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第44話 麗しの白虎

「なんだと!?」


 須藤は発狂する。

 何で俺のヒーローブレスをキモいオタク女にやらなきゃならないんだ、とか。

 そのブスにヒーローブレスが渡れば、絶対に俺を殺しに来るだろ、とか。


 喚き散らす。


 ……あのさ


「お前に選択権は無いんだよ。……譲るのが嫌ならお前を殺そうか? ……いくらお前が馬鹿でも、ヒーローブレスの力を使えば死体遺棄なんて余裕で出来て、完全犯罪も夢じゃ無いことくらい想像できるよな?」


 殺してしまえばこいつの所有権は消滅する。

 それならば、後からブレスを拾った者に所有権が自動的に発生する。


 ……このぐらいの発想は誰でも出来るし。

 こいつの中の俺は、そのくらい平気でやる人間だろうから、脅しとは思わんだろうさ。


 すると


 須藤は真っ青になった。


 ヒーローブレスの譲渡を拒否したら殺される。

 そう、理解したんだろう。


 なので数瞬後


 須藤は白いヒーローブレスを高瀬に向かって差し出した。


 高瀬は近づき、手を伸ばし。

 そのとき須藤が


「俺のヒーローブレスの所有権を、この女に譲ります……!」


 血を吐くような声音で宣言した。

 ヒーローブレスを手放しながら。


 須藤が手放した白のヒーローブレスを手にした高瀬は


 早速左手首にそれを巻き。


 何やら凝ったポーズを取り


「チェンジ! タイガーソルジャー!」


 変身を宣言。

 すると高瀬は光に包まれて……


「おおお……」


 一瞬後、小柄な白い虎の戦士が誕生する。

 高瀬が変身した虎の戦士だ……!


 須藤の変身時間が余っていたから、出来た検証作業。

 これで確実に、白のヒーローブレスは高瀬のものになった。


「麗しの白虎っすよー!」


 高瀬は嬉しそうだった。

 拡大された身体能力を楽しむために走り回ったり、ジャンプしたりしている。


 対して須藤は悔し涙を流し、恨めしそうにそれを見ていた。




「これで私も仲間ですねェ」


 そして全てが終わり。

 俺たちは3人でドーナツ屋に入り、1つのテーブルを囲んで今日あった出来事を話していた。


「ブレスが悪用される前に、私たちで対処出来て良かったね」


 笹谷も嬉しそうだ。

 この町の厄介者をやり込めてスカッとしたのもあるだろうけど、本心で「危ない奴から危ないモノを取り上げられて良かった」そうも思ってるんだろうな。



 ……あの後。

 俺は須藤に「異空間からの帰還に巻き込んで欲しければ、俺たちの質問に答えろ」と言い、色々質問攻めにした。


 例えば「俺の凍結攻撃をどうして初見で回避できたんだ?」

 こんなことを。


 これに関して、須藤は


「俺にブレスをくれた男が、桜田の十八番オハコにそういう拘束技がある。突然立ち止まったらそれを疑え。そう言った」


 他には、赤と青のヒーローブレスの保持者が俺と笹谷である。

 これも教えて貰ったらしい。


 ……何者かは知らないけど……俺と笹谷に対するコイツの襲撃が少しでも上手く行くような情報を狙って渡している感じ……


 本当に……何者なんだ? そいつは……?

ここで第3章終了。

次回から第4章です。


読んでいただき感謝です。

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