表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/88

第18話 全体朝礼にて

 今日は週はじめの日。

 つまり月曜日だ。


 月曜日は全体朝礼がある。

 ゾロゾロとクラスの連中が体育館へと移動していく。


 他のクラスメイトは友人同士で誘い合って行くんだけど。

 俺は1人だ。

 避けられているからね。


 まぁ、しょうがない。


 高瀬はこの状況で男の俺を誘う度胸無いし。

 笹谷は人気者だから、女子と行くだろ。


 だからまぁ、諦めて1人で行く。

 しょうがないしょうがない。


 教室を出て数分歩き、校舎を出て体育館に。


 体育館の傍には校庭があり、陸上のトラックや、サッカーのゴールが見える。


 ……今日の天気は曇り。

 雨が降らなきゃ良いんだが。




「生徒会より連絡です。最近、服装の乱れが校外の方々に指摘される事例が多く……」


 全体朝礼。

 毎週のことだけど……

 そのプログラムは


 校長の講話、専門部からの連絡、そして生徒会長による全校生徒向けの連絡。

 この3つが鉄板で、あとはランダムで他の教師の話が入ったり、新任の先生の自己紹介が入ったり。


 まあ、そんなこんなで30分から40分で終わるんだけど。


 今、壇上で大声で連絡事項を話しているのが生徒会の生徒会長。

 その名も西下にしもと正義まさよしさん。

 聖心高校3年生。


 眼鏡を掛けた高校生男子で、知的な印象がある。

 髪型は爽やかな長さで、顔も悪くない。

 実際、女子には結構モテるみたいで。男もこの人には一目置いている。


 かくいう俺もな。


 ……この人にはあのとき世話になったんだ。

 俺があのクズを思わず衝動的に殴ってしまい、前歯をへし折ったせいで


 向こうの親が


「こんな暴力生徒は退学にしてください! その後訴えてやるわ!」


 って大騒ぎをしたとき。

 生徒会長が騒ぎを聞きつけ


 俺が普段、どれだけあのクズに嫌がらせを受けて来たのかを署名を集めて来てくれて。

 それを校長に提出してくれたんだ。


 そのときあの人は「声が大きい人間が勝つ世の中は間違っている」って言ってたな。

 向こうの親はそれを知って「そんなの絶対捏造よ! 違うというなら名前を公表しなさい!」ってさらに騒いだけど、色々あってそれは無駄にはならなかった。


 あの人を含めて、色々な人の善意の結果で俺の今がある。

 ありがたいと思う。


 ……笹谷は俺に「善い人」なんて言ってたけど。

 そういうのは、あの人みたいな人のことだろ。


 己の信じる正義を貫くために、必要なときに勇気を出して他人を助けられる。

 ああいう人のことを言うんだよ。


「誤解がある生徒が多数いるようですので言いますが、確かに校則の服装に関する規定はだいぶ削除されました。しかしそれは自由にやっていいと……」


 西下会長はメモにたまに目を落としながら、ウチの生徒の服装の乱れを校外住人に指摘された事件から、自覚を促す話をしてる。

 固い話で、正直ちょっと退屈だけど、俺はまあ、不義理にならないように真面目に聞いていたんだ。


 だけど

 そのときいきなり


 ギチッ


 世界がモノクロになり。

 音のない音が聞こえ、異空間転移が起きたんだよ。

朝なのに何故起きる異空間転移?


ここまでの物語を面白いと思って下さった方、評価、ブックマークをいただけますと大変うれしいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
感想をいただけましたら必ず返信致します。
些細な感想でも頂けましたら嬉しいです。
ブクマ、評価、いいね等、いただけましたら感謝致します。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