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趣味が同じって幸せだよね

作者: おでん

心優しい王様には秘密があった。何と王様の耳はロバの耳だったのです…国民がこの事実を知った時、思いもよらない方向へと進んでいく…

むかしむかし、ある国に、王様がいました。この王様はとても立派で、国民から慕われていました。しかし、一つだけ秘密がありました。

それは、王様の耳がロバの耳だったことです。王様はこの秘密を誰にも知られないよう、日々気を配っていました。


そんな王様でも髪を切る時だけは、ロバの耳を床屋に見せなければなりません。最初は躊躇っていましたが、髪の毛が長くなり過ぎたので、仕方なく、床屋を呼ぶことにしました。


そして、その床屋が王様の耳を見た時、心の奥底で何かが爆発しました。床屋は、実は重度のケモナーだったのです。


「なんて可愛いんだ、王様のロバ耳……!あの毛並み、あの形、この世のすべての美が詰まっている……!」


床屋は、その耳の愛らしさに心を奪われ、それを独り占めしたい気持ちと、皆に自慢したい気持ちの間で苦悩する日々を送りました。誰にも話せず、気持ちが抑えきれなくなった床屋は、ついに森の奥の大木の下に穴を掘り、その中に向かって叫びました。


「王様の耳はロバの耳!しかも最高に可愛い!もう、たまらんほどに愛おしい!」


その声は風に乗り、近くの音楽家の耳に届きました。その音楽家は「面白い話だ」と笛の歌に乗せて街中で演奏してしまいました。瞬く間に噂は広まり、国中の人々が王様のロバ耳の秘密を知ることになりました。


王様は激怒しました。


「国民全員の首をはねてしまえ!」と怒鳴り散らしましたが、民たちは意外な反応を見せました。


「王様の耳がロバの耳?なんて素晴らしいことか!」

「この国の王様が、ケモナーの頂点に君臨しているなんて、なんて光栄だ!」


実はこの国は国民も「隠れケモナー」だったのです。ロバ耳の王を知った瞬間、彼らの忠誠心は爆発し、王様を絶対的な存在として崇めるようになりました。そして床屋もまた、「王様の耳をもっと引き立たせる髪型を!」と涙ながらに提案しました。


王様も次第にロバ耳を誇りに思うようになり、包み隠さずロバの耳を見せる様になりました。


隠し事がなくなったことで、王様はより大胆な政策をする様になりました。国民も愛すべきケモ耳のため、粉骨砕身して王様につくすようになりました。


こうして国は団結し、大いなる繁栄を遂げました。そしてこの国こそが後に「大英帝国」と呼ばれるようになる、世界を代表する強国だったのです。

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