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事案104-B:非ユークリッド幾何学図面(通称:裏側の地図)

隔離病棟の壁面および、回収されたスケッチブックに、園児3名が「共有されたトランス状態」で描き残した図表の解析記録


これは地理的な地図ではなく、「多次元的な情報の流れ」を視覚化したものと推測される

事案104-B:非ユークリッド幾何学図面(通称:裏側の地図)

分類: 認識有害図形(レベル7)


作成者: 園児(ユウタ、ミサ、タクミ)

媒体: 24色クレヨン、および「自身の指先から分泌された銀色の液体」


1. 図面の全体構造

中心に巨大な「黒いピット」が描かれ、そこから無数の「血管のような線」が放射状に伸びている。


フラクタル構造: 拡大しても縮小しても同じパターンが繰り返される。一見すると「秩父の山並み」に見えるが、角度を変えると「人間の大脳皮質」や「銀河の渦」と重なるように設計されている。


重なりの描写: 私たちが住む三次元世界が、薄い「膜」のように描かれ、その裏側に「指の長い住人」が密集している様子が、濃い黒のクレヨンで塗り潰されている。


2. 地名(?)の解読

図中の各所に、幼児特有のたどたどしい文字で「場所」を示す記述がある。

「おもいでのゴミばこ」: 筑波宇宙センター(第零研究区)に該当。過去に収穫された情報の「一時的な圧縮ストレージ」と推測。


「ゆびのなる木」: 収穫者が待機する「特異点」。そこから伸びる枝(指)が、私たちの世界の「影」と繋がっている。


「おはなのお城」: プロジェクト・アカシャの終着点。全人類がデータ化され、統合された後の「最終的な静止状態」を指す。


3. 異常な性質:『動く地図』

深度の変化: この地図を3分以上凝視した調査員は、絵の中の「黒い穴」が実際に凹んでいるように錯覚し、手を入れたところ、肘まで壁の中に消失した(※即座に引き抜いたが、腕の皮膚はすべて『ハクサンイチゲの花弁』に変質していた)。


音声の発生: 地図の「山」の部分に耳を当てると、数千人分の「ささやき声」が聞こえる。それは、過去に行方不明になった者たちの最後の10秒間の記憶が、無限にループ再生されている音である。


4. 解析班の最終見解

これは、彼らが連れて行かれる「行き先」のガイドマップではない。


むしろ、「彼らがこちら側の世界をどう解体し、どう並べ替えるか」という『工事設計図』である。

地図の端には、まだ白紙の部分が多く残っている。これは、「まだ収穫が終わっていないエリア(=現在私たちがいる場所)」を意味している。


【警告:残留事象】

現在、この地図のデジタルスキャンデータはすべて破棄されています。


理由は、サーバー内に保存された地図の「黒い穴」が、毎日数ピクセルずつ拡大し、周囲のシステムデータを「吸い込み」始めたため。

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