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第81話 気づき

 俺たちの降伏はいつでも認める。

 だが、それをするなら代わりに俺たちの家族を皆殺しにする。


 ムゲンソルジャーからのそんな宣言。


 ……恐怖はある。


 これで絶対に後に引けなくなった。

 勝つしかない。

 勝てなければ、死ぬ以外の選択肢はない。


 ……だけど。


 1つだけ、俺たちにとって有益な確証を得た。


 こいつは、逃げない。


 少なくとも、安易には逃げない。


 ……理由は。

 こいつは自分の手で俺たちを殺すか。

 もしくは自分が命惜しさに家族を見捨てた人間だという深い絶望に、俺たちを陥れたいんだろうと思えるからだ。


 だからここで逃げ去って、裏でコソコソと俺たちの大事な人を殺して回るようなことはしてこない。

 それでは俺たちから受けた侮辱で傷ついたプライドが回復しないんだ。


 コイツはそれが分かってる。

 ありがたい。


「お前は絶対に倒す!」


 だから俺は自分を奮い立たせるためにそう言い放ち、再度赤の戦士に変身する。


 そしてそのまま凍結攻撃を仕掛ける。

 いつもは足止めだから下半身を凍らせる程度のチカラを込めるけど。

 これは全身凍結させるつもりで。


 ……こいつにはテレポート能力があるからね。


 下半身凍結は何の意味も持たない。


 無論、コイツは水属性も併せ持ってるから、全身凍結させても数秒持たないと思うけど。


 それでも笹谷が電撃を浴びせる隙くらいは作れるはず……


 そのとき


 ムゲンソルジャーの姿が消えた。


 テレポートされた!

 どこだッ!


「桜田君後ろッ」


 即座に高瀬の言葉。


 俺かッ!


 前に飛び出し回避。

 飛行能力を併用して。


 飛び出しながら首を捻じり後ろを見ると、両手斧を振り上げたムゲンソルジャーが、一撃を加えようとしていた。


 その斧のゴツさ。

 間違いなく喰らえば腕や足、胴体が吹っ飛ぶ大きさ……


 まず俺に致命傷を与えようとしたのか。

 俺は1人で属性を3つ持ってるもんな。

 危ないと思うだろうし。


 だけど


「クソガァ!」


 俺に気づかれて。

 振り下ろしても空振りだったので、ムゲンソルジャーが怨嗟の声を上げた。


 ……危なかった。


 だけど……


 そこで俺は違和感を感じた。


 確かアイツ……


 テレポート前は片手斧を持って無かったか?

 それにだ。テレポート前には、アイツは俺と向き合ってた。

 なのに、テレポート後に速やかに俺の背後を取って……


 これって


 俺は羽ばたき、高瀬の傍に舞い降りて。

 手の中に剣を出現させ、構えながら


「なぁ高瀬」


 彼女の方を見ないで、訊いたんだ。


「なんスか桜田君」


 高瀬も油断なく大金槌を創り出して構えつつ、俺に応える。

 俺は


「……ムゲンソルジャーの、テレポート後の姿勢はどうだった?」


 それを確認したんだ。


 ひょっとしたら……


 ムゲンソルジャーにはテレポート能力は無いのかもしれない。

 そう思ったんだよ……

どういうことなんスか桜田君!?


読んでいただき感謝です。

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