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15話 後から来るものと次の場所

 最初の国が終わった。

 アテナと別れるときは何も感じなかったはずなのに、今は悲しい気持ちが心の中を占領している。

 もうミネルヴァ聖王国を出てから数時間が経とうとしているのに、時間が経過するごとに強くなる。

 外は今のゼウスを示すかのごとく真っ暗だった。

 唯一の灯りは目の前で燃えている火の光のみ。

 しかしそれも弱弱しく、今にも消えてしまいそうで・・・

 「もうそろそろ寝床に入りませんか、ゼウス様。かれこれ三時間近くもその火を見つめておりますし、体調を崩されてしまいますよ」

 「・・・もうそんなに時間が経ったのか。ユウに言われるまで気づかなかったよ。分かった、寝ようか」

 普通、外が暗くなっていたら気づく。

 今日はゼウスのことを気遣っていつもより早く野営の準備をしていた。

 それなのにゼウスが気づけなかったのは、よほど衰弱している証拠だろう。

 本当はまだ寝る時間まではあるのだが、いつもと様子が違う主を見かねたユウなりの配慮だった。

 座っていた場所から立ち、空間が拡張されたテントの中に入っていくゼウス。

 「ゼウス様、無理をなされなければよいのですが・・・。それにしても、ユキはゼウス様がこんな状態なのを知らずに一人だけ先に寝るとは・・・、後でキツイ躾が必要なようですね。」

 ゼウスのことを考えながら、今も大きな鼾をかきながら寝ている妹に怒りを覚えるユウ。

 翌日、目の下に大きな隈を付けたユキがテントの中から出てきたときは、心底驚くゼウスであった。




 「ねえ、まだですかー?あと何時間歩けばいいんですかー?疲れたんですけど?つーかーれーたー」

 アテナと別れた日から今日で一週間と3日が経とうとしていた。

 ここまでは、夜以外まともに休憩を取らずノンストップで歩いていた。

 このころになると、悲しみは消えており、新しい場所への期待と興奮に燃えているゼウス。

 ちなみに、荷物は全て空間の狭間に入れてあるので手ぶら状態だ。

 一見すると、旅をしているようには見えないだろう。

 「はいはい。もう少しで着くから、我慢しろ」

 「えー」

 三日前までは良かったんだけどな。

 一昨日ぐらいから限界が来たのかずっとこの調子なんだよな。

 それでも、前に比べると大分よくなってはいるので、引き続き頑張ってもらいたいものである。

 前回は三日も持たなかった。

 でも、流石にずっと歩くのも時間が掛かるし疲れる。

 次のところでは、何か別の移動手段が欲しいものである。

 「そういえば聞いておりませんでしたが、次の目的地はどこなのでしょうか。進む方角的に日和帝国なのではと思いましたが、帝国にしては少し遠回りな気がします。」

 「お、勘が鋭いじゃないか。次に行くところは二人にも所縁がある場所だよ。寧ろ、俺より縁があるかも。」

 「ゼウス様よりですか・・・」

 自分たちと交流が深いと知り、思考に更けるユウ。

 考えてる顔もすごく絵になっている。

 「私たちの方が仲がいいってコト?むむむ・・・」

 残念な方の美人が勝手に仲がいいと解釈してる。

 ユキってちょっと会話するだけで友達になったと思うタイプの神なのかな?

 けど、あいつってなぜか天界の神と俺より仲がいいことがあったから、すぐに友達になれるのかもしれない。

 「あ!分かったー!ユズちゃんでしょ!」

 「正解。な?俺よりも縁があるだろ?」

 「縁があるというか、姉妹ですから。そういう次元を超えてますよ!」

 「それもそうか」

 

 九重騎士であり、神狐三姉妹の二女。

 それが次に会おうとしている神の名だ。

 ちなみに神狐三姉妹の長女はユウで三女はユキだ。

 この三姉妹はいつも仲良く俺の傍にいてくれたんだけど、ユズは中でも大変だった。

 俺 最初の国が終わった。

 アテナと別れるときは何も感じなかったはずなのに、今は悲しい気持ちが心の中を占領している。

 もうミネルヴァ聖王国を出てから数時間が経とうとしているのに、時間が経過するごとに強くなる。

 外は今のゼウスを示すかのごとく真っ暗だった。

 唯一の灯りは目の前で燃えている火の光のみ。

 しかしそれも弱弱しく、今にも消えてしまいそうで・・・

 「もうそろそろ寝床に入りませんか、ゼウス様。かれこれ三時間近くもその火を見つめておりますし、体調を崩されてしまいますよ」

 「・・・もうそんなに時間が経ったのか。ユウに言われるまで気づかなかったよ。分かった、寝ようか」

 普通、外が暗くなっていたら気づく。

 今日はゼウスのことを気遣っていつもより早く野営の準備をしていた。

 それなのにゼウスが気づけなかったのは、よほど衰弱している証拠だろう。

 本当はまだ寝る時間まではあるのだが、いつもと様子が違う主を見かねたユウなりの配慮だった。

 座っていた場所から立ち、空間が拡張されたテントの中に入っていくゼウス。

 「ゼウス様、無理をなされなければよいのですが・・・。それにしても、ユキはゼウス様がこんな状態なのを知らずに一人だけ先に寝るとは・・・、後でキツイ躾が必要なようですね。」

