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ヒーローブレス!~謎の紳士に変身アイテムを貰った俺は、普通の人を守るための戦いに身を投じるが~  作者: XX
第3章:邪悪なる白虎

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第30話 異空間での通話

「えっ」


 こんな夜に、異空間転移?


 何で?


 思わずベッドから起き上がり、周囲を見回す。


 妖怪、妖怪が居るのか?


 ちなみに俺の部屋は2階なのだけど、異空間転移が起きた瞬間に下に落ちるということはなく。

 壁は通り抜けようと思えば抜けられるのにな。


 これはおそらく、その気になれば異空間に見えてるものを触って、こっちに引き込むことが出来ることと関係あるんだろうな。

 足場にしてるものとか、寝ているものは「触れようとしているもの」としてカウントされるんだろう。

 だからすり抜けて落下が起きない。


 でも、覚悟を決めて抜けようと思えば壁抜けはできるので……


 俺は壁に頭を突っ込んで、外を見た。


 外には……


 特に異変は無い。

 外に見上げ入道が居るとか、うわんが暴れてるとか。


 そんなのは無い。


 静かなもんだ。

 静かな、モノクロの、暗い住宅地だ。


 ……居ない?


 頭を引っ込める。


 そのときだ。


 ブーン、ブーンという音が聞こえた。


 ……えっ?


 何か、俺のスマホが着信でバイブしていたんだ。




 スマホを手に取る。

 電話の相手は「笹谷」とある。


 えっ……?


 笹谷……?


 いや、そうじゃなくて。

 異空間で、スマホを使えるのか……?


 まぁ、現にこうして電話が掛かってきているんだから使えるんだろう。


 これは新しい発見だな……


 俺は通話をオンにする。

 すると


『もしもし桜田君?』


 笹谷の声が聞こえて来た。


「笹谷か、そっちに妖怪いる?」


 一番の関心事を訊ねると、笹谷から『ううん』という言葉が返って来て、続けて


『でも、いきなり夜に異空間転移なんて、これまで無かったよね。どういうことかな?』


 そんな質問が

 でも、そんなことを言われてもさ


「分からん」


 正直に口にする。

 こう答えるしか無い。


 この力を得て結構経つけど、別に俺はこの道のエキスパートじゃないんだ。


 で、沈黙。


 ……なんだか、焦りを感じる。

 いや、別にダベるために電話してるわけじゃないけど


 すると、向こうも何か沈黙を悪と感じたのか


『……あのさ、桜田君は別にクラスの他の人たちに嫌われて無いからね?』


 なんか、脈絡なく俺の環境に関する話を笹谷が


 俺としては


「ええ? 何だいきなり?」


 戸惑うしかないわけで。

 だけど


『ああ、ゴメン。何を言ってるんだって思うかもしれないけど、ひょっとして誤解しているのかなって思ってて』


「そういうことは無いから」


 言いながら、これは自分が人気者であることは知ってるから心配いらん、って聞こえるかもしれないなと頭の片隅で思った。

 誤解されたら嫌だなと思ったが、訂正も面倒だ。


 どうすっかな、と思いながら


「もしクラスの皆が俺に消えて欲しいって思っていたなら、署名は集まらないだろ」


 それを根拠に出した。


 ……校長が無視できないだけの俺を庇う署名。

 それの出所を考えたら、そういう結論になるよな。


 だから俺が孤立しているのは、偏に地元の名士の恨みを買って、この県内で生きていけなくなるのが怖いからだ。

 実際に影響なんてあるわけない、なんて口で言うのは簡単だけど、普通の人は万分の1でも、リスクは負いたがらないもんだし。

 俺と交流持つことが、そのリスクに見合うだけの価値が無かった。それだけの話。


 そんなことを電話で言ったら


『桜田君は優しいよね』


 ……なんかそんなコメントが。


 優しい?

 何が?


 周囲の人間が満点行動を取らないからと、恨みに思わず許してるから?


 ……いや、笹谷。


 別にキミに文句があるわけじゃないけどさ……


 満点じゃなきゃ、文句を言う。


 それは絶対違うだろ。

満点以外評価する必要は無いってのはおかしいね。


読んでいただき感謝です。

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