5話 入学式と明日へ!
なるほど。
話を聞く限り、どうやら力を抑えるだけじゃ隠しきれていないらしい。
なんでも、魔法を使うときに俺特有の魔力を感じるみたい。
えー何それ、知らなかったんですけど?
俺、最高神よ?この世界を創って、様々な規律や現象、その他すべてのこと決めたのよ?
なんで知らないことがあるわけ?
調べておかないとな。
更に言うと、さっきの魔法行使で、一部の神には気づかれたとのこと。
別に、いいけどね!どうせみんなに会いに行く予定だったし。むしろ、俺が地上にいるって事を示していて良いかも知れない。
「お前たちはこれからどうするんだ?俺としては明日から早速、いろんなところを回ろうとしてたんだけど・・・」
あって早々聞くのも変かもしれないが、気になった。
学園が楽しみなのは本当だけど、旅したいからね。
学園は行事を楽しむだけで良しとしよう。
ちなみに、今の発言は絶対についてくると分かった上で言っている。
一応聞いておかないとね。彼女たちにもこの世界では自由に過ごしてもらいたい。
ここは天界と違うのだ。
神の階級も今ではほぼ意味をなしていないはず。だから無理に俺に付き従わ無くてもいいのだ。
そんな思いも込めて聞いたのだが・・・
「是非、お供させてください!そのために探したんですし、私の居場所はゼウス様の元以外ありませんので!」
「よろしければ、お供させていただきたく思います。私もユキと同様、ゼウス様から離れるなど考えられるはずがありません。」
だよねー。二人は俺のことをすごく慕ってくれている。天界でも常に隣にいてくれて、とても頼りにしていた。正直なところ、二人がついてこなかったら結構心にきてたと思う。
矛盾じゃないからな!
彼女たちが思うように俺も、二人のことが大切な存在だと改めて認識できたな。
少しだけ頭のネジが外れることがあるが、それはご愛嬌。
「二人ともそう言ってくれるとすごく嬉しいよ。これからもよろしくな、ユキ、ユウ!」
「「はい!」」
さあ、やってまいりました、城下町!
学園があるのはウィスドン王国で一二を争う大都市、サージだ。
お互いの信頼を再確認したら、お腹が空いてきた。
丁度お昼の自由時間なので、折角だからみんなでお昼を食べようということになり、今に至る。
いろんなお店に行きたいが、まずは腹ごしらえだろう。腹が減っては戦はできぬ。
「観光したい気持ちもあるが、まずはご飯にしようと思うんだけど、どこがいかな?」
俺は行きにお店を見れなかったから、どこにどんなお店があるかは全くわからない。そのため、できれば彼女たちに決めて貰いたかった。しかし、俺が直接言えば遠慮してしまうだろうから、敢えて遠回しに言ってみたのだ。
「それでしたら、通りにあるカフェなんてどうでしょうか。最近流行っていて、美味しいとよく聞きます。」
さすが、ユウ。
遠慮せずに意見を述べてくれる。意見が必要な時は躊躇わずに言ってほしいよね。
それにしても、カフェか。昔もあったが、余り美味しくないって聞いてたんだけど・・・
「あ、知ってるそれ!確か、保食ちゃん、のお店でしょ!」
「え、保食ってあの保食!?」
保食は食べ物の神だ。300年前は俺の腰ぐらいだったのに、今ではお店を持つようになったか・・・
300年経ってるから、成長していることは当たり前のことなんだけど、ちょっとショック。
子供の成長は早いなぁ。
できれば可愛いままでいてほしいな。
「いいね、そこにしょう」
「場所は私が知っておりますし、今はまだ人がそんなに多くないでしょうから、ゆっくり行きましょう」
「わーい、いっぱい食べるぞー!」
お店を出て開口一番に感想を口にするユキ。
確かに美味しかった。
「ふぅ、美味しかったー!」
店を出て早々にユキが満足気に言う。
確かに、物凄い美味しかった。
食材からこだわりを持って選び、料理一つ一つが素材の良さを最大限引き立てるように作られている。料理が主役ではない。食材が主役であり、料理は補助をしてるだけ。
なんか、カフェで出てくるクオリティじゃないよね。
普通に王宮で出てきてもおかしくない。
「次は、服やさんに行きましょう!新作の洋服が今日発売されるらしいので、一度行っておかなければ・・・!」
「はいはい、そんなに急がないでも大丈夫だから、ゆっくり行こう?焦ると転んで怪我するよ?」
「私は、もう子供じゃないですよ!」
いや、だってね?
どう見ても言動が子供だし、そもそも俺からすればみんな子供なのだ。
子供扱いするのが無理なのである。
「結局見れなかったじゃないですか!!ゼウス様がゆっくりとか言うからですよ!」
あれから新衣装を見る間もなく、最初の場所に戻ってきてしまった。
そんなに時間がそんなになくて、カフェに行って戻ってくるだけで時間になってしまったのだ。
ちょっと申し訳得ないことをしたかも。
まあ、時間はたくさんあるし、また今度行けばいいよね。
そうこうしている内に先生たちが校舎から出てくる。
「これから入学式になります。会場まで誘導しますので、着いてきてください。」
その言葉を皮切りに校内へ進んでいく先生。
生徒たちは後れを取らないようにと慌てて着いていく。
着いた場所は大講堂。辺りは暗く、緊張がこの空間を支配していた。
少し回りを見渡すと、すでに隣の人と談笑を繰り広げているところもチラホラ。
いいね〜。楽しそうで。
明日から学校をサボろうとしてる奴がいうセリフではない。
そんなことを考えている間に、前のステージ上に先生たちが出てきた。
ざっと見る限り30人はいる。しかし、これだけじゃないだろう。その証拠に、さっきの試験管たちが一人もいない。
個々の魔力量は強大で、精鋭揃いということが分かる。
ひとりの老人が前に出てくる。そこには拡声器と呼ばれるものが置いてある。数年前、音楽の神と鍛冶の神が共に作り上げたらしい。
神同士が協力して一つのものを作る。これは、天界ではなかなか見なかった光景だ。
成長を感じれて嬉しい限りだ。
そこからは、長々とした世間話が続いた。
要約すると、えーっと、老人は校長で、メーティスの子らしい。それから・・・この学園は結構自由だけど、努力を忘れずに頑張ってほしい。だったかな?あとは、説明とかだったから、関係ないと思って、スルーしてた。
ああいう話を真面目に聞くのは少数だろう。その証拠に、普段真面目なユウが最初から聞く気がなかったユキと一緒に雑談してた。
この後、クラス分けが発表されて、教室で少し先生の話を聞いた後、すぐに解散になった。ちなみに、毎年試験管たちが一年生の担当になっているそうだ。
俺らの担当は禿頭の先生で、最初に説明をしてた人だ。名前はバルトって言うらしい。
明日が最後の顔合わせになるかもしれないが、よろしくね!
次から、世界を周ります。戦闘シーンも多く描きたい!




