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夫婦で営むモンスターファーム~目指せ、まったりスローライフ~  作者: 三田 白兎
1章 ペットが飼いたいので、VRMMO始めました。
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122話 祝日だけど1人でログイン

 アネットさんから課題が出て2日目。

 今日は祝日だ。勤め先はホワイト寄りなので仕事はない。俺は朝から与えられたノルマをこなすべくゲームにログインした。妻は明後日まではゲームをする時間は取れないようなので今日も1人である。

 ゲーム内時間では夜。妻の従魔たちはクランハウスの共有スペースで仲良く身を寄せ合いながら眠っている。うちの子はバガードがクランハウスの屋根に止まって休んでいるくらいか。マモルは不死系統なので眠らなくていいし、ずっとゴロゴロしているバク丸が珍しく起きているみたいだから。


「おはよ、マモル」


 クランハウスから出るとすぐにマモルが駆け寄ってきたので、挨拶しながら頭を撫でる。

 こんばんはと言うか迷ったが、こっちでは俺は今眠りから覚めたという扱いなので、おはようと言っておいた。


 マモルから嬉しいという感情が伝わってくる。


「ところで、その背にあるのは何?」


 骨身の従魔の背中に何か細長いものが乗っている。周りに灯りがないため、それが何かはっきりとは見えない。

 待ってましたと言わんばかりにマモルは背に乗せていたそれを地面へと下ろし、足でこちらへと差し出してきた。

 鑑定してみるか。




スニークマンバの死骸

レア度:1 品質:低

解体前のスニークマンバの死骸。解体すると取得可能なアイテムへとランダムで姿を変える。




 どうやら俺がいない間に狩った魔物のようだ。いつもは魚を取っているのだが、標的を変えてみたらしい。

 たしか湖畔に出現する魔物を一通り狩った際は、妻たちが倒した魔物だ。あのときも解体はしたと思うが、どんな素材が取れたのかいまいち覚えていない。


「解体していい?」


 すぐにマモルからオッケーをもらえたので、蛇の死骸を解体した。




隠密蛇皮

レア度:1 品質:低

スニークマンバの蛇皮。あまり硬くはないが、消音性に優れた素材。色は個体によって様々だが、目立たない色の物が多い。




「こんな素材が取れるんだ」


 加工してもらっても防具としての性能はあまり期待できなさそうだね。ただ消音性に優れた素材というのはおもしろそうだと思う。何か作れないか、今度ミミちゃんに会ったときに聞いてみよう。


「おもしろい素材が手に入ったよ。ありがとう、マモル」


 よくできたエース従魔を褒めちぎっていると、水色の球体がぽよぽよと近づいてきた。


「ん? どうした、バク丸。自分から寄ってくるなんて珍しいね」


 だいたいいつもゴロゴロしているし、俺から絡みに行ってもめんどくさそうな反応しかしないのに。今日は自分から近づいてきた。

 しかし、何も気持ちを伝えようとはしてこない。察してくれってことかな。


「飯が欲しいのか?」


 腹が減ったから近づいてきた可能性。

 大いにあると思います。


 俺の言葉を受けて、バク丸は否定するように体を震わせた。


「う~ん。じゃあ、あれ。マモルだけ構うのを見て、羨ましくなったとか!」


 再び体を震わせるバク丸。

 今度は呆れたという感情が共に伝わってきた。


「もうギブ。いったい何を伝えたいの?」


 俺が答えを見つけるのを諦めると、バク丸がしょうがないなぁといった感じで自分の体から何かを吐き出した。


「何これ」




獣の遺骨

レア度:1 品質:低

スライムに捕食されて体内で溶かされた獣の成れの果て。


???の原石

レア度:1 品質:低

岩から取り出された原石。

磨き上げることで本来の姿を現す。

採掘者が未熟だったため品質は低い。




 鑑定するとこんな感じだった。

 獣の遺骨は倒した魔物を体内で溶かした残りカスか?

 でも、どうやって原石を手に入れたのだろうか。これって採掘で取れるもののはずなんだけど。


「これくれるのか?」


 バク丸が肯定する。


「ありがと。嬉しいよ」


 いつも怠惰な生活をしている子から、プレゼントされるとなぜか少し感動するなぁ。この調子で毎日ゴロゴロ生活をやめてくれると嬉しいんだけどね。

 前誘ったときは少し嫌々だったけど狩りにはついてきたし、またどこかに連れ出してもようか。


「バク丸、今度何かお返しするから一緒にどこか行こうね」


 行くのか、行かないのか。バク丸は返事をせずに、ゆっくりとクランハウスの方へと跳ねていった。


「あれは……どういう反応なんだ?」


 マモルに聞いてみるが、それは彼にもさっぱり分からないらしい。


 さてと、従魔たちとも触れ合ったことだし……ファイヤーボールをぶっ放すとしますか。効率良くやろうと思ったら、とりあえず前回と同様に残MPが1割になるまで魔法を撃ち続けて休憩。そしてMPがMAX近くなったらまたファイヤーボールを放つっていうのがいいだろう。そうすれば、なんとかゲーム内で明日の夕方頃には200発撃ち終えられるはずだ。


「マモル、今から湖面に魔法を撃つから。湖で狩りをしても構わないけど、巻き込まれないように離れたところでしてね」


 それならまた地上で魔物を狩る。

 マモルからはそう伝わってきた。


「あまり危険な相手には喧嘩を売らないようにね。マモルが死ぬと悲しいから」


 夜の山にはナイトウォーカーという化け物が出ることがあるからね。それに他にも別の場所から移動してきた未知の魔物が現れるかもしれないし。そういう奴らがいたとしてもここには中々たどり着けないため入ってこないと思うが。一応、マモルに釘を刺しておく。


 忠告を聞いたマモルは、こちらに背を向けて駆け出す。


 これで俺は1人だ。

 まずは1周目。MPが1割になるところまでファイヤーボールを撃ち続けようじゃないか。




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