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プロローグ


セルニーニャ・アルフレッド。 彼女はしがない魔法使いである。

それだけのはずなのに。彼女は今、処刑台に立っている。



「断罪人、リーシャント・シリアナス。

セルニーニャ・アルフレッド。

最後に言い残すことは?」



冷たい目。

罪状を読み上げる時の姿勢。

威圧的なほどに堅くなった口角。

少し震えた手足。

それは、例え罪人であろうとも、人を殺す罪悪感。

死ぬ前の景色としては妥当だろう。


「…私は、幸せ者です。」


私は出来る限りの笑顔を作った。

貴方は悪くないんですよ、貴方はただ従っているだけなんです。

彼の罪悪感というものをなくしてあげたかった。


「…そうか。」


なぜ、彼が悲しい顔をしたのかわからない。

だが私は死んだ、彼に殺された。


目を覚ました。

明るい木漏れ日と暖かく落ち着いた声。

「セル。やはり君の魔法は美しいよ。」


死刑執行人。そう、彼。

罪人の私の首を斬ったはずの彼、リーシャント・シリアナス。

彼に魔法を美しいと言われることはまずない。

ここが仮に天国だとして、これは私が望んだこととする。私は自分を殺した相手を満足させたいと思うほどドMではない。つまりここは現実世界となる。

魔法による何かしらの世界の変化なのか、私自身の変化なのか。はたまたどちらも、が正しいか。

ただ魔法であることには変わりない。

さて、どうしようか。

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