表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/22

【事後記録】事案104-B 最終フェーズ:収穫(ハーベスト)完了報告書 記録コード: NULL-FIN-000

【事後記録】事案104-B 最終フェーズ:収穫ハーベスト完了報告書

記録コード: NULL-FIN-000


タイムスタンプ: 202X年 10月 31日 04:44:44

ステータス: 観測主体(人類)の不在を検知


1. プロジェクト・アカシャの運用結果

政府が推進した「全データバックアップ計画」は、対象(収穫者)にとって「効率的なインデックス(目次)作成」として機能した。


同期率: 99.8%(残る0.2%は「忘却」および「精神崩壊」により読み取り不能)。

アップロード状況: 個人の意識はクラウドへ移行した瞬間に「銀色の液体」へと転換され、ポイント・オメガ経由で外部ストレージ(高次元領域)へ転送を完了。


2. 地上の物理的現況

現在、主要都市および山岳地帯における「肉体」の状態は以下の通りである。


構造の変化: 全ての生物的個体(ヒト、家畜、野生動物)から「骨格」および「皮膚」が消失。

置換: 消失した組織の代わりに、一斉に開花した「ハクサンイチゲ」が血管系を模倣するように体内に充填され、光合成による微弱な生命活動を維持している。


音響: 地球全域の周波数が10Hz以下の低周波に固定。これにより、大気そのものが「カチ、カチ」という乾燥した振動を発している。


3. 「収穫者」の撤収

目撃情報: 衛星軌道上より、日本列島および主要大陸の影が、本体とは無関係な「数千本の指」の形に変容していることを確認。


物理的痕跡: 筑波宇宙センターを含む全てのデータセンターは、物理的な質量を保ったまま「透明化(位相のズレ)」を起こし、通常の手段では接触不能となった。


4. システム・ログ(最後の通信)

公共官房長官の端末より、自動送信された末尾のメッセージ:

「……我々は、整理された。痛みも、恐怖も、もうない。ただ、巨大な静寂の中に並べられているだけだ。……彼らが去った後、ここには誰もいない。次は、誰がこの『空っぽの図書館』を借りに来るのだろうか?」


5. アーカイブの封印

本報告書をもって、人類史に関する全デバッグ・ログを終了する。

これ以降、地球は「読み取り専用リードオンリー」のストレージとして管理される。


[記録終了]

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