女神
トラックに轢かれるというのは人生はじめての経験である。
一瞬の苦痛の後
天にも昇る気持ちとはまさにこれではないかという解放感を味わった。
その後、転生の女神なる人間と会ったのだ。
白い服装の女性が目の前にいた。
白銀の髪、整った顔に優しい笑顔、そして豊満な胸
これはどこからどう見ても女神ではないかという見た目をした彼女を一目見たときに俺は恋に落ち、彼女との恋の逃避行について考えていた。
彼女はきっと囚われの身でここから出られない女神なのだろう。俺が君を救い出して見せる。俺は必ず君を幸せに…
「あのぉ、いいですか?」
女神の声に、はっとした。あまりの美しさに夢見心地に妄想をしてしまっていたのだ。
「なんでしょうか?」
冷製を装い答えた。
「あなたは残念ながら死にました。ですがあなたは幸運な男の人ですね。今までいた地球とは全く別の世界に転生することに決まりました。」
よく見るやつだ。
本当に言うんだな。
「でしょうね。」
「あまり驚かれないんですか?」
女神は少し微笑んだ。
「異世界転生ものをよく見てますからね。この後はチートスキルの選択ですよね?地味なスキルだったけど実は〜とかの異世界無双も好きなんですけど、やっぱりあからさまなチート能力が欲しいです。」
「えっと…何を言ってるんですか?」
女神が困惑している。
「異世界の魔王を倒すために転生するんですよね?」
「いえいえ、そんな大層な役割をあなたに押し付けませんよ。」
おかしい。普通はここで魔王を倒すって無理難題を押し付けられて「やれやれ」っていいながらチートスキルをもらう流れだろ?
「じゃあ俺はなにをするんですか?」
「とりあえず転生してもらいます!よいしょお!」
「ちょ、え?」
身体が宙に浮き意識が…
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「あ、言語理解ってスキルならつけてますよ!」
そこで俺の意識は途絶えた。
俺は今でもこの女神を恨んでいる。
あのクソ女神。




