製品の魔法スキルはそれだけ質のいいものなんじゃないでしょうか。
――つまり、納得がいくレベルの魔法ができていないというわけですね?
竜少女A 恥ずかしながら。いくつかこれはというものもあるんですけど、属性ごとに一つずつという条件なので。もう少し検証と練磨をしたいと思って。でも、効率に目をつむれば、自由に魔法を作れるというのはこの上なく強力だと思いますよ。それにすごく楽しいですし。
――それはその通りですね。自由に魔法、使ってみたいものです。ちなみにレベリングはどうやってやったのか、なんてのは教えてもらえますか?
竜少女A あ、それきいちゃいます? 実はですね、死ぬ覚悟でどんどん先に進んでいっただけです。これちょっと恥ずかしい失敗談なんですけど、帰れないところで復活地点セーブしてしまって。
――戻れなくなった?
竜少女A そうなんです。それでもう仕方ないので先に進んでしまおうと。先に進んだ方がレベルアップが早いことにも気づいたものですから。もう何回も死にました(笑)
――それは大変でしたね。(笑)ちなみに何回くらいかわかります?
竜少女A 途中から数えてないですけど、百回は超えてます。千回は死んでない、と思いたいですね。(笑)
――せ、千回ですか。(汗)
竜少女A まあその恥ずかしいんでそのくらいで許してください。
――あはは。(笑)さて、そろそろ時間ですが、最後になにかありますか?
竜少女A ええとそうですね。魔法は現実世界にない魔力を扱う技術です。なのでその可能性を狭めないでいろいろやってみてほしいですね。私としては魔力操作と魔力回復力があれば大体どうにでもなる、という意見なんですけど、それ以外のスキルの可能性もいろいろとあると思うので、それで面白い情報があったら公開してもらえたらうれしいです。
――私もちょっと魔力操作練習してみようかと思います。竜少女Aさん、今日はありがとうございました。
竜少女A ありがとうございました!




