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夫婦で営むモンスターファーム~目指せ、まったりスローライフ~  作者: 三田 白兎
1章 ペットが飼いたいので、VRMMO始めました。
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4話 初回限定盤特典

 モブ3人組を撃退した俺たちは、冒険者ギルドへと向かっていた。せっかく赤いバンダナのおじさんが教えてくれた情報を無駄にするわけにはいかないからな。


「ハイト、あれじゃない?」

「看板にも書いてあるし、そうみたいだね」


 ご丁寧にギルドの入り口上に大きく<冒険者ギルド:ファーレン支部>と書かれている。この街ファーレンって名前なんだ。初めて知ったな。


「入ってみようか」


 妻を連れて中に入ると、そこには何組かのテーブルとイスが並んでおり、奥にはカウンターが。テーブルで酒を飲んでいる冒険者の姿も見受けられる。よくあるファンタジー世界の酒場といった印象だ。壁際にはいくつも掲示板が立てられていて、そこに張りつけられた紙とにらめっこしている人も多くいる。


「おっ、嬢ちゃんたちは冒険者ギルドに登録にきたのか?」


 入り口の傍に立っていた大剣を背負ったおっさんが妻に声をかける。


「はい! でも、どうして分かったんですか?」

「まず服装見れば来訪者だってことは一発でわかる。そしてこの世界にきた来訪者が最初に冒険者ギルドですることは、冒険者として登録してギルドカードを作ることだからな」


 初期装備はみんな一緒だからわかったのか。

 最初に話しかけてくれた赤いバンダナのおじさんもきっとそれで気づいたんだろうな。


「なるほど。ちなみにギルドカードを作るにはどの人に声をかければいいですか?」

「カウンターに立ってるギルド職員のうちの、一番右にいるマーニャって女がそうだ」

「わかりました。ありがとうございます!」

「おう、いいってことよ」

「ハイト、行こっ」


 俺は大剣のおっさんに軽く礼をしてから妻の背を追う。カウンターの方に行くと丁度マーニャという職員の手が空いている様子だったので声をかける。


「すみません。俺たち冒険者ギルドに登録したいんですけど、手続きとかってお願いできますか?」

「はい、もちろん。お任せください。それにしてもよく私が新規冒険者登録担当の職員だとわかりましたね」

「入り口のところにいる大剣を持った人が教えてくれたんですよ」

「あぁ、なるほど。ガストンさんが」


 あのおっさんガストンって名前なんだな。なんかとてもそれっぽくてお似合いだ。


「直接話したなら分かったかもしれませんが、あの人見た目と違ってとても優しい人なので仲良くしてあげてくださいね」


 強面だから新人さんが近寄らないんですよね。とマーニャさんは続ける。


「もちろんです。先輩方とはできるだけ仲良くしたいと思っているので」

「ええ、それが良いと思います。コネって大事ですから。ふふふ」


 笑いながらマーニャさんは答えるが、言っている内容が妙にリアル味あって笑えないと思うのは俺だけだろうか。


「では、そろそろ冒険者登録の方に移らせて頂きたいと思います。やり方は簡単です。この円盤の上に手をかざすだけなので」


 差し出された円盤には何か魔法陣的なものが描かれていた。


「わかりました。まずは俺からで」


 危険なものではないはずだが、一応俺が先にやって安全を確認しておこう。妻に何かあってはいけないからね。

 俺が円盤に手をかざすと円盤は淡い青に輝く。


「はい、終了です」


 光が収まると冒険者登録はあっさりと完了したらしい。

 危険はなさそうだったので、妻も俺と同様の工程を踏んで登録を済ませる。


「こちらがお二人のギルドカードになります。それと冒険者ギルドについて軽く説明させていただきますね。まず――――」


 マーニャさんの説明によると、冒険者にはランクがあるらしい。そしてそのランクというのは誰もが一番下のブロンズから始まるらしい。ギルドから出されているクエストをクリアして実績を積むことでシルバー、ゴールド、プラチナ、ミスリル、アダマンタイトと格上げされていくとのことだ。ランクが低いと受けられないクエストも存在するので積極的にクエストに挑んで上のランクを目指して欲しいと言われた。

 それとクエストの受注は俺たちがいるこのカウンターでできるらしいが、どんなクエストがあるのかはギルド内にある掲示板を見るように伝えられた。


「以上で説明を終了とさせていただきます。それとギルドカードの初回発行は無料ですが、紛失などして再度発行する場合は有料となりますのでご注意ください」

「わかりました。ありがとうございます」


 挨拶を済ませ、冒険者ギルドを後にした。


「さてと、次は宿探しでもしますか!」

「その前にギルドカードしまったら? 出しっぱなしだと落としちゃうよ」

「え、この初期装備ポケットあるっけ?」

「何言ってるの。ゲームなんだからアイテムボックス的なのがあるに決まってるでしょ」


 た、たしかに。

 早速、ギルドカードをアイテムボックスへしまうイメージをしてみる。


「おっ、ギルドカードが消えた。本当にアイテムボックスってあるんだ……ん? なんかアイテムボックス内にランダムレアチケットってのがあるんだけど、これって初回限定盤の特典のやつ?」


 フリーフロンティアオンラインの初回限定盤を予約するときに特典ありって記載されていたんだが、まさかこんな形で渡されるとは予想外だった。


「せいか~い。ハイトなら、とっくに気づいてると思ってたのに。たま~に抜けてるとこあるよね」

「まぁまぁ。今気づけたんだしよしとしようよ」

「そういうことにしておいてあげますか……で、どうする? ここでチケット使ってみる??」


 ランダムレアチケット。

 なんとも魅力的な響きである。


「使うしかないよね。ここまで話題に出しておいて、また後でなんて俺にはムリだよ」

「よし、きた! なら二人で同時に使ってみよ?」

「わかった。それじゃあ――――」


<ランダムレアチケットが消費されました。候補からランダムに選出中…………完了。選ばれたのは従魔:骨狼です。>


 目の前に突然、強烈な光が発生する。そしてそれが収まると……なんと骨の狼がお座りの状態で現れたのだった。


「え! ちょっと、ハイト!! 何その子。先に従魔を手に入れるなんてずるいよおぉ~」


 リーナは羨ましそうな声を上げながら、詰め寄ってきた。


「仕方ないだろ、こればっかりはランダムなんだから」

「でもでもでもお~!」


 それから妻をなだめるのに五分ほどかかった。お座りをキープしている骨の狼君も怪訝な表情を浮かべている。


「ごめんね、取り乱して」

「いいよ。リーナがどれだけ従魔を欲しがっているのかは知っているつもりだから。落ち着いたことだし、とりあえずこの子のステータス見てみるか」




名称未定(骨狼(こつろう)

Lv.1

HP:91/120 MP:30/30

力:33

耐:15

魔:18

速:41

運:13

スキル:骨の牙、気配察知、暗視

称号:<闇の住人>




 え?

 この子めちゃくちゃ強くない???

 MP以外の初期ステ全部負けてるんだけど……。




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読んで頂けるとありがたいです!!

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