 ゼウスのことを考えながら、今も大きな鼾をかきながら寝ている妹に怒りを覚えるユウ。

 翌日、目の下に大きな隈を付けたユキがテントの中から出てきたときは、心底驚くゼウスであった。




 「ねえ、まだですかー?あと何時間歩けばいいんですかー?疲れたんですけど?つーかーれーたー」

 アテナと別れた日から今日で一週間と3日が経とうとしていた。

 ここまでは、夜以外まともに休憩を取らずノンストップで歩いていた。

 このころになると、悲しみは消えており、新しい場所への期待と興奮に燃えているゼウス。

 ちなみに、荷物は全て空間の狭間に入れてあるので手ぶら状態だ。

 一見すると、旅をしているようには見えないだろう。

 「はいはい、もう少しでつくから、我慢しろ」

 「えー」

 三日前までは良かったんだけどな。

 一昨日ぐらいから限界が来たのかずっとこの調子なんだよな。

 それでも、前に比べると大分よくなってはいるので、引き続き頑張ってもらいたいものである。

 前回は三日も持たなかった。

 でも、流石にずっと歩くのも時間が掛かるし疲れる。

 次のところでは、何か別の移動手段が欲しいものである。

 「そういえば聞いておりませんでしたが、次の目的地はどこなのでしょうか。進む方角的に日和帝国なのではと思いましたが、帝国にしては少し遠回りな気がします。」

 「お、勘が鋭いじゃないか。次に行くところは二人にも所縁がある場所だよ。」

 「あれ、お姉ちゃん知らないの?」

 俺の横でドヤ顔を繰り広げるユキさん。

 姉に対して自分が上回ってるのが嬉しいのだろう。

 そんな妹からの煽りを気にする様子もない姉のユウは思考の海に更けていた。

 「・・・もしかして、妖魔の里ですか・・・?」


 九重騎士であり、神狐三姉妹の二女。

 それが次に会おうとしている神の名だ。

 ちなみに神狐三姉妹の長女はユウで三女はユキ。

 この三姉妹はいつも仲良く俺の傍にいてくれたんだけど、ユズは中でも大変だった。

 何故か毎日俺を崇めてくるし、ファンクラブを密かに作ろうとするしで騒がしい奴だった。

 もしかしたら、ユキよりうるさい相手かもしれない。

 ・・・いや、どっこいどっこいといったところか。

 でもなんでそんな面倒くさい神に会いに行くかと言えば、もう一人のうるさい狐(ユキ)が言った発言が発端だ・・・





 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 




 「次どこ行こうかな」

 まだアテナの宮殿にいた時だった。

 いつもの応接室に集まった俺とユキ。

 相変わらずアテナは仕事が立て込んでていない。

 ユウはそんなアテナの手伝いをしている。

 何か仕事でいなくなる度に呼びに来たミカエルを鬼の形相で睨んでいた。

 こればっかしはアテナに同情するを得ないよ。

 この国は国民の数が多く、問題ごとが起こるのは必然だし、最近動きが活発化してきている隣国の日和帝国のことだってある。

 大変な時に来てしまった。

 話はそれてしまったが、次の行先に詰まるのは俺にとって死活問題になる。

 候補はあるが、どれも一癖も二癖もあるやつばかりだし、伊吹の件もあり穏やかに過ごしたい。

 だから、なるべく癖があるところには行きたくないのが本音。

 どうしよう・・・。

 「なんです?まさか、ゼウス様次の場所で迷ってるんですか?!」

 うるさい奴に聞かれてしまった。

 なんかテンション高いし、絶対に案があるんだろうけど、嫌だ。

 ユキのことだから、碌な場所じゃない。

 「ふっふっふ。そうですか、悩んでるんですね?安心してください。私、そうだと思って次の行先をご用意しました!!」

 「いや、自分で考えるから大丈夫だよ。」

 間髪入れずに断っておく。

 絶対に碌でもない場所を選んでる。

 効果音が付きそうなぐらいのドヤ顔で次の行先があると豪語しているユキ。

 そもそも「用意」って言ってる時点でおかしい。

 「えぇ、なんでですか?!私が選んだんですよ?!」

 君が選んだところだからダメなんだよ?

 逆に何故採用されると思ったのか教えてほしい。

 「せ、折角頑張って探したのに・・・」

 涙ぐんで俯くユキ。

 目に溜まる涙は今にも零れ落ちそうだ。

 ・・・仕方ない

 「冗談だよ冗談。それで、どこを選んでくれたんだ?」

 「じょ、冗談ですよね!ま、私は分かってましたけど?いいでしょう、特別に教えてあげます!」

 ・・・やっぱあのまま放置した方がよかったかもしれない。

 機嫌が直ってさらにウザさが増してる。

 「私が選んだ場所とは・・・妖魔の里です!!」

 妖魔の里かー。

 そうかそうか、妖魔の里・・・

 「いや、ダメだろ!!何考えてんだ?!」

 こいつ、よりにもよって妖魔の里を選びやがった。

 あそこはユキと同じくらい面倒くさいやつがいるから一番先に候補から外したのに。

 「ダメって、もう決定してることですから」

 決定してねーし!

 「それに、すでにユズちゃんには次行くよって連絡しちゃってますし。いまさら嘘でしたなんていえませんよ?」

 へ?

 れ、連絡した?

 まさか、俺のこと教えちゃったの?

 嘘だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!




 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 






 と、まあこんなことがあって会いに行くことになってしまったのだ。

 もうどっかの馬鹿が知らせちゃったみたいだし、行かなかったら行かなかったらで、後のことが怖すぎる。

 最悪、いくつかの国は滅んでしまうだろうから。

 それだったら、行くしかない。

 ユズも悪い子じゃない。

 少しうるさくて面倒くさいだけだ。

 ユキがもう一人増えたと思えばいい。

 ・・・精神が持つだろうか。


 

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