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第1話 【どーすんの!?オレ 続きはWEBで…できたらいいのにな】

※4/5日にて改稿。読みやすいように、改行と段落一字下げを行いました。

 洗面所に着くと先程聞こえて来た会話の通り少女が顔を洗い終え歯磨きをしている。

 勿論の事、女の子相手に自分から話しかける事なんて、ハードルが高いので無理。しかししかしだ、寝起きの隙のあるセクシーな後ろ姿を存分に眺めさせて貰おう。


 タンクトップにホットパンツという凶悪な組み合わせだ。正面から見たら俺のアレがチョモランマしかねない(切実)のでこそこそとさり気な〜く堪能を。って!タンクトップの肩のとこがずれてあああああ…シット!ピタリと肌に張り付いてやがる、引力仕事しろ!

 それは兎も角、JKの後ろに黙って並んで待っているって犯罪臭するよね、俺今はDKだからセフセフ…セフトかな?


「あ、キョウ様ぁ。おはようございます〜。ぴたっ!」


「ああ…ーーーって引っ付くな、頬摺りするな鬱陶しい。」


「あん、相変わらずの冷たい眼差しがゾクゾクしますぅ〜。あらら…でも今日のキョウ様お優しい!いつもなら、突き飛ばされたりするのに…まさか遂にアタシの想いが届いて!?」


 歯磨きを終え振り向く少女。真正面から俺の胸板に頬を寄せ頬摺りして来る。

 しかも擬音を口にして密着して来るだなんて…あざとい、だがそれが良い。

 まあ、突然話しかけられて、更には密着されてしまえば耐性のない童帝は、おどおどして『うぇぁえ…当たっ。あたた、むむむね。が体をへぁ』とどもって声に出したと思ったけど、ナイス強制キャラ態度!さも興味ないですよと言わんばかりに憮然とした表情で突き放してくれました。


 少女は両手で胸の前に手を重ねて腰をくねらせております。あああああ、タンクトップの肩のとこが!徐々に、徐々にぃ!


「るわけありません。跳ね返されてますよ。」


 俺の背後から否定の声がかかる。

 そこにはにっこり笑顔の静流さんの姿がありました。彼女はそのまま俺に頭を下げ。


「恭士郎様、すみません。ほら、アンリ。用事が済んだらさっさと食卓でお待ちしてなさい。お邪魔してはならないでしょうに。だらしない格好に髪も所々跳ねさせて…。」


 はい、肩のとこのタンクトップが直されてしまいました。

 アンリと呼ばれた少女は、静流さんに櫛で髪を梳かされながら、洗面所からドナドナされて行く。

 ラッキースケベはこうして防がれてしまったのだ、ベ別に悔しくなんてないんだからねっ!


