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夫婦で営むモンスターファーム~目指せ、まったりスローライフ~  作者: 三田 白兎
1章 ペットが飼いたいので、VRMMO始めました。
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133話 寝たふりパルム

 パルムが誕生した翌日。仕事から帰った俺は夕食を取って風呂に入ってからフリフロを始めた。妻は俺より少し先にログインしている。


 クランハウス2階の自室から出て1階の共有スペースに顔を出す。そこにはすらっち、スラミン、バク丸の室内大好きスライム組と彼等をぺしぺし叩いて遊んでいるパルムがいた。バク丸は全く意に介さず爆睡中、残りの2体は叩かれるたびに微妙に違う反応を見せてうちのクランの末っ子を楽しませようとしてくれている。どうやら俺が仕事をしている間に仲良くなったらしい。


「みんな、おはよ」


 従魔たちに声をかけると、ようやくこちらに気づいたようだ。

 バク丸は1回だけ体をぶるりと震わせ、妻の従魔たちはぽよぽよ跳ねて挨拶をしてくれる。そしてパルムはよちよち歩きで俺の足元まできて、抱きついてきた。


「寂しかったのか? ごめんね。しばらく一緒だからたくさん遊ぼう」


 今日、最初にすることはパルムと遊ぶことに決定した。

 遊ぶと言っても、建てられたばかりで家具とかもほとんど入れていないこの家でできることなど限られている。まぁ、鬼ごっことかかくれんぼとかそんなのだ。俺が隠れたり逃げたりするには手狭な空間だが、幼体でまだまだ体を満足に動かせないパルムが逃げ回る場所としては丁度いい。鬼役の俺はゆっくり歩いてかわいいかわいいうちの末っ子を追いかける。

 途中からすらっちとスラミンも参加し、わちゃわちゃとした時間を過ごした。そうして2時間ほど経って、パルムはようやく満足した。

 今はその間もずっと同じ場所で寝ていたバク丸の上に頭部を乗せてごろんと寝転がり、パルムはお昼寝もどきタイムだ。マモルと同じく睡眠が必要な体ではないはずだが。もしかしてバク丸がずっとそうしているから真似たのかもしれないね。


「ただいま、戻ったよ~」


 人用の玄関の方から妻の声が聞こえた。

 振り返ると骨を大量に抱える姿が目に入る。


「それどうしたの?」

「パルムとマモルのためにたっくさーん取ってきたの! ファス平原でひたすらスライム潰して、獣の遺骨落とさないかな~ってやってたら知らないうちにけっこう貯まってた」


 俺もタイミングを見て自分で骨の調達をしようと思っていたのだが、その必要はなさそうだ。何しろ両手いっぱいの骨だからね。食っているのか、何なのかマモルもパルムも骨を与えてから時間が経つと骨の姿がなくなるのだが、これだけあればしばらく困らないだろう。


「それは有難いけど……手で持ってくる必要ある?」


 いつも通りアイテムボックスに入れて運べば楽なのに。


「そこはノリだよ。目に見えてたくさんある方が喜んでくれるかなって!」


 実際どうなのだろうか。

 確認するためにパルムの方を見る。


 さっきと変わらずバク丸に頭を乗せて寝るマネをしているが、体を震えさせて時々視線を妻の方へとやっている。これは効いてるな。欲しいなら寝たふりなんてやめて、抱きつきに行けばいいのに。そうすれば相手はイチコロだと思うけど。


「喜んではいるみたいだね。でも、今はバク丸のマネをしてる最中だからもらいに行くのを我慢してるみたい」

「バク丸のマネって爆睡したふりしてるってこと?」

「うん。そういうこと」

「意味は分からないけど……かわいい! よし、それなら目の前に1本置いてみようかなっ」


 悪戯心に火が付いた妻はパルム目の前にしゃがみ、獣の遺骨を1本差し出す。パルムもパルムで反応を見られていると気づいたのか意地でも寝たふりを解除しまいと骨欲を我慢している。


 これはしばらく続きそうだね。

 妻が見ていてくれるなら安全だろうし、俺は上に行って錬金術でもしておくか。


「すらっちにスラミン、2人のじゃれ合いが終わったら知らせにきてね」


 妻の従魔たちはおっけーといった感じに1度跳ねた。


 ――――よし。とりあえず低級ポーションを味付きのものに変えようか。手持ちの低級ポーションと果実を錬金の釜に放り込み、スキルを使う。


 通常の低級ポーションの作成よりは難しく、低級マジックポーションの作成よりは少し簡単くらいの難度の錬金術。

 アイテムボックス内の果実の数が少なかったため、あまりおいしいポーションを作ることができなかったが数個あるだけでも心の余裕が違う。戦闘でダメージを受けてもあの苦い液体を飲まずに済むというのは本当に有難いことだ。今だとすらっちを連れていけば治癒液で回復をしてもらえるので普通の低級ポーションを飲む機会はそうないだろう。


 すらっちとスラミンからの呼び出しはまだない。それならばアイテムボックス内の整理ついでに作成できるアイテムは片っ端から作ってしまおう。


<見習い錬金術師のレベルが1あがりました。SPを2獲得>




ハイト・アイザック(ヒューム)

メイン:テイマー     Lv.1

サブ1:見習い錬金術師  Lv.9

サブ2:見習い戦士    Lv.10

HP:380/380 MP:165/360

力:33(+16)

耐:35(+42)

魔:44

速:19

運:35

スキル:テイム、火魔法、魔力操作、錬金術、剣術(初級)、槍術(初級)、盾、気配察知、聴覚強化、鑑定、解体、採取、潜水、伐採、採掘、口笛、挑発、癒しの手、緋色の紋章

称号:<ラビットキラー><紅蓮の魔女の弟子>

SP:10




 サブ職のレベルが上がったところで、タイミングよく妻の従魔2体が錬金術部屋へとやってきた。


「じゃれ合いが終わったのかな? それじゃあ、俺もまた1階に行くね」



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武器装備不可縛りで始まるVRMMO 新作のリンクになります。
読んで頂けるとありがたいです!!

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― 新着の感想 ―
[一言] やっと追いつきました! 更新楽しみにしています(*´ω`*)
[一言] 更新されなくなった きっと作者がログイン(VR風)してないんだね
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