表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/24

第4話【一対一≪サシ≫で闘ろう(やるとは言ってない)】

※4/5日にて改稿。読みやすいように、改行と段落一字下げを行いました。


 長い金髪を後ろ髪の真ん中辺りでゴムで結び、肩から胸へと下ろす男。

 冷ややかな視線にこちらを見る目は、嘲笑に口元が歪んでいる。

 性格の悪そうな顔立ちだが、眉目秀麗には違いが無く、背後には取り巻きであろう女生徒が10人彼の周りにいる。


「………………。」


「どうした、卑国人ひこくじん。聞こえていないのか?態々この俺が声をかけてやったのだぞ。よもや猿へと退化して人語が理解出来なくなったとは言うまいな?ああ…あり得る話だな、何せお前らは劣等種だ。」


 闖入者の登場と台詞に静流さん、アンリ、リリたん、ティナの視線が男に向かう。

 宗像騎士団のレディースの殺気は、先程よりも濃厚に増大して今にも抜刀しかねない勢いだ。

 リリたんは怒りの表情は落ち着いた物の体が怒りで震え拳を握り締めている。ティナは無表情で何を考えているか良く分からんな。 宗像レディースが飛び出さぬよう片手で制して置こう、何かこれ気持ち良いな。ご主人様らしい事初めてしたわ。


 にしてもハーレムしやがってこの野郎。だが、取り巻きみんな女の子達はモブキャラだから、悔しく何て無いんだから!

 数より質よ!俺には極上の美少女が4人いるんだぞ。一人一人の戦闘力は100だから、40倍の戦力差だぜ。

 フハハハハ!我が軍は圧倒的ではないか。ティナとリリたんは数に入れないって?あーあーあー、聞こえなーい。

 何で沈黙してたかって?女の子達のレベルをスカウターで見ていたのさ!


「これはこれは、先代に伯爵家から没落し下級貴族である子爵家へとクラスチェンジしたチキン様でしたか。次の男爵に降格するのは何時でしょうか?明日?」


最初に遭遇したのがこいつだとは、俺も運が悪い。ついてない、本当に。


 ルイス・クレイル・ギルバード。ガチガチの純血主義者で、ランドガルフ帝国民こそがいっぱしの人族と主張する。

 他国籍や亜人に対しては人間と認めていないのか、侮蔑し見下す。

 ゲームでは主人公ちゃんに毒を吐くも、ここまで酷くはない。庶民ではあるが、曲がりにもランドガルフ人だからだろう。

 代わりにキョウシロウに対する当たりが強い。庶民以下の存在に舐められているのだ、そして売られた喧嘩を恭士郎が買わないわけがない。

 ギルバードが性悪毒舌野郎なら、恭士郎は狂犬慇懃無礼野郎なのだ。原作でもこの二人は犬猿の仲だ。

 ただ第三者目線で見るのと、実際に直接言われるのじゃムカつき度がハンパ無いな。

 『ちっ、没落貴族の癖に偉そうに。やーい、ギルバードのバードは鳥の事〜。性悪野郎め、お前の代で男爵だな?』とつい口に出してしまったら、物凄い皮肉で返してしまった。


「貴様…薄汚い黄色猿イエローキキの分際で、貴族の俺に対して何たる侮辱を。不敬にも程がある、貴様らの好きな腹切りで始末してくれよう。俺は寛大だからな、あまり苦しまぬよう直ぐに首を落としてやる。」


 猿型の魔物をキキと言う。個体の色や体の特徴によって強さや危険度のランクが変わるのだ。因みに黄色いキキは何故か存在しない、制作側があえて作らなかったのだろうか。 真相は謎に包まれている。


 設定では先代の、つまりこいつの爺ちゃんの代は伯爵だった。

 主な原産物である魚介類が、海に住むSランク指定の魔物が食い荒らしめっちゃ減ってしまった事もあり、代わりを求め資源が多そうな新たな土地を求めるべく、領地が海沿いにある事もあり、船で獣人族の領地【ビストウォーリア】まで遠征に行ったんだそうな。

 海を舐めてたんだろうな、見事敗戦し帰って来たも私兵は激減、追い打ちをかけるように、ライバルを蹴落とすべく他伯爵家に迫害されて降格した経緯を持つ。

 獣人族の食い物なら鳥、バードか?しかも逃げ帰って来たチキンめと後ろ指さされた事もあり、チキンはこいつにとっちゃかなりの侮蔑である。ルイスは煽り耐性がゼロなわけではない。

