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7話 天使の迎え

何件かブックマークをつけていただいてありがとうございます!

励みになります!

 旅を初めてから3日が経った。

 順調に森の中を進んでいき、既に、ミネルヴァ聖王国領に入っているはず。

 性格なことは分からないから勘でしかないけど。

 太陽はすでに頂上を回っている。

 この三日間で困ったことは、ユキが駄々をこねることだ。

 彼女は一度不機嫌になると、復帰するまでかなり時間が掛かる。

 この三日間は俺があとでスイーツを奢ることで我慢してもらっている。

 俺の貯金が・・・

 後でこっそりおいしいお店に行こうと思ったのに。

 そうこうしている内に、森の終わりが近づいてきた。

 目の先には、三日ぶりの太陽の光が見える。

 「あ、あの光は!」

 ユキがいち早く察知し、早歩きで俺たちの前を行く。

 俺たちもあとを追いかける。

 「やっと出たー!んー気持ち―!」

 三日ぶりの日差しは目に染みる。

 俺はもう一度みんなの気を引き締める。ついつい達成した気持ちになってしまったが、目標はミネルヴァ聖王国だ。まだ王国まで距離があるから、気を引き締めていこう。

 そんなことを考えながら、二人に声を掛けようとしたとき・・・

 「!!」

 突如、進行方向から強大な気配を感じた。段々と気配が近づいていることから、こちらに向かってきてるのが分かる。

「エレス様、正面から強大な気配を感じます。」

 ユウの緊迫した声が俺の耳に届く。緊張が辺りを支配する。

 距離が離れているため、正確に相手の強さは分からないのが痛い。

 二人が居れば余程のことがない限り大丈夫だろうが、俺が足を引っ張る可能性が高い為、敵の全容が掴めるまでは気が抜けない。


 敵は空から来ているらしい。距離が近づいて、正確に測れるようになってきた。肉眼でも姿が見える。

 数はかなり多く、ざっと30人はいる。しかも、かなりの手練れのようだ。

 俺はこっちに来る敵を見る。

 どれどれ、白い翼にがありそれから、頭には輪が浮いている。

 あの姿って・・・

 天使じゃない?



 予想通り天使だったようだ。

 俺たちの頭上まで来た天使たちが降りてきた。

 「お久しぶりでございます、ゼウス様」

 着地するなりすぐさま跪く天使たち。

 今の俺たちの姿って天界の頃と変わってるはずなんだけど、なんで俺って分かるのかな?

 あれか。やっぱり滲み出るオーラは隠せないのかな。

 それだとしたらかなり困るんだけど。

 先頭の七人を筆頭に綺麗な台形に整列している。

 先頭の七人はおそらく最上級天使・・・熾天使(セラフィム)だろう。

 緊張がこちらに伝わってくる。

 「あ、うん。久しぶり。元気してた?」

 「はい。日々平和に過ごしております」

 堅苦しい。もうちょっと柔らかかったら接しやすいのに。

 「どうしてここに?」

 「はい。森よりゼウス様がこちらに向かっていると聞き、馳せ参じた次第でございます。」

 「どうして俺がいるってわかったの?」

 俺は疑問に思ったことを聞く。彼らの言い分を聞くに、森から俺たちが来るのがわかってたみたいな言い方だった。しかし、俺のことは何も知らないはず。

 「三日前から森よりユキ様とユウ様の強大な魔力を感知しておりました。しかし、お二人はゼウス様を探しに行かれていたはず。こちらに帰ってきておられると言うことは、ゼウス様を発見した可能性が高い。と、アテナ様が考察しており、それを確かめに来た次第でございます」

 あー、つまり、俺がユキとユウを調子乗らせて大きな技えを使ってたのが裏目に出た感じかな。

 「なるほど。ところで、俺がいたことはまだアテナに伝えてないよね?」

 実はアテナにサプライズを計画していたゼウス一行。ギリギリまで姿を隠し、最後にゼウスを見せることで、アテナを驚かそうとしていたのだ。

 ところが、今の俺を探しに来た発言。計画の成否に係わるため、とても見逃せるものではない。

 「いえ、ゼウス様のお姿を確認した瞬間に、ガブリエルが伝達いたしました。」

 おい!何やってんの、ガブリエル?全て台無しになったんですけど?!?!

 このサプライズのために三日間、穏便に歩いてきたこと無駄だったと聞いたユキは絶望した表情してるし。

 「う、嘘だろ」

 思わず声を漏らしてしまう。

 「な、何がお気に召さないことでもございましたでしょうか?」

 俺の声にあわてた様子で聞き返すのは、ミカエル。天界で天使長をしていた男だ。

 真面目なのは今も変わらない。

 「いや、アテナにサプライズしようとしたんだけど・・・」

 「なんと!それはアテナ様も大層お喜びになられることでしょう」

 それがいま全て吹き飛んだんだよ。とは言えない。

 ここでそれを言ってしまったら、タルミエルやほかの天使の面々の取り乱しがすごいことになりそう。

 「ありがたきお言葉、至極恐悦にございます。」

 うんうん。言わぬが仏。 

 「ところで、移動はどうされる予定でしょうか。馬車を待機させております。よろしければ、お乗りください。」

 本来は歩く予定だった。

 しかし、計画がバレてしまった今はどうでもよくなってしまった。

 さらに、こっちにはユキという我が儘お姫様がいる。

 目の前に甘い蜜があるのだ。

 その誘惑に乗らないと後が大変だろうからな。絶対グチグチ言ってくる。

 「じゃあ、ぜひお願いしようかな。」

 「わかりました。では、こちらにお越しください。」

 案内についていくと、そこには翼と角が生えた白馬、ペガサスと金の装飾が施された馬車が待機していた。

 「こちらへ」

 馬車の扉を開けてもらい、中へ入っていく。

 外見では予想できないほど広かった。

 その大きさは貴族屋敷にある部屋みたいだった。

 これは空間魔法が使われているからだろう。

 空間魔法はその名の通り、空間に作用する魔法で、人間の使い手は限りなく少ない。

 「うわー、広いですね!」

 「中の家具も全部最高品質のものばかりです」

 確かに、名匠が作った調度品の数々がこの空間に飾られている。

 この馬車って重鎮用の乗るようじゃない?

 「では、出発いたします」

 


 中は非常に快適だった。

 窓の外には綺麗な景色広がっていた。

 馬車の周りには天使たちが並走している。熾天使の面々は前後に三人ずつ、先頭に一人。

 かなりの厳重警護だな。


 不意に目の前から、トカゲのような見た目の魔物、ドラゴンが現れた。

 本来ならドラゴンが出たならこんな呑気にできない。

 しかし、今は天使がついてるという絶対的安心がある。

 だから全然怖くない。

 天使が一人飛び出していった。

 あれは・・・ガブリエルだな。

 飛び出していったガブリエルが口を動かしたと思ったら、急にドラゴンが苦しみだした。

 ガブリエルのスキル『神告(しんこく)』の技の中の死の歌(デスソング)だろう。

 確か、魔力を纏った振動を伝えることで、相手を倒すスキルだったな。

 その強力性は、自分の魔力を下回ってるやつ全員に対して絶対有利があるところ。ガブリエルは熾天使(セラフィム)であり、魔力量は天使随一。

 そんな彼女から放たれるスキルは、強力以外の何物でもないだろう。

 動かなくなったドラゴンは、下に落下していく。

寒いですね~。

ようやく冬も本番になってきました。

体に気を付けてお過ごしください。

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