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14話 次の国を目指そう

 甘いものは正義。

 さっき食べたシュークリームは大変美味でした。

 ユキに案内されて向かったスイーツのお店。

 ここも保食(うけもち)がプロデュースしているらしい。

 保食さまさまです。

 「ゼウス様、どうやら向こうで大道芸をしているようです。行ってみませんか?」

 むむ、ユウからの提案とは珍しい。

 「大道芸かー。面白そうだし、行ってみようか」

 返事を聞いて顔に笑顔を見せるユウ。

 破壊力が凄い。

 




 「さあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!摩訶不思議な大道芸のお時間ですよ!」

 道化師が空中に浮かびながら観客を呼び込む。

 彼が空を自由に飛び回る姿に通行人たちは目を奪われていた。

 昔はこんな見世物もなかったけど、改めて時代の変化を感じる。

 これも神は地上に降りたことが影響していると思う。

 神の恩恵のおかげで人々の生活に余裕ができたことで、自由な人生を謳歌できるようになった。

 凄いことだ。

 そうこうしている内に大分観客が集まってきた。

 それと同時に道化師の芸も始まる。

 最初は王道のジャグリングから。

 色鮮やかなボールが綺麗な弧を書きながら次々と手中に収まっていく。

 大道芸を初めて見たゼウスは一つ一つの芸を興奮しながら見ていた。

 それが基本的な芸だとしても。

 その後もいくつか芸が続き、最後の大技として口からドラゴンの形をした火を噴き、何もない空間から取り出した大小さまざまな剣で戦い始める道化師。

 まるで小さな劇を見ているようだ。

 「がんばれー!」

 小さな子供は迫力に圧倒されながらも応援の声を上げている。

 

 「あの人の技術はかなりのようですね」

 火のドラゴンを倒したタイミングでユウが横から声を掛けてきた。

 観客からは拍手が送られている。

 ちなみに、ユウの奥にいるユキのことを少し見てみると、彼女も目をキラキラさせながら大きな拍手をしる。

 かなり影響されやすい所があるからな。

 後で「私もやりたい!」って言いださなきゃいいけど。

 っと、そんなことはいいとして。

 「確かに凄いよな。だって、ドラゴンを操作しながら自分も剣を振って戦っているんだから。あの大きさの火を操るだけでも苦労するのに、体も動かすとなるとかなりの精神を使うはず。相当練習したんだと思うよ。」

 「私なら簡単にできますが、魔法の操作や調節が苦手なユキはできないでしょう。人間でもできる者はほとんどいないかと。」

 ・・・ユキってできないんだああいうこと。

 俺はできるけどね。今は無理だけど。

 力が戻ったら簡単にできるようになるはず。

 力と言えば、転生の影響で大幅に弱体化してしまった俺だが、最近はかなり戻ってきていた。

 生まれた時から少しずつ回復していたけど、最近になってその量が急増している。

 おそらく、伊吹との闘いが関係してると思うが、このままいけば一ヶ月後には半分ほど戻る計算。

 「皆さま今日は大変ありがとうございました。私の名前はロップと申します。以後お見知りおきを。それでは、またどこかで会いましょう!」

 最後にそう言い残し一瞬で姿を消す謎の道化師ロップ。

 消える間際に目が合った気がしたけど、気のせいだろう。

 「さて。結構楽しめたし、宮殿に戻ってアテナに最後の挨拶でもするか」

 「そうですね」

 「はーい!」





 「もう行ってしまわれるのですか?もう少しゆっくりしていっても・・・」

 両手で前に腕を組み、悲しそうな表情のアテナを見据える。

 宮殿の入り口付近に立つ俺たちは、アテナとその後ろに控える熾天使(セラフィム)と最後の挨拶を交わしている。

 この場所に来るまでに宮殿内でアテネが「行かないで」と、珍しく我が儘を言ってきて苦労した。

 確かに、ここに来てからそれほど時間は経ってないし、見たいところも話したい気持ちもある。

 でも、世界を見て回るという目標がある限り一つの場所に留まるわけにはいかないのだ。

 それに、他の国にも行ってみたい気持ちが心の中で騒いでいる。

 焦っているわけではないけど・・・

 「ごめんな。もう少しここに居たい気持ちも山々なんだが、色々なところに行くのはもはや俺の使命みたいなものだから。魔法を使えばまたすぐに来れるから。またすぐに来るよ。」

 「で、でも、500年も待ってようやく会えたのに、すぐにいなくなってしまうなんて、酷いじゃないですか・・・」

 涙目で訴えかけてくるため、心が揺さぶられそうになる。

 ダメだ。ここで折れたら、一生抜け出せなくなるぞ。

 暗示を掛けながら、踏ん張る。

 そんな時に熾天使長のミカエルから声がかかる。

 「アテナ様、確かに辛い気持ちも分かります。ですが、ゼウス様もやっと手に入れた自由なのです。ゼウス様を想う一人の神として、ここは快く送り出してはどうでしょうか」

 ミカエルの顔を見ながら、しばしの間思案をするアテナ。

 しばらくして、こちらに向き直りもう一度姿勢を正す。

 その瞳にはさっきまでの悲しさは消えていた。

 「ミカエルの言う通りでした。ここは、自分の欲求をぶつけ。

 さっき食べたシュークリームは大変美味でした。

 ユキに案内されて向かったスイーツのお店。

 ここも保食(うけもち)がプロデュースしているらしい。

 保食さまさまです。

 「ゼウス様、どうやら向こうで大道芸をしているようです。行ってみませんか?」

 むむ、ユウからの提案とは珍しい。

 「大道芸かー。面白そうだし、行ってみようか」

 返事を聞いて顔に笑顔を見せるユウ。

 破壊力が凄い。

 




