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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

蝋人形はいつまでも

作者: ミディア寝子

〜そこには手をのばす少女がいた 夢や希望…手に入れられなかったものを求めていた〜

 …ユメか?

小さい少女が泣きもせず笑いもせずただ手を伸ばしている姿

目が離せない 離したくない

いつだったか…こんな光景を見たことがあるような気もする


 いつもどおりの日々

なのになぜか今朝のユメが頭から離れない

あれはユメだったのか?少女は何をしたかったのか?なぜ感情の見えない顔をしていたのか?

疑問ばかりが浮かんでくる

いつの日もユメは自分の思いと全く関係ないものだ

自分の夢はいつもユメには出てこない

ユメなんて…そんなものだ

いつもよりも鮮明なユメを…考えないようにしながら今日も一日を送った


〜少女は長い髪をひとくくりにしていた 少女は繰り返す「I wanted…」「I wanted…!」〜

 …何を?

「欲しかったの」「欲しかったのよ」と、いつまでもつぶやき続ける少女

一体何を欲していたのか

私には分からない…分からないはずだ


 今朝のユメは昨日のユメの続きなのではないか

そう思うと急に恐ろしくなってくる

いつまでこのユメは続くのか

明日は一体どんなユメになるのか

怖いのは嫌だ…怖いのは嫌だ……!しかし、私はどうしてこんなユメを見ているのだろうか

忘れられないユメに苦しみながら一日を過ごした


〜暗がりに一人佇む少女 周りには光が...いや、あれは光ではない…あれは〜

 ……虫!?

少女の周りに飛び交っている数多くの虫達

少女は…目を開けたまま動かない

少女の肌は白く固まっている

まるで蝋燭を溶かしたような…動かない唇の下から繰り返しつぶやいている


 また…また、このユメだ

少しずつ鮮明に

少しずつ新しく

一体、私に何を伝えたいのか

でも、私には何も伝わらない

ただ、私が怖がるだけ


少女は誰に伝えたいのか

いつまでも

つぶやいている…呟いている……ツブヤイテイル………


〜「It’s mine.It was………」小さくなっていく少女の声 己の言葉に自身がないのか〜

 …憎い?寂しい?虚しい?

少女の顔は憎悪にまみれている

ソレは私のもの ソレは私のものだった…ソレは私のもののはずだった……

はずだったのに…!

少女の思いが伝わってくる

声が聞こえずとも流れ込んでくる

聞きたくない…ききたくない……知ってるから

分かっているの…知っているのよ

私もそうだったもの


 ふとしたことで蘇る思い出

失くしたかった記憶

幼い頃に出来てしまった”クロレキシ”

これは過去の私

これは現在のユメ

これは未来の話

いつの時代にも…

永久に繰り返される

いつまでも…いつまでも…いつまでも……

誰しもが思うことを…

憎しみ…妬み…忌み…嫌い…他人を嘲笑う日々

いつしかは忘れられるオモイデ

いつまでも…いつまでも、今日も貴方の”ユメ”にヨミガエル

お読みくださりありがとうございました

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