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SNSから離れて外の世界を見てみる

作者: 春々 ぱる

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私は気づいたらSNSを見ていた。常にスマホ片手に。

食事中も、寝る前のベッドの中でも。絶えることなく流れる投稿を延々と眺め続けていた。


画面に映っているのは、たくさんのいいねがついた、承認欲求にあふれた投稿ばかり。見ていくにつれて、心身が疲れていく。


そのたびに思う。どうして自分の投稿には反応がないんだ。自分もあの人みたいにいいねがいっぱいもらえる投稿を考えないと。そんな悩みが頭の中を支配していった。


私の休みの日は、SNSだけで終わってしまった。


悩みが尽きないまま、私は会社に向かった。


「元気がないですよ。どうかしましたか?」


私の様子に気づいた先輩が、声をかけてくれた。私は素直に悩みを打ち明ける。


「実は、SNSのフォロワーが全然増えないんですよ。自分には価値がないんじゃないかって思って。どうやったらいいねってもらえますか?」


と聞いてみる。


「フォロワーやいいねの数と、あなたの価値は、一切関係ないものですよ。投稿はあっという間に流れていくものだし、いいねがもらえるかどうかはSNSのアルゴリズム次第。私の考えだけど、何万人もの知らない人とつながるよりも、たった数人の身近な人とつながること、そっちの方が大事だと思いますよ」


「フォロワーやいいねで全てが決まるわけじゃないんですか……」


「その通りですよ。SNSをやるのがしんどいのであれば、休んだり、やめたりしてもいいと思います。私もこの前SNSをやめたら、心がすごく軽くなりました。SNSをやっていた時間で、散歩に出かけたら、リフレッシュできました」


「そっか……。やめるという選択肢、私にはなかったと思います」


「SNSをやる、やらないの権利はあなたにあります。SNSから離れて、外の世界を見てみたらどうですか?」


SNSをやること、それは自分を見失い、大切な時間まで奪ってしまう、麻薬のようなものだと自分には感じられた。私は先輩の言葉をメモするのだった。


私は少しずつ、SNSをやる時間を減らしていった。スマホの設定で、SNSに時間制限を設ける。すると思ったよりも気持ちが楽になった。フォロワーもほとんどいないからか、SNSをやっていなくてもSNSを気にすることは少なかった。


そして無事に週末を迎えた。休みの日、私は電車に乗って海に行った。綺麗な波の音を聞いて、私はあることに気づく。


これだ。今の私が求めているものは。いいねでもフォロワーでもない、現実の美しい景色。仕事とSNSで疲れ切っていた、私の心を波が洗い流してくれているのだ。


私は心からこう思った。


「先輩に悩みを打ち明けられてよかった。これからも悩みは積極的に相談しよう」


私は時間の許す限り海を眺め続けた。




私はその日以来、SNSを開くことはなくなった。


大切にしよう、現実のつながりを、景色を。

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