 こいつは先代の汚名をそそぐ為に、次男であるも騎士課へと進む事にしたのだ。

 その努力と実力は2年にしてA級の序列5位までに上り詰め、将来は皇帝若しくは継承権の高い皇族の近衛兵か、ランドガルフ帝国騎士団の騎士団長並びに副団長、

 そして帝国が誇る皇帝の側近中の側近で帝国最高戦力、他国に畏怖と敬意を持たれる存在、ランドガルフ帝国六英将の座を狙っている。


「はんっ、やれんのかお前に?逃げんならお許ししてやりますよ?」


 憑依初実戦がルイス相手とか、ヤバいヤバいヤバいヤバい。落ち着け、落ち着け俺。

 相手は一人だし取り巻きの子達は非戦闘員。静流さんは何とA級序列8位の天才だしアンリも1年生にしてB級下位の天才。リリーシャもティナもB級下位の天才だ。

 天才のオンパレードで某忍者漫画を彷彿とさせられる優秀な世代なのだ。

 改めてサブキャラ達の戦闘力の高さったら怖いもの無しですね。

 『はひぃ!』なビビり声が鼻笑に置換され『こここっちには高い戦力があるぞぞぞ!こ降参…すすりゃ、するなら今の内だからね!』何て返した結果挑発になってしまった。

 サシじゃないよね?助さん格さん、お嬢さん方懲らしめてやりなさい!


「後悔するなよ、劣等。今更謝っても遅いからな。」


「ははっ、こちらの台詞だ。先代チキンみたく裸足で逃げ出しても構わなかったんだがよ。なあ、次代を担うチキン様?」


 一触即発の雰囲気。お互いが腰にある武器へと手をかける。

 ルイスは眉根を顰めて冷静な表情、俺は口元を釣り上げて笑う。

 『ははっ…退散しても良いよ。先代の事もお前の事も、ちちチキン扱いは撤回してもいいし、と言うかあ謝るから!』ぎゃぁぁああ!これサシの空気になってるやんけ!そして変換が全く言う事聞いてない!?どゆこと?今までは何となく補正かかってたのに。いや、もう笑うしかないよね、


「恭士郎様は、抜刀技で対するようでございますね。」


「ふふふ!流石はキョウ様です〜。氷血の貴公子相手に初っ端抜刀技とはね〜。」


 刀に手かけたのもどうしたらいいか分からないからさ。とりあえず安心出来るよう握って置こうと考えただけだ。

 かっこよく抜刀術で戦うつもりだったのではない。

 氷血の貴公子とはルイスの通り名で、その名の通り血も涙もないんじゃないかと冷徹に敵を仕留める氷のような血を持つからと付けられた。

 当の本人は俺らしいじゃないかと気に入ってるようだ。


「恭士郎様にしてはお珍しい。」


「だよね〜。いつもなら、ズバッと踏み込んで相手の武器ごと叩き切っちゃう豪快さだもんね〜。」


「ふふ…分かりませんか?アンリ、貴女もまだまだですね。あのルイス相手に余裕をかましてるのですよ。」


「むっ…んん?どういう事?」


「本当に分かりませんか?良いでしょう、説明します。


 先手は譲ってやるから、どこからでもいつでもいいからかかって来いよ。俺はいつでも対応出来るぜ、遊んでやるよ。って感じでしょうか。」


「トゥンク…キョウ様、ダンディズムぅ。痺れます〜。」


 従者’sがワイワイと騒いでいる。曲解だ、過大評価にも程がある。あとアンリ、トゥンク言うな。


「貴様、舐めるのも大概にしろよ。その余裕が命取りになる事と知れ。」


 いや、舐めてません。男何て舐めたくもないです。額に青筋浮かべながらもルイスは腰からロングソードを引き抜く。

 心無しか刀身は冷気が漂っているようで、周りの温度が一度下がったような気がする。

 従者’sの言葉を鵜呑みにしないで頂きたい。

 口ではこう言いつつも、相対するルイスは内心戸惑っていた。対する恭士郎はまるで“刀に手をかけているだけ”のように見える程隙だらけのように感じるのだ。

 明らかに誘っているのだろうか、この俺相手に戦闘準備さえしていないとはどういう事だと。頬につーっと汗が垂れる。


「聖騎会だ!双方、直ちに戦闘行為を終了せよ!武器を収め両手を後ろに組め。抵抗するなら容赦せずに制圧する。」


 十数人の足音と同時に、凛とした通る声が響く。

設定を色々小出しにして行くスタイル!

今の所1話につき新キャラ登場。口が悪く性悪だけどチキン様の事嫌わないで下さい(笑)

暫しこの流れは続きます。次話では二人新キャラ登場させる予定です!

勘違い要素少しは出せていけたかな。


初心者の作品ですが、ブックマークや評価ありがとうございます。

読者様にはご感謝を!応援して頂けると喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