 俺は残念に思いながらも、黙って二人を見送る。

 遠くから「キョウ様とのラブタイムがぁ〜。」なんて叫び声が聞こえるが、俺も見たかったとです…。CMのナビ○イムみたいな発音だったな、どうでもいいが。


 場所は代わって食卓。目の前には味噌汁と小皿に乗せられた沢庵に大根の漬物、キュウリ。サバみたいな焼き魚。そして白米がある。

 朝飯の支度は毎日静流さんがやってくれてるみたいだ。


「申し訳御座いません、白い御飯はいつものように…。」


「ホントだよ〜。この国では炊いて食べないからね。お米自体そんなに食べないけど。」


 俺の対面に並んで座る二人が話す。アンリは不満気だ。静流さんはお料理上手なお姉さんだが、こればかりは何ともな。


「飯が食えりゃ、何でも良い。」


 うん、白米はパサパサしてるね。これ現代の日本で言うジャポニカ米じゃなくて、インディカ米だからしゃーないわ。

 パエリアやらピラフとかにするとうまいんだっけか。

 ジャポニカ米…いや、の国の陽国米ひこくまいは今はとある事情で手に入らんから仕方ないわな。


「キョウ様、ワイルドぉ…。」


 アンリがまたキョウシロウに胸キュンうっとりしてるようだ。

 ぶっきらぼうに言ってたが仕方ないですよ的な事を言っただけである。


 彼女のフルネームは宮元アンリ。陽国人の母とランドガルフ人の父の間に生まれたハーフだ。

 年齢はキョウシロウの一個下の1年生。

 燃えるような赤い髪をツインテールにし、吊り目がちな瞼に瞳の色は黒。

 胸の大きさは静流さんが母性溢れるエベレストだとすると、彼女は高尾山くらいだろうか、ディスってるわけじゃないよ対比するとそんな感じって事。


 ぶっちゃけると、というか重い話をするとだ、母親はランドガルフ人に乱暴され、身籠った少女だ。

 父親の顔もどこの誰とも知らない。

 捨てられた母親は女手一つで育てるも、生活苦に耐えきらずに彼女が10歳の頃に母親は無理心中をはかり、彼女だけが生き残ってしまい、孤児として路上生活をしていた。

 当時まだ子供だった恭士郎王子と静流ちゃんが出会い、恭士郎は気紛れに彼女を拾って、従者その二として今に至る。

 だからか拾って貰い生きる事が出来たのも恭士郎のお陰で、アタシの命はキョウ様の物と思っちゃってる娘なのである。


 ベタな内容だからかプレイヤーからはチョロインと言われている。

 隠れ攻略キャラの恭士郎ルートでは、そんなチョロインな彼女の活躍が兎に角“凄い”のだ。ぶっちゃけ俺はいい歳して泣いた。


「あー、どうだ?お前ら、最近は。学園で面白い事、気になる事は何かあるか?」


 食事を一旦中断して二人を見て脈絡も無く尋ねる。恭士郎っぽく演じるべく机に頬杖付きながらだ。

 ゲームの世界に憑依トリップしたものの、俺としては元はただの一般人。

 奇跡も魔法もあ…チートもハーレムもあるんだよ状態ではないのだ。何せここは乙女ゲームの世界で、ゲーム内では敵が多く茨の道を歩む隠れ攻略キャラ、宗像恭士郎になってしまったのだ。


 どうせならギャルゲーのハーレム主人公…無理や、心が持たんわい。

 最低限は早く現状の把握に努めなければならない。

 一体今はいつだ…ゲームはもう始まっているのか?場合によってはイベントをこなしたり、フラグをへし折らねばならない。

 ゲームとは違ってセーブ&ロードは出来ずやり直しはきかないんだ。いや、これが夢でしたとかなら良かったってな話だが、飯の味がリアルだったしそれはないだろうよ。


 すっと片手を上げる静流さん。待ってましたとばかりの表情だ。


「来週の実地訓練で、他ランドガルフ貴族生達が私達宗像騎士団を標的に妨害を仕掛けて来ると思います。」


「あ〜。来週はクライシダス山脈だもんね。奴らにとっちゃ絶好のチャンス到来だ。」


 隣のアンリもうんうんと頷いている。


 クライシダス山脈で実地訓練だと?来週って事は共通ルートに未だ入っていない。

 物語は未だ始まっていないのか。ヒロインがまだ転入して来ていないのな、一先ず安心した。


 ここで簡単に学園の授業のシステムを紹介しよう。騎士団候補生達は能力に対して個人の成績が付けられる。

 下からG.F.E.D.C.B.Aの7段階で総合力でランク分けされる、

 A級は学園でも上から9人の選ばれた生徒として羨望と嫉妬を身に受ける存在で1位〜9位まで序列も決められている。

 現在の1位2位3位は歴代のA級の生徒の中でも抜きん出ている事から特A級と称される。

 B級はその下の30人だ、かなり優秀とされる生徒達。

 C級は更に下の50人で優秀だな。

 D級は以下100人で平均より少し上。

 E級は以下300人で平凡。

 F級は以下100人で劣等生。

 G級は下から10人の退学目前の生徒達。


 ここで、先程静流さんが口にした宗像騎士団。

 宗像とは恭士郎の名字にして、団長の名前を取っている。

 D級より上の生徒は団長を名乗る事が許されていてメンバーを募集して実地訓練などの活動に及んでいるのである。


「問題ねえよ。いつものように魔物共々蹴ちらすだけだ。やれるな?いや、やれよ。」


「仰せのままに。」


「了解です〜。」


 先程の質問に答える。格好つけて『大丈夫だ、問題ない。キリッ!』と言った ら格好良くニヒルな笑みで変換されてしまった。

 静流さんは胸に片手を当てて優雅にお辞儀を、アンリは片手を上げてガッツポーズして答えた。


 来週実地訓練か〜。そうかそうか。…格好つけたけど、ピンチ到来!

 どどどどどどうしよう!?俺元は一般人よ?武道とか身に付けてないし、身体能力も普通よ?強いて言うなら鍛えたいけど面倒臭い精神で、握力だけはアニメ見ながらひたすらグリップやボールをニギニギしてたけど役に立たんよ。

 握撃(70kg)炸裂させちゃう?使えないっしょ!?戦えんの?どうする、どうすんの俺!?誰かラ○フカード下さい…。

物語が進まず…。次回に世界観の説明やら書けたら戦闘についてを書こうかなって思ってたり。

実地訓練はまだまだ先になります(笑)


処女作で稚拙な文の作品ですが、ブックマークや評価ありがとうございます。

読者様にはご感謝を!

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