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夫婦で営むモンスターファーム~目指せ、まったりスローライフ~  作者: 三田 白兎
1章 ペットが飼いたいので、VRMMO始めました。

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70話 バク丸はテクニカル

日付が変わる前くらいにはもう1話書き上げて投稿します。

 サクラボアが気絶してから10分ほど経過した。この個体はかなりの寝坊助らしく、まだ起きる気配がしない。

 暇つぶしにテイムしてからそこそこ成長したバク丸のステータスでも改めて確認しておこうかな。




バク丸 (スライム)

Lv.6

HP:55/55 MP:35/35

力:12

耐:16

魔:6

速:9

運:9

スキル:溶解液、液状化、物理耐性

称号:―




「うん、すらっちがこのレベルの頃とほとんど一緒だね」


 スライムはレベルが上がりやすい。すぐにLv.5を超えたため物理耐性も取得済みだ。溶解液も使えるので今は以前のすらっちのような戦い方をしている。

 ただ、それだけだとおもしろ味に欠けるので、ランダムスキルスクロールでも使ってみようかな。


「バク丸、新しいスキルが欲しいか?」


 めんどくさがりな従魔だし、新しいスキルとかも別にいいと答える可能性もある。それなら無理にスキルを増やす必要はない。ラスト1つランダムスキルスクロールは望む者に使いたいからね。


 少し考える素振りを見せたものの、バク丸は体を揺らして答えた。どうやらスキルが欲しいらしい。


「このボアほんとに起きないな。よし、まだ時間ありそうだし、今のうちに使うよ」


 スキルスクロールを使うためにバク丸は俺の前にくる。俺はアイテムボックスからランダムスキルスクロールを取り出し、対象をバク丸にして使用した。


「さてと、いったい何を覚えたかな」


 目の前にいる従魔のステータスを改めて確認すると、スキル欄に膨張という文字が追加されていた。

 どんなスキルなのか気になって効果を見るが、読んで字のごとく。ただ自身の体を膨張させて体積を増やすことができるというものだった。無限に体積を増やすことができれば、敵を押し潰すことも可能だろうが、もちろん制限が設けられている。初期段階で元の体積の2倍まで。そしてスキルの熟練度が上がるごとにこの膨張できる体積が大きくなるらしい。


 う~ん、強いのか?

 全く使えないわけではないだろうが、俺の顔くらいのサイズのバク丸の体積が2倍になったところでそこまでできることが増えるとは思えない。まぁ、俺には使い方が思い浮かばなくてもバク丸が自分で見つけるかもしれないからよしとするか。


「おっ、今ちょっと動いた?」


 バク丸の新スキルを与え終わった頃。丁度良いタイミングでサクラボアが気絶から目覚めたようだ。まだ体をふらつかせながらも、ゆっくりと起き上がり始めた。


「従魔になったって通知がこないな……」


 やっぱりイベント限定の魔物はテイムできないのか。テイム条件が違うというのもあり得なくはないが可能性は低いだろう。


 プゴォオオオオオオ!!!


「は!? いきなりなん――――」


 突然、発狂したサクラボアはまだ体がボロボロのはずなのに俺へまたしても突進をする。至近距離な上、座り込んでいる体勢だから避けられない。またぶっ飛ばされるのかと思っているとそこへ水色の球体が割って入った。バク丸だ。


「バク丸気をつけて! 飛ばされるよ!!」


 俺のように突進のノックバック効果で酷い目に合わされないかと心配したが、それはすぐに杞憂だとわかった。


 バク丸は膨張で体積を2倍にした後、液状化してサクラボアの体に絡みついた。そしてスキル解除。再び、粘体になったことで突進の威力を吸収した。

 通常の形だと体積を2倍にしたところでたかが知れているが、体を薄く伸ばせばボア系統の魔物くらいなら包み込めるようだ。加えて物理耐性もあるため元から大したステータスを持たないサクラボアの突進ならその状態でも完全に受け止められるらしい。肝心のノックバック効果が消えた理由はわからないが、とにかくバク丸は相手の攻撃を完全に無効化した。

 そして最後にトドメとして溶解液を体から染み出して、体内にいるサクラボアを溶かす。

 見事な勝利である。


 この短時間でバク丸はスキルを複数使用してテクニカルなコンボを決めてきた。まさかマイペースなめんどくさがりがここまで戦えるとは思いもしなかった。これまでは俺とマモルが戦っている後ろから溶解液で援護のみさせていたが、土壇場でもここまで機転が利くなら今後はしっかりと戦力として考えないといけない。


 そういえば、どうしてマモルは動かなかったんだ?

 バク丸より遥かに速さのステータスが高く、おそらく余裕を持って俺を助けられたはずの従魔の方を向くと、ジトーっとした目でこちらを見つめていた。

 どうやら油断していた俺に呆れているようだ……今度から気をつけるので許して欲しい。


「ありがとう、バク丸。助かったよ」


 マモルの視線から逃げるようにバク丸の方へと向き直した俺は礼を言う。


 イベント限定の魔物はテイムできない可能性が高いという結論を得た俺が妻の元へ向かおうとしたとき。バク丸が体内から1つのアイテムを吐き出した。


「これはドロップアイテム?」


 俺の問いに従魔のスライムは震えて肯定する。




桜色のボア皮

レア度:2 品質:低

桜のような薄ピンクをしたボアの皮。これを使用した防具や衣服は、染色したものより美しい色合いをしている。

ファーレンから離れた土地では高値で買い取ってもらえることもあるとか。




「流石に1発目から肉は落ちないか」


 妻たちの方もサクラボアを狩っているはずだし、もしかしたらあちらで肉がドロップしているかもしれない。合流して聞いてみよう。




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