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ヒーローブレス!~謎の紳士に変身アイテムを貰った俺は、普通の人を守るための戦いに身を投じるが~  作者: XX
第1章 赤い戦士

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第7話 変身

戻って来た腕時計のようなもの

 捨てたはずなのに!

 何であるんだ!?


 混乱したけど。


 キミにはヒーローになる資格がある!


 ……あのとき。

 あの謎の紳士が俺にそう言った。


 この状況。


 迷っている暇は無かった。


 俺は自分が現在いましている腕時計を手早く外し、乱暴に制服のズボンポケットに突っ込んで。


 その赤い腕時計モドキを素早く巻いたんだ。


 すると……


 頭の中に、情報が流れ込んで来た。




 赤のヒーローブレス。

 モチーフが鳥のヒーローに変身できる。

 備える五行思想は火。熱に関する特殊能力を持つ。


 変身すると身体能力が強化される。

 鳥モチーフであるため、飛行能力あり。


 扱える武器は……刀剣類。




 ……なんだって?

 俺は、この腕時計モドキ……ヒーローブレスが何の道具なのか、強制的に理解させられた。

 これはどうも、ヒーローに変身する道具らしい。


 そして、どうも……

 この道具、誰かに譲渡しない限り、捨てられないようだ。

 捨てても、必ず手元に戻って来るんだと。


 まるで呪いのアイテムみたいだな。

 まぁ、今はそんなくだらないことはどうでもいい。


 変身だ!

 どうすれば変身できる!?


 見れば、牛鬼はもうすぐ道路を横断してこっちにやってくる。

 それまでに、アイツを倒さなければならない。

 道路を横断してアイツがこっちにやって来て暴れたら、この人たちがどうなるか分からないんだ。




 変身について。

 安全のため、強い意思表示がなされない限り、基本的に変身は不可能です。

 推奨行動……発声を伴った変身ポーズ。




 変身したいと思った瞬間、脳内に今の情報が流れ込んで来た。

 なるほど。


 ちょっと「変身するか」と軽く思っただけで変身していたら、日常生活に支障をきたすかもしれないしな。

 そういう安全装置は、あるのが自然かもしれない。


 変身ポーズ……変身ポーズか……


 そこでふと、高瀬に薦められて視聴したヒーローアニメ「マスクドファイターカープ」を思い出した。

 父親から鯉の能力を与えられて、淡水生物の能力を持つ怪人集団「アクアンズ」から人類を守るヒーローの物語。

 主人公はアクアンズに母親を攫われても、父親を殺されても、決して挫けずに立ち上がるんだ……


 あの主人公は確か、こんなポーズで変身していた。


 俺は両腕を顔の前で十字にクロスする。

 左手に巻いたヒーローブレスを敵に示すように。


 そして


 強く変身をイメージしつつ、言葉を発する。


「変身!」


 俺がその決断を示す言葉を発した瞬間。


 俺の身体が発光し。


 光が消えた後、既に変身は完了していた。


 ……鏡が無いから全体像は分からないけど。

 多分、子供のときに視聴していた戦隊ものヒーローに近い姿なんじゃないのかと思う。

 あまりゴテゴテした装甲はついてない。

 極めてシンプル。

 基本カラーは「赤」だ。


 そして、背中に何かある感覚があった。

 ……おそらくだけど、これは翼だ。

 鳥モチーフって言ってたし。


 なので羽ばたくことを考えたら、背中の何かがその通りに動く感覚があり


 俺の身体は舞い上がった。


 ……飛んでる!


 停止した世界を見下ろし、それを実感し


 視線を道路に向けた。


 牛鬼が、何台もの車が行きう状態で停止している道路に入り込んでいる。

 そしてまっすぐにこっちに……


 ……させるか!


 俺は羽ばたき、牛鬼に向かっていく。

 この場に居る人たちを守るために。


 その俺の手の中に、一振りの剣が出現した。


 見た目は西洋剣に近い。

 鍔が平たくないタイプ。

 ただし、1メートルほどの長さの剣身は片刃で。

 日本刀に近かった。


 そういえば、刀剣類が扱えるんだっけ。

 俺はそう思いながら、剣を両手で握り、八相の構え……時代劇でよく見る構え……を構える。

 そして構えたまま突っ込んで、牛鬼に斬りつけた。


 ……やってやる!

次回、初戦闘。

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