 「さあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!摩訶不思議な大道芸のお時間ですよ!」

 道化師が空中に浮かびながら観客を呼び込む。

 彼が空を自由に飛び回る姿に通行人たちは目を奪われていた。

 昔はこんな見世物もなかったけど、改めて時代の変化を感じる。

 これも神は地上に降りたことが影響していると思う。

 神の恩恵のおかげで人々の生活に余裕ができたことで、自由な人生を謳歌できるようになった。

 凄いことだ。

 そうこうしている内に大分観客が集まってきた。

 それと同時に道化師の芸も始まる。

 最初は王道のジャグリングから。

 色鮮やかなボールが綺麗な弧を書きながら次々と手中に収まっていく。

 大道芸を初めて見たゼウスは一つ一つの芸を興奮しながら見ていた。

 それが基本的な芸だとしても。

 その後もいくつか芸が続き、最後の大技として口からドラゴンの形をした火を噴き、何もない空間から取り出した大小さまざまな剣で戦い始める道化師。

 まるで小さな劇を見ているようだ。

 「がんばれー!」

 小さな子供は迫力に圧倒されながらも応援の声を上げている。

 

 「あの人の技術はかなりのようですね」

 火のドラゴンを倒したタイミングでユウが横から声を掛けてきた。

 観客からは拍手が送られている。

 ちなみに、ユウの奥にいるユキのことを少し見てみると、彼女も目をキラキラさせながら大きな拍手をしる。

 かなり影響されやすい所があるからな。

 後で「私もやりたい!」って言いださなきゃいいけど。

 っと、そんなことはいいとして。

 「確かに凄いよな。だって、ドラゴンを操作しながら自分も剣を振って戦っているんだから。あの大きさの火を操るだけでも苦労するのに、体も動かすとなるとかなりの精神を使うはず。相当練習したんだと思うよ。」

 「私なら簡単にできますが、魔法の操作や調節が苦手なユキはできないでしょう。人間でもできる者はほとんどいないかと。」

 ・・・ユキってできないんだああいうこと。

 俺はできるけどね。今は無理だけど。

 力が戻ったら簡単にできるようになるはず。

 力と言えば、転生の影響で大幅に弱体化してしまった俺だが、最近はかなり戻ってきていた。

 生まれた時から少しずつ回復していたけど、最近になってその量が急増している。

 おそらく、伊吹との闘いが関係してると思うが、このままいけば一ヶ月後には半分ほど戻る計算。

 「皆さま今日は大変ありがとうございました。私の名前はロップと申します。以後お見知りおきを。それでは、またどこかで会いましょう!」

 最後にそう言い残し一瞬で姿を消す謎の道化師ロップ。

 消える間際に目が合った気がしたけど、気のせいだろう。

 「さて。結構楽しめたし、宮殿に戻ってアテナに最後の挨拶でもするか」

 「そうですね」

 「はーい!」





 「もう行ってしまわれるのですか?もう少しゆっくりしていっても・・・」

 両手で前に腕を組み、悲しそうな表情のアテナを見据える。

 宮殿の入り口付近に立つ俺たちは、アテナとその後ろに控える熾天使(セラフィム)と最後の挨拶を交わしている。

 この場所に来るまでに宮殿内でアテネが「行かないで」と、珍しく我が儘を言ってきて苦労した。

 確かに、ここに来てからそれほど時間は経ってないし、見たいところも話したい気持ちもある。

 でも、世界を見て回るという目標がある限り一つの場所に留まるわけにはいかないのだ。

 それに、他の国にも行ってみたい気持ちが心の中で騒いでいる。

 焦っているわけではないけど・・・

 「ごめんな。もう少しここに居たい気持ちも山々なんだが、色々なところに行くのはもはや俺の使命みたいなものだから。魔法を使えばまたすぐに来れるから。またすぐに来るよ。」

 「で、でも、500年も待ってようやく会えたのに、すぐにいなくなってしまうなんて、酷いじゃないですか・・・」

 涙目で訴えかけてくるため、心が揺さぶられそうになる。

 ダメだ。ここで折れたら、一生抜け出せなくなるぞ。

 暗示を掛けながら、踏ん張る。

 そんな時に熾天使長のミカエルから声がかかる。

 「アテナ様、確かに辛い気持ちも分かります。ですが、ゼウス様もやっと手に入れた自由なのです。ゼウス様を想う一人の神として、ここは快く送り出してはどうでしょうか」

 ミカエルの顔を見ながら、しばしの間思案をするアテナ。

 しばらくして、こちらに向き直りもう一度姿勢を正す。

 その瞳にはさっきまでの悲しさは消えていた。

 「ミカエルの言う通りでした。大切な主を笑顔で送り出してこそ、配下というもの。ですから、ここでもそうしたいと思います。それに、ゼウス様の消息も分かりましたし、次会うのは前よりずっと短いですからね。これぐらい今更でした」

 「ありがとう」

 「気にしないでください。でも、絶対に戻ってきてくださいね。」

 「分かってるよ」


 「じゃあ、またな!」

 「ええ、お元気で。また会える日を楽しみにしています」

 こうして、ミネルヴァ聖王国での観光を終えるのだった。

 

 「・・・ゼウス様、泣きそうですか?」

 「うるせーよ!」

無理やり感が否めない・・・

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