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1話 暇と転生

 目の前に広がる真っ白な天空城。城下には天空城と同じ白で統一された綺麗な街が栄えていた。

 ここは天界。かつてこの世界を創造した神々が住んでいた黄金郷である。

 しかし300年前、一人の神の思惑でこの白い大地は姿を消したのだった。

 天界に住んでいた神々は、地上にある自分を信仰する者のところへと降り立っていった。

 この日のことを人々は後にこう読ぶ。

 『ラグナロク』と。

 地上が神の力により繁栄を究める時代の始まりであった。




「んーっ」

窓から差し込む光が朝の始まりを告げてくる。

 一人の少年がベットからからだを起こし、一階にいる家族の元へ向かう。

「おはよう、エレス。ご飯出来てるわよ」

 階段を降りると、椅子に座った母さんのヘスティアが僕に声を掛けてくれる。

「おはよう、母さんそれに、父さんも」

「ふぁ〜おはよう、エレス。気持ちのいい朝だな。おぇっ」

 母さんと、ベットで足を伸ばして寝ていた父さんにもついでに挨拶する。

 父さんのマルスは昨日、村の人達と飲んで来たらしく、顔色が悪い。

「もう、だから昨日飲み過ぎには注意してってあれ程言ったのに」

「あはは、すみません」

 父さんは相変わらず母さんの尻に敷かれているようだ。

 

 いやー、母親の料理というのは、やはり美味しいね!今日はいつもより豪華だったし、更においしさが増していたよ。

 ご飯を食べ終わり、一息ついた時に僕はそう思考する。

 

 僕、エレスは転生者だ。それも神々の王であり、この世界を創造したゼウスである。そしてなにより、天界を閉じた張本人でもある。

 この事は両親には言っていない。

 もし、自分が神々の王だと知られたら、転生した目的を果たせないと思ったからね。

 天界閉じて良かったー!。ずっと暇だったし、地上に降りたかったんだよね。


 エレスことゼウスが天界を閉じた理由。それは『暇』だった。

 あそこは綺麗で上から地上を眺めた時の景色がいい。

 しかし、逆にいえば綺麗な景色しかなかった。

 どれだけ綺麗であろうと1000年以上も同じ景色を見続ければ、飽きてくるのは必然である。

 反対に、地上で起こっていることは、ゼウスにとって面白そうなものだった。

 神のような力が無い分、知恵を出し合い生活を豊かにしていく。次第に、グループを作って村、国と発展していく姿は、暇を持て余していた神にとって、興味を引くものだった。

 でも、流石に他の神に何も知らせずに、唐突に天界を閉じたのは失敗だった。他の神にとっては突然、住処を追い出されたことと同義。

 そりゃあ、怒るのも分かる。

 あの鬼気迫る顔で問い詰められるのも納得だ。

 あれはもう一生経験したくないね。

 しかし!僕は後悔してないぞ!

 もう、他神の前で威厳を保つ必要もないし、椅子に拘束されることもない。


 明日は、15歳の少年少女にとって最も大切な日である。甘酸っぱく、しかし時には苦く辛い青春を送る場所。

 そう、学園の入学式の日である。

 これは、例外なくすべての子どもたちが絶対に通わなければならないことになっている。

 神が降りてから数十年後、未来ある子どもたちを育成しようと考えた知性の神メーティスによって作られた数少ない世界共通の法律であった。

 今年15歳を迎えた僕のもとにも入学書類が届いていた。そして今日が学園へ向かう日。

 天界から見ていた時からずっと通ってみたいと思っていた。

 友達とのご飯、みんなで取り組む課題などなど。

 最初机に置いてあった書類を見つけたときは、嬉しすぎて、跳ねた時天井に穴を空けてしまった。

 「むむ、これは・・・、学園の入学通知書?!つい僕の元にも・・・!イエーイ!」

 バキッ

 「あ」


 今度から母さんを怒らせるのはやめておこう・・・。

 あの時の母さんの顔といったら天界を閉じる時に他の神がしていた顔と同じ顔をしていた。

 恐ろしい。

 

「お金は持ったし、その他勉強に必要な物もある。一番大切な入学書類もあるし・・・。よし!」

 家を出る前にもう一度必要な物を確認し、バックに詰め込む。

 後ろを振り返ると、父さんと母さんが並んで僕を見守っていた。

「頑張ってね」

「寂しくて帰ってくるなよ?」

 父さんが冗談を言ってくる。僕の緊張を解そうとしてくれたみたいだ。

「わかってるよ、二人も元気でね」

 僕は笑顔で言う。

 母さんは僕が居なくなるのが寂しいのか、目に涙を浮かべている。父さんはそんな母さんを支えてながら、こっちを笑顔で見つめていた。

 普段は母さんの尻に敷かれているが、こういう時には頼りになる人だ。

 転生して家族になった人たちがこの人たちで良かったと心から思う。

 これがもし、奴隷のような身分に転生してたなら、僕はやってけなかったと思う。

 寂しくなるな。だけど・・・

「いってきます!!」

 最後は笑顔で!

 転生後、一番の笑顔で両親に分かれの挨拶をする。

 悲しいときは笑顔が一番。

「「いってらっしゃい!!」」

 二人も笑顔で送り出してくれる。



 感動に浸りながら家から出た後、僕は学園への道のりを思い出す。

「えーっと、学園があるのは隣国のウィスドン王国だから、馬車で3日ぐらいか。で、入学式が明日の昼だから・・・え?」

 入学式は昼にあるが、手続きや簡単な試験がある為、朝には学園にいなければならない。

 更に"馬車で3日"である。僕いや、俺だな。(15歳だし。)は徒歩で行こうとしていたし、明日の朝までにつかないといけないわけで・・・

「やべぇぇぇぇ」

 感動の余韻が一瞬で冷めるぐらいピンチだった。


書くことに時間が掛かるので投稿頻度が遅くなるかもしれません・・・。

誤字等々何かありましたら優しく教えてください。

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